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寺領廃寺出土遺物
軒丸瓦 7箇
軒平瓦 5箇
丸瓦 2箇
平瓦 1箇
桜井村立桜井南部小学校が、以前に保管していた古瓦である。
蓮弁の厚い六葉素弁文軒丸瓦(①)は、岡崎市北野廃寺・市内別郷廃寺など西三河には類例があるが、全国的には少ない古瓦である。多くが百済伝来の技術であるものに対して、これは高句麗系である。時代は白鳳時代から奈良時代前半とされている。
八葉素弁文軒丸瓦(②)は、寺領廃寺で数多く採集される類であるが、百済系の退化した瓦文で、時代は奈良時代前半から中頃とされる。③④⑤は一層退化した類例で、奈良時代後半から平安時代にくだる。
軒平瓦は単純な重弧文(⑥⑦⑧)が多いのが、寺領廃寺の特徴であるが、⑨のような波形文ないし鋸歯文のものも見られる。
重弧文のものは桶状横骨作り、波形文のものは凸形成形台を用いた一枚作りで、成形に差異が見られる。