愛知県碧南市 はためく市章旗に結束の誓い 碧南市と安城市の過去と未来

碧南市世界戦略案

安城市の存在

「碧南市ヲ死守セヨ!」 北東の脅威は市民を結束させ 誇りある心を育む

安城市役所

<碧海群の宗主「安城市」の存在は碧南市を強くさせる。覇権主義の源となる「行動力」は苦々しくも羨ましいチカラ。まさに「蟷螂之斧」状態にある碧南市の活路は安城市を手本とすることにある。ひとつの強大な市が支配する碧海群はダメ。互いが意識し競い合う「群雄割拠」を目標に> 碧南市の北東に位置する「安城市」。”碧海市構想”を大義名分として自治権拡大を目論むその存在は脅威である。 覇権主義的な安城市の南下政策に、碧南市は”合併反対”という形で対抗した。 旧碧海群の宗主を自負し、選民思想漂う安城市にとって、僻地の蛮族と見下してきた碧南市民の蜂起は、まさに怒髪衝天の思いであっただろう。 「蟷螂之斧(とうろうのおの)」を選択した碧南市、これからが正念場だ。 ある逸話が思い浮かぶ。戦国時代、名将「武田信玄」の死を喜ぶ家臣を徳川家康は「隣国に強敵が在ればこそ、強くなれるのだ」との道理で窘めた。 明治期より農業構造改革に着手し「日本デンマーク」と称される程に成功。 昭和29年(1954)に始まった「安城七夕祭り」は、日本三大七夕祭りの一つとして名を馳せるまでになった。 さらに昭和63年(1988)、安城市は新幹線の駅「三河安城」を開業させてしまう。 碧南市制施行の四年後である昭和27年(1952)に安城市として市制を施行したにかかわらず、今や人口17万を超える都市となった。 安城市の発展に繋がる「行動力」は、萎靡沈滞する碧南市の良き手本となる。 安城市を見習い、旧碧海群区域の市が意識しあい、”群雄割拠”として地域を発展させることが望ましい。

油ヶ渕から望む東端

<かつて「碧南市合併」を夢見て闘った人々がいた。昭和30年(1955)4月1日、明治村は分割され、「東端」は安城市へと編入される。碧南市への編入を望む住民達が蜂起。安城派・碧南派と東端は二分され内戦状態に。当時の碧南派が抱いた夢に答える未来を碧南市は築けているだろうか> 『目で見る碧海の100年』(郷土出版社・神谷素光監修 1992年出版)という写真集のなかに気になる写真があった。 ”碧南市合併”と書かれた幟が両側に立ち、その間を行く人々は全て後ろ姿に写っている奇妙な写真。 説明文には「明祥中から南を望んだ風景(昭和33年)」と書かれていた。 ”明祥中”とは安城市東端町にある安城市立明祥中学校の事。昭和30年(1955)4月1日に明治村は9つに分割され、住民投票の結果を基に編入先を決定し、碧南市は「西端」を、西尾市は「米津・南中根」、そして安城市は「石井・和泉・城ヶ入・榎前・根崎・東端」を編入した。 ところが東端住民のなかから「碧南市への編入」を望む声が挙がり、住民同士が安城派、碧南派と分かれて対立する。激しく罵り合い、時には傷害事件にまで発展してしまう騒ぎとなった。 内戦状態にあった東端の惨状を重く見た愛知県は、再度の住民投票実施を提示し安城議会も了承、昭和33年(1958)6月5日を投票日とした。 投票日までの間、東端では両派それぞれに安城市、碧南市から支援部隊が駆けつけ、激しい宣伝合戦が繰り広げられた。 6月5日当日の朝、投票開場となる明祥中学校体育館には長蛇の列が出来、戸板で運ばれてきた老人などの姿も見られ、投票率は99パーセント近くに。 開票日である6月6日、4年越しの争いは安城派の勝利という結果となる。あれから半世紀も過ぎようとしている現在、”碧南市合併”の旗に集まった当時の人々は、今の碧南市をどう見ているのだろうか。

ヘボト自画像ヘボトの「郢書燕説(えいしょえんせつ)」

安城市の商店街

「碧南 Speaker's Corner」

思うことはあるのだけれど、それをキチンと意見として述べられない碧南市民。 饒舌な安城市民を横目に、自らの情けなさに俯くばかり。 英国ロンドンのハイドパーク内に「Speaker's Corner」という一角がある。 政治・経済・宗教など、どんな内容であれ、思いままに演説してよいという「言論の自由」の象徴する場所。 日曜毎に弁士達が熱弁を振るい、聴衆からの質問、反論などで白熱した議論となることも。 今や世界は「主張しなければ従うべき」という時勢である。市内に多くの公園を有する碧南市、ぜひともこの「Speaker's Corner」の誕生を望む。 設立の折りには、英国「Speaker's Corner」設立当初の伝統に則り、木箱の上で演説。論には論で対抗し、決められた一画を出れば終わり。確執を外に持ち出さない。 激する議論は聴衆の社会参加意欲をかき立て、街には実践躬行を是とする雰囲気に溢れるだろう。

< text • photo by heboto >


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