ホーム > 絹本著色 法然上人絵伝 (三幅付断片)
絹本著色 法然上人絵伝(三幅付断片)
浄土宗を開いた法然は、親鸞の師であるところから、初期真宗教団では、その一生を描く絵伝を用いて、念仏の教えを勧めた。法然の絵伝には幅数や内容などにさまざまな種類があるが、この絵伝は、知恩院(京都市)本に代表される七幅絵伝の系列に属するものである。一幅を欠き、残りの六幅のうちでも三幅は欠損部分が多いのが惜しまれる。しかし、絹本が密質であるうえ描写がリアルで、特に登場人物の表情を豊かにし、数を控えめにしてゆったり描いているのが特色である。絵の中の障屛画には水墨画の影響がみられるなど、見逃せない箇所の多い作品である。