DENON DCD-SA10 レーザピックアップの修理
「古き懐かしきオーディオ機器」で紹介していますが、SACD,CDが再生可能な、デノン DENON DCD-SA10
(デノンが2002年発売当時、フラッグシップのSACDプレーヤー)が故障しました。
【症状】
SACDディスクが「DISC ERROR」と表示され、再生出来ません。また、CDディスクも読み込みに
時間が掛り、時々「DISC ERROR」と表示され再生出来ない時が多くなりました。
【原因】
レーザーピックアップの寿命と推察されます。
レーザーピックアップは、使用期間が長くなったり、温度劣化が生じる様です。
【修理部品の手配】
レーザーピックアップを交換します。
Amazonで購入出来ます。中国から取り寄せるため納期は長くなります。又、修理部品としてはやや信頼性に難ありです。
ピックアップはKHM-230AAAです。Amazonの検索で、
「KHM-230AAA KHM-230ABA 230AAA 230AAA.マランツ修理部のためのレーザーレンズ光ピックアップ
KHM230AAAKHM-230 KHM230ABA.DCD-SA10修理用」として探すと出てきます。送料別で3500円ほどです。
【修理の進め方1】
購入したピックアップは、半田で保護(ショートランド処理)がされているので、この保護半田を半田ごてで取り除きます。
取り除く前と、取り除いた後は写真をご覧下さい。
←半田を取る
-----------取り除く前---------------取り除いた後--------
【修理の進め方2】
ピックアップのフレキシブルフラットケーブルを新品に交換する。
1個60〜70円程で安いものです。アマゾンで購入可能(10個で640円でした)
交換前のケーブルは、第一ピンが破損断線していた。
(何回か抜き差しを繰り返した為、破損したと推察される)
-----------古いケーブル-------------------新品のケーブル--------
【修理の進め方3】
次に本体カバー、内部CD読み取り部カバーを外し、読み取りユニットを外し、ピックアップ部を交換します。
【調整の進め方】
交換が終わったら、取り外したCD読み取り部カバーは外したままで調節します。
まず電源を入れ、CDトレイにCDを入れ読み取り確認をします。
正常に起動すれば、再生が始まるピックアップが前後動して赤いレーザー光を出して、CDを確認して回転が始まります。
回転が始まらなければCDを認識していないので、「NO DISC」と表示が出ます。
この場合は、本体前方上方から読み取りユニット裏側内部を覗き込むようにして確認します。
左に見えるのがフォーカス調節ボリュームで、右に見えるのが、レーザ出力調節ボリュームです。(確認する方向で左右が違うので注意する)
今回は、左のフォーカス調節ボリュームを時計回りにほんの少し回します。
ほんの僅かです。回したかどうか判らないくらい。振動させる程度です。
再度CDを認識させて見ます。回転が始まればOKです。
回転が始まっても、読み込みが出来ず「DISC
ERROR」と表示されたらレーザ出力調節ボリュームを時計回りにほんの少し回します。
エラー表示が出ず読み取り出来れば完了です。
次にSACDのディスクをセットして同様に確認します。
調節する時は、同様に行います。
SACD,CD共に正常に読み取り出来れば完了です。
ピックアップのKHM-230AAAは、修理専門業者でもあまりおすすめしないようでして、部品自体の信頼性が低く又、再生調整も難しく
復元出来る確率は、50%ほどで、決して簡単ではないので、ダメもとでチャレンジしてみて下さい。
ガバーを戻して終了です。
注意点は、レーザ出力調節ボリュームとフォーカス調節ボリュームが別々であるということ。混同しない様に注意が必要である。
また、ボリュームは非常に強度が弱く軟弱部品なので、力を掛けすぎない事と、回し過ぎない事です。
◆トップページに戻る◆