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木造 阿弥陀如来立像もくぞう あみだにょらいりゅうぞう

分類
市指定(第231号)
指定年月日
令和4年2月18日
種別
彫刻
所有者
本龍寺
時代
平安時代後期(推定)
法量
総高(台座・光背含む):141.0㎝、  像高67.8㎝

 右腹前で衣をU字形に大きくたわませ、太腿部正面で皺をY字形に浅く刻んでおり、さらに横からみると厚みのないプロポーションをしている。同様の特徴をもつ像としては、たとえば平安時代後期(12 世紀)の作とされる京都宇治の地蔵院・阿弥陀如来立像や、愛知県春日井市の密蔵院・薬師如来立像があげられる。したがって、本像も平安時代後期、12 世紀の仏像と推測される。しかしながら、本像の面部は同時期の像にみられる穏やかでやさしい面相とは異なる点が注意される。
本像は平成 28 年から 29 年にかけて、京仏師の佐川中定師(ちゅうじょうし)のもとへ修理に出されており、修理時の木地のあらわれた写真をみると、面部に別材を矧いでいることなどが確認できる。造立当初は彫眼(ちょうがん)であったと思われるが、のちに面部に損傷を受けたのであろうか、中古の修理時に肉髻部以下、両こめかみより前方の頭部正面に、別作の部分を転用したかと見受けられる。その際に玉眼となったのであろう。頭部正面の制作時代は確言しがたいが、鎌倉時代と推測される。
両手首先、両足先などに後補部分があるものの、平安時代後期の像が今に伝わるのは貴重である。