09.11.23
目次
■ No,5について(09モデル)
■ 膝継手(09モデル)
■ ソケット(09モデル)
■ 足部
■ フォームカバー
■ No,5について(09モデル)
写真の上でクリックすると拡大します
ナブテスコの新製品ハイブリッドニーが
手帳や労災の認定製品に08年頃、指定されたことがきっかけで
是非手に入れたいということもあって
今回、新たに作成するきっかけとなりました。
ただし、愛知県内では手帳での作成は第1号ということで
価格が従来のものの倍程度となっており
そのことが理由で、けっこうもめました。
でもこちらも全く引く気はなかったので交渉を重ね、認可をもらい
手帳での作成、愛知県内ユーザー第1号となりました。
ただ
今回、膝継手の新調とソケットの新調のタイミングがズレたことで
今年の春に膝継手のみ新調していたとはいえ
ソケットの完成が今年の10月となり
このタイミングでのレポートとなりました。
膝継手の安心感・安定感と
シールインライナーの新調(X5)による断端との一体感が
今回もっとも変化したところです。
従来使っていた義足よりも確実に進歩していると感じています。
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■ 膝継手(09モデル)
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ナブテスコ ハイブリッドニー
側面写真 |
ナブテスコ ハイブリッドニー
後ろから シリンダー部 |
ハイブリッドニーはもともと同社の製品で
インテリジェントの短軸膝継手:NI-C111tに油圧のイールディングブレーキを
内蔵させた改良モデルというイメージです。
ハイブリッドの由縁は
空圧シリンダーでの電気的な歩行制御と
油圧のイールディングブレーキを内蔵しているというところ
すなわち空圧と油圧の組み合わせから
命名されたものと思います。
イールディングブレーキを内蔵した膝継手の認定品は
私の知ることろでは
オットーボック社の3R80。
オズール社のマウク。
そしてこのハイブリッドニーの3種類のみ。
その中で、もっとも機構的に進んでいるのがハイブリッドニーという
見方が出来ます。
階段の下りやスロープの下りなど
イールディングを必要とする場面で、常時、安定して働かせることができる
安定感を備えており、この点ではC-Legと比べても
劣っているということは無いと思います。
この点では意図的に荷重を乗せてイールディングに持ち込む
3R80とは異なり、椅子に座る場面でもイールディング状態になるという点で
幅の広い範囲でのイールディング特性を持っています。
この特徴から、ハイブリッドニーと3R80はユーザーの望む
イールディングの効いてほしい場面が違うという点で
好みの分かれるところだと思います。
とはいえ階段等では3R80も慣れは必要ですが
十分実用性能は持っています。
私が感じるこの2機種の最大の違いは歩行動作の制御が
空圧なのか油圧なのかという点です。
3R80は若くて力のある長断端のユーザー向き。
対してハイブリッドニーは膝継手に安心感を求める
どちらかというと楽に長距離を歩行する人に向いているように思います。
なお、活動レベルで
一概に判断できないのが、本体重量です。
基本的にインテリジェントの幅の広い歩行スピードへの追従性や
階段を交互に降りることのできるイールディング機構の採用などで
複雑な構造になっている分、本体重量は重い部類に入ります。
単純に安定性のみ求めるなら多軸膝継手の方が
お勧めでしょう。
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マイコン部分、ここで歩行スピード
に追従させる。 |
ここが肝となるイールディング
機構の内蔵部。 |
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■ ソケット(09モデル)
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前(大きなエグリ) |
内 |
後(大きなエグリ) |
外 |
上(坐骨の受け面に特徴) |
以前使っていたものと同様のMASソケットです。
MASハードソケット+アイスロス(X5)の組み合わせです。
外装はオットーボック社のオリジナルプリントを
採用しました。
これ、あまり理由もなく選んだのですが
偶然、膝継手との色味のマッチングが絶妙でなかなか良い出来栄え。
順調に調整も進み、修正回数は本作成後2回で落ち着きました。
やはり、どうしても過去同様
2点、修正でシビアな箇所があります。
1つ、坐骨の乗るところのカタチ。
2つ、履く方向。
修正個所については特に坐骨の乗るところは
かなり慎重に修正をする必要があるでしょう。
過去、ずっと同じ装具士さんに作成を依頼していますが
段々とお互いの意思疎通が順調になってきていると感じています。
結局のところ
義足は「四辺形」「IRC」「MAS」など様々な
種類がありますが
どの選択肢を採用するとしても
私なりに考える成功のポイントは
@ 相性のいい義肢装具さんを探す。
A 意思疎通(コミュニケーション)が非常に大事。
と感じています。
ここで言うコミュニケーションは
ユーザー側は分かりやすくシンプルに説明するよう心がけること。
【どこが】【どう】【痛いのか】
3回・4回と同じやり直しが続いても妥協しないこと。
結局のところ更新するならこの義足をモノにする
という強い意志を持つことだと思います。
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■ 足部
この足部はオットーボック社製のトライアスです。
分類では軸のないSACHと呼ばれる
エネルギー蓄積型足部です。
以前使っていて気に入っているので
改めて選択しました。
大まかに3つの板バネで構成された、独特の形状です。
このかたちが、他の足部にはない歩行感を生みだしています。
一言で言うと「軽い!」という印象。
踵接地からつま先離れまで、一連の動作が切れ目なく
移行します。
また、日常歩行でのエネルギー蓄積効果が高い印象で
まさにバネにはじかれるイメージで歩行できるので
たぶん、長距離歩いた際の疲労感は軽減されると
思います。
ちなみに、板バネの堅さは3種類ありますが
私は中間の堅さのものを選択しています。
たぶん、一般男性であればこの設定だと思います。
ハードな走ったりする動きには頼りないかもしれませんが
日常生活においては、この「軽さ!」が
とても好印象です。
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■ フォームカバー
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化粧ストッキング
を外したところ |
2分割の下カバー
を外したところ |
上のカバー部分を
下ろしたところ |
下のフォームカバー
(ハードスポンジ) |
このは私の足と合わせて撮った写真です。
ちょっと…で閲覧にしました
上下2分割のフォームカバーです。
普通は軟らかいスポンジで1体で作成しますが
こうすると歩行の際、振りの邪魔をして本来の膝継手の
性能が阻害されるということがありますが
この2分割だとその問題点が解決します。
また
膝下に下肢義足で使う硬質のスポンジを使うことで
型崩れがしないため
特に女性が膝下のスカートをはくケースでは
非常に重宝すると思います。
今回は過去のフォームカバーの中でも
特に傑作だと思います。
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