Guitar amp
なんちゃってChamp製作記 そのA
2017.02.28
Katou@ 刈谷
< 製作途中のエンクロージャーと部品の一部 >
ギターアンプ
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FENDER Tweed Champ
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超!!!!有名なギター アンプです。
エ リック・クラプトンが数々の曲を
ツ イードチャンプ
で 録音しビッグヒットを生み出したことで
知られる小型アンプです
。
<オリジナル回路考察>
【 チャンプ5F1 オリジナル回路図 】
・入力は1/4インチプラグジャックで2系統です。
入力1はハインピーダンス(1MΩ)、入力2は比較的ローインピーダンス(136KΩ)で1/2のアッテネートになっています。
どちらもプラグを抜くとグランドとなるスイッチ付きです。
・プリ部は12AX7による2段増幅で段間に1MΩのゲイン調整ボリュームが設けられています。
カソードにはパスコンはありません、ピッキングニュアンスの向上とゲイン調整が目的かと思われます。
ミラー効果が大きい球を内部抵抗が高くなるパスコンレスで用いかつ負荷抵抗も高いですから、レンジは求めない設計です。
・出力段は6V6のシングルです。標準動作例とはやや異なる動作点の様ですが、各部電圧配分・負荷抵抗の記載は無く詳細は不明ですが、
出力は5Wと発表されています。
出力トランス2次側から負帰還が掛けられています。オーディオアンプの様な周波数特性改善目的では無く、
電源ハムノイズ低減を意図しているかと思われます
。
カソードパスコンはオーディオと比較すると極小容量です。これもピッキングニュアンスの向上を狙ったものでしょうか。
・電源部は直熱管の5Y3GTによる両波整流です。
オーディオアンプでは当たり前のチョークコイルによるπ型リップルフィルターは有りません。またケミコン容量も不十分です。
出力管がビーム管とは言えハムノイズは避けられません。
<なんちゃってChamp回路検討>
・先ずオリジナル回路での出力管6V6の動作点を探ります。
仮にプレート電流36mA・スクリーン電流3mAと
するとカソード抵抗470Ωには18.3Vのバイアス電圧が発生します。
適合するポイントを探るとEp:300V辺りになります。
とりあえず出力トランスはこのクラスの多極管で一般的な7KΩとしロードラインを引いてみると出力は約5Wと想定され整合します。
以上により「なんちゃってチャンプ」もEp:300V、Esg285V、Ip:36mA、Isg:3mA、Eg−18.3Vを動作点に設定することにします。
6V6Ep−Ip特性図(@Esg=285V)
・B電圧を算出します。 Ep:300V・自己バイアス:18.3V・OPTによる減圧8Vとして325V程度となります。
電源トランスはチョークコイルによる減圧他を考慮し320〜330V程度のB電源巻き線が必要となります。
・プリ部はオリジナルそのままとします
。 ワイドレンジ化も可能ですが中域が前に出る本来の音質と異なってしまいます。
・電源部はオリジナル通り直熱整流管5Y3GTを用います。
オリジナルは2巻き線両波整流ですが、同等のトランスが入手できないことから本機では整流管とファーストリカバリーダイオードを組合わせた
ブリッジ整流を採用します。 整流管の音を維持しつつレギュレーション向上による力感強化が期待できます。
(当初は2巻き線両波整流を採用するつもりでしたが、電源トランス選択(後述)の事情からブリッジ整流に変更しました)
オリジナルのままではハムノイズが問題になると思われますからチョークコイル採用とフィルターコンデンサー増量によるハム対策を織り込みます。
【 本機 なんちゃってチャンプ 回路図 】
<トランス検討>
・スピーカーや小物部品は既に選定済み(「その@」参照ください)ですので、残りはトランスです。
@電源トランスは320V前後のタップを持つこと
Aチョークコイルは10H前後で50mA以上の容量であること
B出力トランスはインピーダンス7KΩ前後で容量5W以上であること
が要求値です。 使えそうな銘柄と品番を比較しました。
・ノグチか東栄を選択すれば3種のトランスを一度に購入できますのでどちらかです。
東栄の方が少し安価ですが、出力トランスが気になります。 3.5KΩ仕様と共用になっており十分なインダクタンスなのか懸念ありです。
そこでノグチを選択することにします。 HPを確認し在庫切れ表示は無かったので通販で手配しました。
ところが、下記のメールが届きました。
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[ご連絡事項]:
ノグチトランスご利用誠に有難うございます。
商品確保いたしました
現在OPT在庫切れの為入荷次第の発送となります
代引き発送の準備ができましたらご案内申し上げます
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ですが・・・・1ヶ月経過しても届きません・・・・電話して確認すると未だ入荷していないとの回答・・・・
キャンセルし次の組合わせを検討します。
・電源トランスは東栄とイチカワの選択です。 320V巻き線を持つことから東栄P-60を選択します。
チョークコイルはシャーシ内に格納する都合からより小型の東栄としました。
・出力トランスは春日無線とイチカワの選択です。 春日無線OUT-54B57は製作事例が多く好評です。
イチカワITS-5WSはコアが大きく低域に強い様です。 非常に迷いましたが今回は使い慣れた春日無線OUT-54B57とします。
・尚、東栄・春日無線共発注翌日に到着しました。
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製作記そのBに続く
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−次回はエンクロージャーの製作です−
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