アトリさん! 最近、アタシの絵を見てもらってないので一枚描いてきましたぁ! せっかくなので、見てくれませんか? | |
・・・そういえば、そうね。 わかったわ。見せてもらおうかしら? | |
はい、これです!! |
久しぶりだったので、大変でしたぁ。 でもちょっと自信があるんですよぉ! | ||
・・・何というか、スゴイ絵ね。 負のオーラが充満しているというか。 この女の子はなんで安全メットを被って、 何かを構えているの? |
えっ!? 女の子じゃないですよッ!? 35歳男性、趣味は洞窟探検なんです。 でもヒザ上の高さから落下するだけで一機減るんですけどね。 手にしているのはお化けを消滅させる銃で 聖水を噴霧しているとか諸説あります。 | |
(それってスペ○ンカー先生?また分かりにくいものを・・・) ・・・ええと、どう見ても35歳の男性には見えないわ。 というか男性にも見えないといった方が正解かも。 | |
やっぱり難しいです〜! 男性と女性を意識して描き分けられないんですよぉ。 何となく描けてしまう時もあるんですけど、 どうすれば思ったように男性と女性を描き分けることができるんでしょうか? | |
そうね。 確かに最近、男キャラなのに女キャラが男装しているだけに しか見えない中性的なキャラが多く見られる気がするわね。 特にギャル絵を描く人に多い傾向かしら? 意外と男女の描き分けって意識されてないのかも。 | |
でも、中性的な美形キャラは魅力的ですし、それでもいいんじゃないですかぁ? | |
ええ、確かに魅力的ね、中性的なキャラは。 でも、登場する若しくはその人が描くキャラ全てが中性的な美形キャラだったら、 それがその世界の標準になってしまって、中性的ではないことにならないかしら? あくまで他の男キャラと比較しての「中性的」な外見なわけだから。 要するに「キャラのメリハリ」が必要ということね。 | |
つまり中性的な美形キャラは、かっこいい男キャラによって その魅力が引き出されるってことですかねぇ? 多分、逆もまた然りということでしょうか? 可愛い女の子もかっこいい男性とセットの方がその魅力が際立つ気もしますねぇ。 これが、アトリさんのいう「キャラのメリハリ」なんですか? | |
・・・そんな感じかしらね。 実は今回の質問が「ヤロー絵の描き方を教えて下さい」なの。 今回説明するのは「男女の描き分け」と「男キャラの描き分け」についてね。 ここまでの話はその説明のための前フリってとこかしら? | |
だからタイトルが「描き分け!男塾」なんですね。 「ワシが花鶏絵の主、アトリであ〜るッ!」とか言っちゃったりして・・・。 もしかして引用される資料もハッタリばかりなんですか、今回? 「〜ナルキッソスは池に映る自分の姿に見惚れて水仙に姿を変えられてしまった。 その話が古代中国に伝わり、見目麗しい男性のことを池の水面に自らを映し自画自賛した ナルキッソスに例えて「池面」と呼び、その肖像画の売買などを行った。 これが現代の奥様に人気の「イケメン」の由来であることはいうまでもない」 (民○書房「四様は池面?」より抜粋)とかそんな感じの・・・。 | |
・・・静かになさい。 | |
・・・はぁ〜い | |
・・・とりあえず下に説明用の例を挙げてみたの。 Aが中性的なキャラ・・・一応女性キャラね。少しいじれば男性キャラといえなくもないわ。 Bが私が描く少しいい男系の青年キャラね。 Cは年配の男性キャラ。あまり描かないけど、キャラの家族を出す時には必要かしら? ここから「男女・男キャラの描き分け」について説明していくわね。 |
え〜と、Bの赤い円で囲ってある部分がポイントなんでしょうか? Aと比べるとBは輪郭が面長で、アゴのライン(赤円の部分)が平らですね。 これが男女キャラを描き分けるコツなんですか? | |
・・・確かにアゴのラインを平らにすることで中性的なキャラとの差別化を図っているわ。 面長なのは少し年齢を上に見せるためもあるけど、キャラ自体の特徴といった方がいいかも。 それ以外にも「首の太さ」や「眉毛の太さ」「鼻筋の長さ」などでも差別化させているの。 目も重要かも。女性キャラより少し細めにしたり、ハイライトを減らしたりとか。 あと女性キャラの目に、まつげをつけるという差別化をすることもあるわ。 それと女性を曲線中心の柔らかい線で描写して、 男性を直線中心の硬めの線で描写するという方法もあるわね。 | |
ずいぶん色々と差別化させてるんですねぇ。 じゃあ、BとCはどういう風に差別化してるんですか? 目の下と頬の部分に赤い円がありますけど・・・。 | |
・・・Cは年配のキャラだからBの青年より、骨格が浮き出てる感じにした方が ソレらしく見えるの。だから目の下の筋や頬骨なんかを描いて差別化しているの。 あと口の端にしわをつけたり、生え際を少し後退させたりとか。 えらをはらせてみたりというのもいいかも。 この辺りのポイントを色々工夫することで描く人物のバリエーションが増えるかしら? 特に「アゴの平らな部分の長さ」や「頬骨の有無」「えらのはり具合」 を変化させることで描ける男性キャラの種類はかなり増えると思うの。 | |
つまり男性キャラはあごを平ら気味にして、 首を太くしたりすればそれらしくなるってことですね? | |
・・・そうじゃなくて。 これはあくまで私が男女を描き分けるために構築したルールなのだから、 アナタ自身で自分の絵柄にあった描き分けのルールを構築すればいいのよ。 そして、時にはそのルールに従わないキャラを作ってみるのもマンネリ化防止にいいかも。 男っぽい女性とか、女性っぽい男・・・が問題だからこの話になったのね。まぁ、いいわ。 | |
難しいですねぇ。 でもあごのラインの話はアタシでも参考になりそうです。 後は描き込む線を増やせば、年配キャラになりそうな気もしますね。 | |
・・・それでもいいけど。 ただね。他のキャラの絵柄が淡白なのに、 年配キャラだけスゴイ描き込みだったら世界感から浮いてしまうから、 なるべく他キャラに合わせて描き込みの量を調整した方がいいわ。 ・・・そういうギャップを狙ってるのなら話は別だけど。 | |
そうだ! ついでといっては何ですけどぉ。 アタシ、渋い男性キャラが好きなんですよぉ。 でも描き方が分からなくって・・・。 何かコツみたいなのありませんかぁ? | |
・・・アナタのいう「渋い男性」というのが分からないけど。 とりあえず「煙草」「サングラス」「トレンチコート」「不精ヒゲ」 とかでそれらしく見せればいいんじゃないかしら? | |
アトリさんッ! 男の渋さをなめてませんか? あの表情から滲み出るようなニヒルな感じとか・・・言葉で説明できないんですけど、 とにかくかっこいいんですッ!! | |
言葉にできないような渋さ・・・ねぇ。 それならアナタの思う渋さを表現できるように練習するしかないかも? そうねぇ。とりあえず試しに2パターンの方法で描いてみるわ。 |
・・・これがさっきの説明用の 絵柄から発展させた「渋め」の男性ね。 とりあえず、煙草と不精ヒゲをつけてみたわ。 | ||
チャールズ・ブロンソンみたいですねぇ。 でもいきなりこんな風に描こうとしても 難しいんじゃないですかぁ? |
(チャールズ・ブロンソンってアナタ、歳いくつよ?) なるほど、それならアナタにはこちらの方があうかも。 |
・・・これは私が「渋い」と思った男性俳優を 自分の絵柄におとしたものよ。 もう少しデフォルメすれば さっきの絵柄にも合うかしら? | ||
・・・あっ! 仮面○イダーア○トの「木野さん」じゃないですかぁ。 渋かったですからねぇ。 変身する姿も出淵デザインでかっこよかったし。 アトリさんも意外と特撮見てるんですね? |
(・・・え?キッ○ウォーの瀬島先生じゃなかったかな?) ともかく、自分が渋いと思う実際の男性を自分の絵柄におとしてみると 自分がどうしてその人を渋いと思うのか、その要素が分かるかもしれないの。 私はこの人のクールな眼差しとニヒルな口元に「渋さ」を感じたのかな?って。 そうしていけば、段々アナタの思う渋さを自分の絵柄で表現できるようになると思うわ。 | |
わかりましたぁ。 頑張って渋いオヤジキャラを描ける様になってみせます! | |
・・・期待せずに待ってるわ。 まだ何か知りたかったら、質問して・・・。 それでは、また。 |
他のページへ | |||