『恋(レン)』 銀英伝も読んでるらしい花札少女。 好きなキャラはメルカッツ提督。 |
『花丸』 銀英伝も読んでるってどうやって?な野良猫。 好きなキャラはホワン・ルイ(マイナー) | ||
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第五話
「戦術鬼〜タクティクス・オウガ〜」
前回は「菊に盃」のヤバさについて説明したところで終わったんだよね? | |
そやで。 で、その「菊に盃」を巡っての戦術論ってのが、今回のテーマやったはずやで。 | |
まぁ、戦略論より先に戦術論語っても仕方ないんだけどねぇ | |
(・・・銀英伝でも読んだんかいな?) ほな 花札における戦術や戦略ってなんや? | |
花札における「戦術」は、場における持ち札を効率よく使って勝利する方法ね。 で、「戦略」は、終局時に勝利するための着地点を想定することかな? | |
へ?場が終了した時点でおわりなんちゃうの? | |
あ、そうか。ちゃんと説明してなかったっけ。 場が終了する条件は第弐話で説明してるけど、その場を6回、または12回繰り返すの。 それで、終局時に持ち点が多いほうが勝ちになるんだ。 | |
もし途中で圧倒的に点差つけられてもうたらどないするん? それでも最後までやらなあかんの? | |
それ用に「ドボン」っていうルールがあるよ。 これは最初の持ち点である20文を失う、 つまり持ち点が0点以下になったら、即終局になるっていうルールなんだ。 | |
もし野球に例えるんなら、場がイニング、一試合6または12イニングの設定なわけやな? で、最終的に一点でも多いほうが勝ちで、20点差で途中コールドっちゅうわけか | |
うまい例えかもね。 ただ野球と違ってイニング毎に、勝利判定があってどちらかにしか点が入らないけどね。 ・・・すでに野球じゃないじゃん。 | |
まぁ、そんなわけで花札における戦略方針は、大きく分けて二つ、 終局時に相手より一文でも多く点をもつことを目指すか、 途中で相手をドボン(無一文)にする程の大きな役を狙うかのどちらかね。 | |
ほな 戦術的にそれらを実行するとなると 相手に大きな役をあがらせずにジワジワ戦う「防御は最大の攻撃」か 相手にあがられようが、こちらがより大きな役を狙い続ける「攻撃は最大の防御」のどっちか、 ちゅうこっちゃな? | |
そう両極端にならず、状況に合わせるのが一番だけどね。 例えば、終局直前で、 相手より一文多くもってるのに「こいこい」して大きな役を狙うのはどうかと思うし、 逆に相手より三文ぐらい少ないのに、カス程度であがったら負けるわけだしね。 | |
つまり初期方針にこだわるあまり、戦略的に敗北しとっては意味ないっちゅうこっちゃっね? | |
そのとおり。 だから状況に応じた戦略を生かすための戦術を知っておく必要があるの。 口で説明しても判りにくいから、実例で説明しよっか。 |
ねぇ、花丸 わたしはこの場合、最初にどの札を取ったらいいと思う? | |
なんや 麻雀の説明本にある「どれをきる?」みたいなもんやなぁ。 | |
むぅ〜ん。せやなぁ、わいならを使うてを取るなぁ | |
・・・それは流れの関係からワザと外したの? それとも素で間違えたのかな? | |
なんか わい間違うてしもたん? 一番、場に多いもんをとろう思たんやけど・・・ | |
花丸 よく見てよ。 その「梅」の札は場に2枚、手札に2枚あるでしょ? つまり全部自分が取れる札なの。 | |
せやから 先に確保しよ思うたんやけど・・・ | |
そのいつでも取れる札を取ってる間に、相手に他の札を取られちゃうんだよ。 花札の戦術はいかに相手に札をとらせず、自分の取りたい札をとるかだから、 いつでも取れる札は後回しにするの! | |
そうなんか・・・確かに無駄な手やなぁ | |
じゃあ、仕切り直しね。 |
むぅ〜ん せやなを使うてを取るとかかいな? | |
うん、いいんじゃない? 「桐」は手札に2枚、場に1枚だから、そうやって取っておけば、 最後の1枚も自分が取れる可能性があるからね。 | |
それには「三光」の材料になるしね。 | |
他にもでを取るんもおもしろそうやな。 「猪鹿蝶」や「タネ」に発展しそうやし。 | |
花丸は「攻撃型」の戦術が好きなんだね。 | |
そりゃそうや。 でっかく稼いで一気に勝負決めるんがええやろ? | |
わたしもそのタイプだからアレだけど・・・ 一応「防御型」の戦術も説明するね。 | |
「防御型」ゆうても 何を防御すりゃええんや? | |
「相手にいい札を取られること」かな? つまり 相手の役の成立に関与する札を先手をうって確保するのが基本方針ね。 | |
この場合だと 何をするんや? |
でを取ればいいよ。 | |
それは「カス」狙いのためかいな? | |
ううん 相手に「月見」であがられる確率を減らすためよ。 | |
あっ!! 前回問題にしとった速攻性が高い役やな? ようやっと最初に話しとったテーマに行き着いたんや・・・ | |
せやけど それに必要な「菊に盃」はどこにもあらへんけど? | |
自分が持ってない以上、相手が持ってるかもしれないでしょ? だから場に「菊」が存在していない状態にして、役の成立を遅らせるのよ。 | |
でも 確証がないんにそないことしたら、それこそ「無駄な一手」になるんちゃう? | |
そうなったとしても「カス」の材料は手に入るわけだから、 まんざら「無駄な一手」ってわけじゃないと思うよ。 | |
大体 どないして相手が「月見」であがるかも、ちゅう推測が成り立つねん? それにその確率を減らすちゅう考えに行き着くのもさっぱりや | |
それは こうね。まず自分の手札に「菊に盃」がない。 にもかかわらず場には「菊」が存在する。 | |
さらに、場にはがあり、手札に「芒」がない。 | |
もし相手の手札に「芒」と「菊に盃」があった場合、2ターンで敗北する可能性がある。 | |
とりあえずでを取れば、相手が「菊に盃」を手にする確率が減る って感じかな? | |
そこまで考えにゃならんもんかい?そこまで「菊に盃」を恐れにゃならんのかい? | |
まぁ、ここまで考える必要はないだろうけど、ととの動向には 注意を払う必要があるのは確かね。それだけで勝率が結構変わるし。 | |
つまりそれらの札を自分が取れる状況やったら、優先的にゲット! 取れないようなら相手に取らせんようにするちゅうこっちゃな? | |
そのとおり。「月見」「花見」を巡る戦術が序盤の焦点だからね。 | |
ほな 中盤・終盤は何が焦点なんや? | |
「こいこい」を巡る戦術ね。 じゃあ、次回は「こいこい」の判断について説明しようかな? |
ヤン提督は おっしゃった
「戦術レベルの勝利が 戦略レベルの敗北を覆すことはない」と
されど花札にゃ そんな理論は通じない。
いつでも例外 バーミリオン会戦
〜つづく〜
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