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<深沙の休憩室 雛型の章>

16歳パワーズ

ふふん〜♪
休憩〜休憩〜♪お菓子〜お菓子〜♪
そういえば、まだ一話と二話みてなかったなぁ〜♪
みたいなぁ〜いや、でもそうでもないかなぁ〜♪
休憩する気満々のところ悪いけど、
雇い主の依頼で少し話があるんだけど。
ああっ〜!?ふ、不審者っ!?
なんか(主に黒い服を着た人達に飲まされたクスリとかで)
若返ったアトリさんみたいな人が“アタシ”の休憩室に!
しかも花鶏絵の制服を着て!
・・・噂通り、色々とツッコミたくなるコね。

とりあえずここは“アナタ”の休憩室じゃないから。
それと雇い主がそれ聞いたら、また時給減らされるよ?

言いたくなる気持ちも分からなくはないけど。
え?
若返ったアトリさんに見えてもおかしくないということは・・・
もしかしてアトリさんの親戚とかクローンとかホムンクルスとか?
(・・・ダメだ、このコ。はやくなんとかしないと)
わたしは・・・と、その前にはじめまして。

わたしはユナ。少し前からここで働いてるの。
アナタとは別のシフトだから今まで会うことはなかったけれどね。
あ!そうなんですねぇ!
最近は前よりは忙しいから、アタシが休みの時
アトリさん一人でどうしてるのかと思ってましたぁ!

改めてはじめまして、アタシは“アトリさんの一番弟子”深沙です!
16歳って設定年齢になってますっ!
(一番弟子とか設定年齢はおいておいて・・・)
へぇ、わたしと同い年なんだ。
え・・・嘘だといってよ、バーニィ!
同い年には見えませんよぉ〜。
ああ!年齢より少し大人っぽいって設定なんですね?
また設定・・・そういう観点で話していいなら
わたしのデザインコンセプトは『いかにもな16歳の少女』らしいんだけど。
え・・・じゃあ
アタシが年齢より幼いイメージってことなんですかぁ?

何となく分かってはいたんですけどぉ、改めて言われるとショックです〜。
ショック受けてるところ悪いけど
今回わたしがアナタと話すように雇い主に言われたのは
以前の『キャラ立ちぬ』の補足をするためらしいの。
 要するにキャラの描き分けを意識する場合に
ある年齢の雛型的なキャラを自分なりの絵柄で構築しておくと
バリエーションを作成する場合に基準があるから作りやすいとかなんとか。
例えば、標準的な16歳であるわたしに対して子供っぽいアナタでは
目の大きさや胸サイズ、頭身を幼い方向へ修正するという風に。
『ダウン攻撃、ヒット!』って感じですね。

あ!そういえば、最初に言っていた
『若返ったアトリさんに見えてもおかしくない』理由って何だったんですかぁ?
それはね。
わたしが、この絵柄になった最初期に作られたキャラだからね。
そのため、そのバリエーションとして、
目を流し目気味に、輪郭を少し長く等の年齢アップの修正を施して作られた雇い主が
わたしにイメージ的に似ちゃうのは仕方が無いの・・・多分。
つまりユナさんは『トールギス』・・・
いやいや前髪一本長いという共通意匠があるから
『ウィングゼロ』ってことですね!
分からない喩えほど始末悪いものは無いと思うんだけど。

今回、言いたかったのはわたしが『16歳の雛型』であると同時に
『キャラ絵の雛型』でもあるということ。
多分、キャラ絵を描く人は色々なキャラを作っていく内に
わたしのような存在(いわゆるテンプレキャラ)を認識することになると思うけど
逆にそれを描き分けパターンを増やすきっかけにできればいいかな、と思うの。
つまり『ウィングゼロ』から『ウィング』『デスサイズ』
『ヘビーアームズ』『サンドロック』『シェンロン』が作られて
さらに『ヘビーアームズ』から『レオパルド』を作るみたいな感じに
発展していけばいいってことですね!
・・・本当にダメだ、このコ。

このパターンって今回で終わりですよね?
本編にまで進出しませんよね?
そうなるとちょっと心配なんですけどぉ(出番が減る的な意味で)
・・・本編には全く影響がないのがこの空間だから。
ただ無駄に顔パターンだけは作ったみたいだから
ここでの展開はあるかも・・・ね。

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