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紙本墨書 五帖御文
- 分類
- 市指定(第188号)
- 指定年月日
- 平成10年2月27日
- 種別
- 典籍
- 所有者
- 本證寺
- 時代
- 室町時代
- 形状
- 紙本墨書
各縦 27.0cm 横21.0cm
袋綴
「御文」は、本願寺第八代蓮如が門徒に書き与えた書簡風の法語である。真宗の教義が仮名まじりで書かれ、蓮如以後、『正信偈』などの聖教と同様に重視された。現在250通以上のものが確認されている。このうち1471年(文明3)から1498年(明応7)までの58通と年次不明の22通をあわせた計80通を五帖に編集したのが『五帖御文』である。本書は、各冊末尾に実如の署名と花押を記した、いわゆる「証判本」である。実如証判入の五帖御文は他にも見られるが本書のように五帖一具として現存するのは、広済寺(滋賀県近江八幡市)所蔵本など数点が確認できるのみである。本文も謹直な筆致で写されており、本願寺直系寺院の伝来品であった可能性が非常に高い貴重なものである。
さらに本書は、唯一、五帖目末尾に実如の手になる奥書が「右この五帖の文は末代興隆のため清書せしむ。この外は聊爾に免ずべからざるものなり。」と記されている。この記述により、五帖の形式が既に実如の時代に成立していたことを伺うことができる。