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紙本墨書 六字名号しほんぼくしょ ろくじみょうごう

紙本墨書 六字名号
分類
市指定(第23号)
指定年月日
昭和38年10月1日
種別
書跡
所有者
西方寺
時代
室町時代
法量
縦 85.9cm 横35.8cm

(草書体の六字名号七幅の共通解説文)

 本願寺八代蓮如れんにょは、木像よりは絵像、絵像よりは名号とし、たくさんの名号みょうごうを門徒に書き与えた。各地の道場では、絵像本尊(方便法身尊像ほうべんほっしんそんぞう)が授けられる前に、本尊として用いたものがこの六字名号である。
 蓮如筆の六字名号のほとんどは、紙本に草書体で墨書ぼくしょする簡素なものである。この特徴は継職直後に下付していた豪華な十字名号とまったく対照的なものである。1465年(寛正6)の大谷破脚以前の本願寺教団を象徴する十字名号を用いるよりも、草書で大量に制作できる六字名号は、急増する門徒からの要求に十分こたえられるものであった。市域においては、蓮如筆と伝えられる草書体の六字名号が七幅伝えられている。
 蓮如の六字名号は裏書が省略されるため、制作時期の特定がむずかしい。筆致は蓮如自身、制作時期などによる違いが認められ、蓮如を模した実如じつにょの名号などとの識別は、さまざまな課題を残している。