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紙本墨書 教行信証文
「信巻」
「化身土巻」
- 分類
- 市指定(第219号)
- 指定年月日
- 平成23年11月3日
- 種別
- 書跡
- 所有者
- 空臨寺
- 時代
- 室町時代
- 形状
-
「信巻」
縦 63.8cm 横 28.1cm
「化身土巻」
縦64.0㎝ 横28.2㎝
軸装
浄土真宗の根本聖典ともいえる親鸞の六巻からなる著作である
『顕浄土真実教行証文類』、いわゆる『教行信証』の一節を抄出した蓮如筆の延べ書きである。一幅は第三巻「信巻」の「悲哉、愚禿鷲、沈没於愛欲広海、迷惑於名利太山、不喜入定聚之数、不快近信証之証、可恥可傷矣」の一文を、もう一幅は第六巻「化身土巻」の「凡大小聖人、一切善人、以本願嘉号為己善根故、不能生信、不了仏智、不能了知建立彼因故、無入報土也」の一文を漢字仮名まじりで書かれている。当資料と同じ二節を書く蓮如筆のものが東本願寺所蔵資料にあるが、市内には類例がなく、蓮如筆である点からも貴重である。
「信巻」
かなしきかな愚禿鸞愛欲の広海に沈没し
名利の太山に迷惑して定聚のかずに
いることをよろこばず、真証の証にちかづく
ことを快しまざることをはずべしいたむべし
「化身土巻」
おおよそ大小聖人一切善人本願の嘉号をもって
おのれが善根とするがゆえに信を生ずることあたわず
仏智をおわらず かの因を建立せることを了知する
ことあたわざるがゆえに報土にいること(なき)なり