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野辺送り蓮台並びに前卓のべおくり  れんだいなら まえじょく

野辺送り蓮台並びに前卓
分類
市指定(第192号)
指定年月日
平成11年11月3日
種別
有形民俗文化財
所有者
長因寺
時代
江戸時代
形状
蓮台
 一石造の三段重
 直径 85センチ
 高さ 47センチ
前卓
 一石造
 横  108.5センチ
 幅  42センチ
 高さ 55.5センチ

 野辺送りとは、遺体を埋葬地、または、村の境界領域まで運び、死者をあの世に送り届ける意味を持つ。村で火葬が行われていた真宗のこの地方では、火葬場までが野辺送りの道中となっていた。蓮台は死者を入れた柩を乗せる台で、焼香机としての前卓には香炉や供物などが供えられた。

 所在地は木戸町の南西の台地にあり、以前、村の火葬場のあった所で、戦前までこの地で野葬式を行って、火葬が行われていた。1926年(大正15)の長因寺本堂再建の時、寺内の無縁墓地がここに移され、蓮台も当初の配置であった南北から東西の向きに変更され現在に及んでいる。今日では、毎年盆に先立ち、木戸町の女人講により無縁仏の供養がここで行われ、蓮台に位牌をまつり、前卓に香炉、ろうそく、花、仏具、供物などを供えて、勤行ごんぎょうが行われている。

 蓮台と前卓には、「明和四亥十二月日當村中」と刻まれており、江戸時代中期の1767年(明和4)に作られたものであることがわかる。

住所
木戸町 南屋敷63番地