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木造 聖徳太子馬上像
- 分類
- 市指定(第156号)
- 指定年月日
- 平成3年11月3日
- 種別
- 彫刻
- 所有者
- 松韻寺
- 時代
- 江戸時代
- 法量
- 高さ 68.5cm
木彫極彩色のこの像は、聖徳太子の伝説の中で、蝦夷征伐に参加した太子十歳(581年)のときの姿をあらわしたものである。太子は白馬に乗り右手に高く黄金の鞭を振り上げている。鎧に身を固めて馬を引くのは、召使の調子丸である。この寺に伝わる読み縁起によれば、蝦夷に大磐石を投げつけられた太子は、黄金の鞭で打ち砕いたという。そして三つに砕かれた岩は、はるか大空に飛び散り、一つは播州投石の浦(兵庫県姫路市)、一つは奥州三般砂摩(福島県安達町)、一つは三洲(三河)岩根の里に落ちた。松韻寺境内地の霊石はその一つで、ここに七堂伽藍を建立したのが、今の寺領廃寺と伝える。
この伝説は、1666年(寛文6)の版本『聖徳太子伝』などにも掲載されるが、彫像となると全国的にもこの一点だけである。動きの堅い人形的な表現であり、江戸時代後期の作品と考えられるが、貴重な存在価値をもっている。