恩田の初漣・・・初連四方山~壱
 
 恩田の森に住むキツネの群れは、初漣という頭がにらみを聞かせていました。
大名行列が通るときには、きまってこの恩田の森でひと休みしました。
そのたびにキツネたちは、木かげに身をかくし、行列の立ち去るのをじっと待っていました。
「お~い、キツネの巣だ。キツネがいるぞ!」
足軽どもに見つかると、棒でつつかれて、子ギツネは逃げまどいました。

 だからキツネたちは、大名行列を迷惑に思い、うらんでいるものもいました。
「巣穴をこわされてめちゃめちゃだ」
「それどころか、うちの子は棒でつつかれて、けがまでさせられた」
キツネたちは、頭の初漣に訴えました。
「よし、かならずかたきをとってやる。かならずな」
そう言って、初漣は何か心に決めたようでした。

 「大名行列が、あいづま川に近づいたぞ」
一里山の方から走ってきた若いキツネが、初漣に報告しました。
「そうか。それじゃあ、わしの言ったとおり、みんな準備にとりかかれ」
待ちかまえていた何十匹ものキツネたちは、いっせいに森の中に姿をかくしました。

 「下に、した~に~」お城の門に、大名行列が近づいてきました。
「予定より、だいぶ早く到着された。こりゃ大変だ」
「早よう準備せい。よそのお殿さまのおいでじゃ。
そそうがあっては、えらいことになるでの」
「急いで。急いで。」 指示をする家臣もあわてていました。

 行列は門をくぐり、城内に入り、それぞれ用意された部屋に通されました。
やがて、準備されていたお膳が並び、お酒が運ばれ、宴会がはじまりました。
城内は大にぎわいになりました。

「さあ、退散するぞ」高座の殿さまは、近くの者に耳打ちしました。
それが次から次へと小声で伝わり、何十人もの客人はいっせいに立ち上がり
列を整え、城門より外へ出はじめました。
「おまちくだされ、わが家老があいさつにまいりますので、しばらくおまちくだされ」
 押し止めるのもかまわず行列は恩田の森の中へ消えてしまいました。

 「下に、した~に~」
入れ代わるように、また大名行列が、お城に近づいてきました。お城の武士たちは、
「ただいま、ぎょ、行列のかたが出ていったばかりのなのに。おかしなことだ」
「きつねにでも化かされたのか?」
「あっ、恩田の初漣だ。初漣め」
と、ただおろおろするばかりでした。

おしまい     
 
恩田の初漣・・・初連四方山~弐
 
 むかし、恩田村に初漣という白ギツネが住んでいました。
あるとき、恩田の松雲院の和尚さんが目の病気をしたので、三好村の目医者へ
小僧さんに薬をとりにやりました。すると目医者さんは、先ほどあなたがとりに
きたではないか、と言いました。小僧さんはそんな覚えがないので、
へんだ、へんだと頭をふりながら帰ってきました。
 
和尚さんにそのことを言うと、和尚さんは、”はた”とひざをたたいて
「ああ きっと初漣のやつに違いない」と言って、和尚さんと小僧さんが裏山へ
行ってみると、初漣が子ギツネの目に薬をつけてやっているところでした。
子ギツネも眼の病気をしていました。和尚さんは、子ギツネをかわいがっている
初漣を見て、目薬をだましとった初漣を許してやりました。

 それからしばらくたって、刈谷の城の三浦という殿さまが、和尚さんのところへ
時々遊びにくるようになりました。お茶を飲んだり、碁を打ったりして
楽しそうでしたが、お供についてくる家来は、何もすることがないのでたいくつで
たまりません。そこで、裏山に住んでいる初漣の穴の前でたき火をして、
煙りを穴の中へ扇子でばたばたとあおいで送ったりして、
初漣と子ギツネをいじめてばかりいました。
 初漣はすっかり怒りました。これは殿さまが、あまり和尚さんと話しこんでばかり
いるからだと思った初漣は、きっと仕返しをしてやるぞと心に決めていました。

 お城の若さまに、奥州から大名のお姫さまがお嫁にくることになりました。
初漣はこれは仕返しをするにいい機会だと、お姫さまが着く前に、たくさんの
仲間を呼び集めました。集まった仲間のキツネたちは、それぞれ上手に化け、
立派なお姫さまの行列を作って、刈谷のお城に入りました。
 お城では、遠くから来たお姫さまの一行と思い込み、たいそうなもてなしを
しました。そこへ本物のお姫さまの行列が刈谷のお城へ着きました。
おどろいた門番が殿さまに知らせると、もうお姫さまはここにおいでだから、
それはにせものだろう、追い返せと言ったので、本物のお姫さまの行列は
追い返され、怒った本物のお姫さまは奥州へ向かって帰ってしまいました。

 うまくお姫さまになりすました初漣が、お風呂に入ったとき、大きな尾っぽで
お湯をかきまわしていると、ピチャピチャ変な音がすると、そっとすき間から
のぞいた家来はびっくりしました。「お姫さまが、キツネになった!」

 お城の中は、ひっくりかえるような大さわぎになりました。お客にきていた
松雲院の和尚さんは、もしかしたら初漣がやったのではないかと、大急ぎで
恩田村へ帰り、お寺の裏山へ行くと、尻っぽのぬれた初漣が穴の奥にかくれて
いました。和尚さんは大変怒り、「今度ばかりは許せない」と言いました。
初漣も和尚さんにはすまないと思いましたが、殿さまにあやまるのはいやだと、
   
    恩田ばかりに 日は 照りゃすまい
        箱根 日も照る 雨も降る

の歌をのこし、遠く箱根の山へ子ギツネを連れて行ってしまいました。

 そののち、殿さまは“キツネにだまされた”ことで幕府からきつく叱られたので、
初漣も少しやりすぎたと思ったか、殿さまが箱根を通るときには、
金銀で染めた綱を道の両側に張って、行列を守りました。
 明治維新になって、お城も殿さまもなくなると、初漣は刈谷に帰りました。


おしまい     
 
 
寛政一揆とキツネ・・・初漣四方山~参
 寛政二(一七九〇)年十一月、刈谷藩に百姓一揆がおきました。
恩田の白ギツネ初漣が住む恩田山、重原村の弘法山に三万人の
お百姓さんが集まり、かがり火をたき、ほら貝を吹きならしますので、
いつもは暗い夜が、昼間のように明るくなりました。
 なにごとがはじまったのだと、穴の奥から首を出した初漣の耳に、
お百姓のはなしが、きれぎれに聞こえてきました。
「もうこれ以上のご用金は、とてもはらえない」
「食べものもなく生きるより、殿さまをやっつけて、おらたちも死んだ方がええ」

 初漣はびっくりしました。おだやかならぬ話です。初漣は、急いで仲間の
キツネたちに集まるよう、知らせました。恩田山に集まってきたのは、
高須の耳切れ、萩田のお梅、小垣江の尾白、曲がり戸のチョンガレ、
その他二匹と初漣を合わせて、刈谷のキツネの代表七匹です。
「えらいことになった」と高須の耳切れが言いました。
「お百姓さんが、かわいそうよ」と言ったのは萩田のお梅、
「これから、どうなるんだ」曲がり戸のチョンガレは、
いつも得意になって唄うアホダラ経のような調子がでず、声がふるえています。
「殿さまや家老とかけあって、ご用金がまけてもらえないようなら、
江戸の将軍へ訴えに行くことになるだろうな」と言ったのは、小垣江の尾白です。

 七匹のキツネたちは、「刈谷のキツネ」としてどうしたらいいのか相談し始めました。
「ぜったい、お百姓さんに味方するべきよ」最初に萩田のお梅が口をきりました。
「そうだ」「そうだ」という声があがりましたが、「でも」「しかし」という声も
ありました。「でも」「しかし」といった声の主は、よく畑を荒したり、
鶏をねらったりして、百姓さんに追いかけられていた者たちでした。
 意見はなかなかまとまらず、とうとう夜が明けてきて、東の空に金色の光が
走りだしました。赤々と燃えていたお百姓のたいまつの火も消えはじめました。

 岡崎の矢作川には、岡崎のさむらいが五百人もいて、通せんぼをしていると、
早駆けの得意な一匹が見てきました。境川の西には、
尾張のさむらいが二百人いると、もう一匹が見てきました。
 東海道を下り、箱根の関所を越えて、江戸の将軍に訴え出ることは、
むつかしくなってきました。

「そうすれば、きっと悪い殿さまや家老をこらしめることができるんだが」
元気な一匹が口惜しそうに言いながら、
あたりの草のかげ、木のかげを見まわすと、他のキツネたちは、
いつのまにか、大きないびきをかいて眠りこけていました。


おしまい     
 
 
  
高須の耳切れ・・・初漣四方山~四
 「おれたちが化けられるのは、夜だけだが、昼も化けられたらなあ」
と高須村の大耳が言うと、「なあに、昼だって化けられるさ」と
恩田の初漣が言いました。「本当かしら?」高須村の大耳も、刈谷の萩田のお梅も、
小垣江村の尾白も、とても信じられないと、首を横にふりました。
「それなら、おれがやってみせよう」恩田の初漣が大見栄をきりました。

 刈谷の四天王といわれたキツネたちが集まり、酒盛りの席のできごとです。
初漣は昼間、しかも人通りの多い東海道の池鯉鮒
(ちりふ-知立)宿でやるというのです。
 いくら初漣が化け上手であっても、昼間ではうまくいくはずがないと、
大耳もお梅も尾白も思いましたが、初漣がどうしてもやるというので、
その日を約束しました。

 約束の日の東海道池鯉鮒宿はよく晴れていて、
松の影がくっきりと短く濃い影をつくっていました。
大耳たちは松の根元に集まって、初漣の化けようを、今か、今かと待っていました。
 約束の午の刻(正午)になりました。西の方から「下にぃ~下にぃ~」と
殿さまの行列がやってきました。とても立派な行列です。
松の根元からこれを見た尾白が、「あっ」と声をあげました。
「本物そっくり!」とお梅は指を鳴らしました。
行列はゆっくり大耳たちの前を過ぎて行きます。「うまいぞ初漣!」
行列のうしろにとびだした大耳が手をたたいて叫びました。
 おどろいたのは、行列の一番うしろにいた殿さまの家来です。この真昼に、
キツネが変な声をだして踊りながらついてくるではありませんか。
「エイッ」と家来は、腰の刀を抜いて斬りつけました。殿さまの家来よりも、
もっとおどろいたのは、大耳です。まさか斬りつけられるとは
思っていなかったので、ハッと身をかわしたですが、なにぶん歳をとっていたし、
不意のことで、大きな耳の片方をバサッと斬られてしまいました。
「キャ~ッ」と叫んだ大耳は、一目散に高須に向かって逃げました。
お梅も、尾白もびっくり仰天、一目散に逃げました。

 行列は本物の大名行列でした。初漣は尾張の殿さまが参勤交代で江戸へ行くのを
知っていて、だましたのですが、まさか大耳が斬られることになるとは
思ってもみませんでした。

 それから、だました初漣と、だまされた大耳、お梅、尾白の仲がうまく
いかなくなってしまいました。耳切れと呼ばれるようになった大耳の、残った片方の
耳の奥には、いつも「下にぃ~下にぃ~」という声が、いつまでも残っていました。


おしまい     
 
 
 
小垣江の尾白・・・初漣四方山~五
 
 むかし、小垣江村に一匹のキツネがいました。ある日、そのキツネが、
恩田村に住む初漣(はつれん)というキツネのところへ遊びに出かけました。
ぽかぽかと春の光がやわらかく、草や木の緑がとても綺麗な時です。
初漣は、穴の外で子ギツネの目に薬をぬっていました。「目がわるいのか」
小垣江のキツネは、かわいい子ギツネの頭をなでてやりました。
「この薬はよく効くよ。ほら、もうこんなに良くなったよ」
初漣は子ギツネの目を、小垣江のキツネに見せました。子ギツネの目は、
すこし目やにがついているだけで、綺麗に澄んだ目をしていました。

「こんなによく効く薬を、どこから手に入れたのかい」小垣江のキツネが聞きました。
「ああ、これはな、松雲院の和尚さんが目の病気をしたので、福田の目医者さんに
薬をもらいに行ったんだ」「和尚さんに頼まれてかい」「いいや、小僧さんにばけてさ」
「へえ~、そいつはうまいことしたな。和尚さんに叱られただろ」
「子どもに目薬をつけているところを見られたけど、別に叱られなかったよ」
「それは良かった、良かった」小垣江のキツネと初漣は、ぽかぽか暖かい日ざしに
寝そべっていました。そのうちに初漣は、うとうとと眠ってしまいました。

 すると小垣江のキツネがそっと起き上がり、初漣の手元にある貝殻に入った薬を
そっと取り、貝殻をぽんとあけ、なかの目薬を自分のお尻にぬりました。
薬は少ししか残っていませんでしたので、全部ぬってしまいました。
 そのとき初漣が目をさまし、そばに置いてあった薬がないことに気がつき、
小垣江のキツネが薬を盗ったなとわかりましたが、だまっていました。

 小垣江のキツネは、きまりが悪く、もじもじしていましたが、そのうちに、
後にかくし持っていた薬の貝殻を、自分の両方の目に、ぽんとかぶせました。
とても恥ずかしかったからです。小垣江のキツネの目は、貝殻をかぶせたので、
夜のようにまっ暗で、なにも見えませんが、初漣には、かくれたつもりの
小垣江のキツネの姿がとてもおかしく「あっは、あっは、は、は」と大声をあげて
笑いころげました。小垣江のキツネは、痔(じ)が悪く、良く効く薬ときいて、
自分のお尻にぬったのです。ところが、その薬をぬった尻っぽの毛が、
薬ですっかり白くなってしまいました。

 小垣江のキツネは、それから尾白(おじろ)と呼ばれるようになりました。

おしまい     
 
 
 
汽車と初漣・・・初漣四方山~六
 
 明治二十一年に東海道線ができ、刈谷にも駅ができたんや。
ピーポーと汽笛をならして走る汽車というものを、恩田村の白ギツネ初漣も
はじめて見たんだと。風のように走ることのできるのは、わしだけや、と
自慢にしていた初漣も、このごろ歳をとったせいか、ピーポーと変な声を出して
走る汽車には勝てんのや。「あの黒い化けものめ!」
初漣はくやしくてくやしくてしかたがない。そこで初漣は、知っているかぎりの
秘術をつくして、汽車に立ち向かったんやと。

 「エイッ」と九字をきると大入道だ、線路にたちふさがって、走ってくる汽車を
止めてやろうと、太い腕をのばして押しかえしたが、ポ~ッと吐く煙りが
眼に入って、ハッと眼をとじたとたん、大入道の化けの皮がはがれて、
元のキツネの姿になってしまい、汽車はいってしまったんや。

 「よ~し、こんどこそは」と初漣は一つ目小僧になったんや。「これならどうだ」
初漣はハッタと汽車をにらみつけたが、汽車も一つ目で、ピカッと光をつけたので、
初漣はまぶしくて、まばたきしたとたん、また汽車はいってしまったんや。
「え~い、こんちくしょう」初漣は、大蛇にも、龍にも化けたんだが、
ピーポーと汽車は知らん顔でまっすぐ走ってきて、化けた初漣をはねとばしたんや。
 
      

 「ああ、おれの神通力もすっかりだめになってしまったわい」
何度もはねとばされ、すっかり腰を痛めた初漣は、
恩田山にしょんぼり帰り、それからすっかり歳をとってしまったんだと。

おしまい     
   
 
おやつを取ったキツネ
 
 あるとき、恩田の松雲院では、雨もりがするようになった屋根を、
直すことになりました。その日、和尚さんは法事があって、出かけて行きます。
「留守にするけど、よろしくお願いしますよ」新しくとりかえる瓦を運んだり、
土をねったりしている職人さんに声をかけて、和尚さんは出て行きました。

 お昼もすぎ、やがておやつの時がきました。和尚さんが用意しておいてくれた
お菓子をもって、職人さんたちは、風にふかれていた方が気持ちがいいと、
屋根の上で、おやつを食べはじめました。v
 見晴らしがいいので、刈谷も、知立も、ずっとよく見えます。
すると一人の職人さんが、「あれ、あれはキツネじゃないか」
口に入れたまんじゅうを、もぐもぐさせながら指さした方に、
一匹のキツネが変な事をやっておりました。

 稲がすっかり刈り取られた後なので、キツネのすることが、よく見えます。
近くの柿の木から、葉っぱを一枚とると、頭にのせました。二つある耳が
ひっこんで、丸い坊主頭になりました。こんどは両方の肩へ一枚づつのせました。
白い着物の和尚さんになりました。次に一本の藁(わら)を肩から斜めに
のせました。立派な袈裟(けさ)が、かけられました。
 職人さんは、キツネの化け上手にすっかり感心してしまいました。
でも感心してばかりしているわけにはいけません。きっとおやつの時だから、
和尚さんに化けて食べにくるに違いないと、まだ残っているおやつを持って、
するすると屋根から下り、門のかげと、樹のかげにかくれ、
小石をにぎりしめて待ちかまえていました。
                          
 和尚さんが、門に入ってきました。「それ~っ」職人さんは、
和尚さんめがけて石を投げつけました。「これこれ、何をするんじゃ」
和尚さんは、大声をあげました。「キツネめ! うまく化けおって」
三人の職人さんは、わっと和尚さんを取り押さえ、げんこでぽかぽかなぐりました。
「わしはキツネじゃないぞ、それこの通りじゃ」
和尚さんは着物のすそをめくりました。尻尾はありません。
職人さんたちは「しまった!」と顔を見合わせました。
気がつくと、おやつの入った箱がありません。
まんまと、キツネにおやつを取られてしまいました。                 

おしまい     
  
 
  
弥五郎狐
   
 日が西の山に沈むころ、泉田の西を流れる半崎川の河原から、
美しい声で、節回しも面白い歌声が風にのって流れてきます。

 村の子どもたちは、その歌声に引かれるように、河原へ向かって走り出します。
あちらから二人、こちらから三人と集まってきた子どもたちで、
たちまち大きな輪が作られます。その輪の真ん中で歌の音頭を取っているのは
一匹の年老いたキツネです。歌はますます調子よく楽しさにみちみちています。
円陣を作った子どもたちは声を限りにうたいます。
その大合唱は、尾張の村々にまでひびいて行きます。
 いつしか月は青白く河原を照らしています。

一人の子どもが
「もう家へかえろうか」 と言うと、それに合わせるように
「かえろう、かえろう」
と他の子どもたち言いながら帰る支度を始めます。するとキツネは、
「さあさ、いつものようにお土産を持っておかえり」
と言って子どもたち一人一人に木の葉を一枚づつ渡します。子どもたちは口々に
「ありがとう、ありがとう」
と言いながら、木の葉を受け取ります。

 キツネの嬉しそうな様子と、子どもたちの楽しそうな顔とは、
見ていて本当に美しい情景です。
キツネと子どもたちは、心のかよい合う本当の仲よしなのです。

良寛さんと子どもたちが大の仲よしであったように。
 そのキツネの名は、弥五郎といいました。 

おしまい