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紙本墨書しほんぼくしょ 皇太子聖徳奉讃こうたいししょうとくほうさん

紙本墨書 皇太子聖徳奉讃
分類
市指定(第187号)
指定年月日
平成10年2月27日
種別
典籍
所有者
本證寺
時代
鎌倉時代
形状
紙本墨書
縦 26.5cm 横 17.9cm
額装
作者
親鸞 (一一七三〜一二六二年)

 親鸞は、晩年になって十一首、七十五首の『皇太子聖徳奉讃』、百十四首の『大日本国粟散王ぞくさんおう 聖徳太子奉讃』の三種類の聖徳太子に関する和讃を述作した。その最初のものが1255年(建長7)の七十五首『皇太子聖徳奉讃』である。これには、親鸞自筆の覚信伝持本、真仏書写本、道顕書写本の三系統あるが、本讃は、覚信伝持本の第五十四首目にあたる。親鸞が『 大日本国粟散王聖徳太子奉讃』と合わせて作ったものであり、黄山谷こうさんこく流の筆意をよくあらわした85歳頃の筆跡である。
 「長者卑賤ノ身トナリテ 経論仏像興隆シ 比丘比丘尼トムマレテモ 有縁ノ有情ヲ救済セム」と七五調の四行を一首として、漢字に仮名をふり、声点を朱で示すなど平易で実践的な内容と配慮がうかがわれる。現在、本讃の他にも十九葉ほどが断簡として各地で確認されているが、共に同様の形態(首番号の記入など)を保持していることが注目されている。県下に親鸞の真跡といわれるのは、岡崎市妙源寺所蔵の十字名号と本讃のみである。