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X680x0用電源のT2トランスを巻き直してみる


【注意!】
素人が興味本位で試した事例であり、適当&間違ったことなど多く含まれていると思います
ので、挑戦する人は書いてあることを過信せず、必ずちゃんと調べてから試すようにしてください
間違うと動かないだけでは済まず、他の部品を壊す(実際に破裂したりする)&ケガや火災が起こる可能性も
十分にあり得ますのでご注意ください
当然ながら挑戦される場合は全て自己責任でお願いします
正直なところ、費やす時間&手間&安心感を考えるのであれば、お世辞ではなくBOOTH(かおりんのレトロPC小物工房さん)で購入された方が良いのは間違いありません
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X680x0で使用されている電源ユニット(SH2/SH3/SH4/SH5)が壊れると、T2トランスの巻き線が切れたりショートしてる事があり、当然ながら正常に動きません
幾つか電源を修理した際に取り外した、壊れたトランスが手元に余っていたので、見本があるなら何となく直せるんじゃないか?という事で試してみました

ここに書いてあるのは、既にある情報を元にただ巻き直すだけの作業なので、新規で計算して作ろうとしてる方の参考にはなりません(してはいけない)

トランスの構造的には、小さいころ学校などでラジオを作った人はわかると思いますが、基本的にUEW線を適切な長さでボビンに巻いてあるだけです(多分& 適当=無責任)
どれだけどのように巻くのか、インダクタンス値はどうするのか、正確な情報は設計者でないとわからないと思いますが、幸いにもベースとなるトランスがあるし測定情報をアップしてる人もいますので、それらの値を参考にしつつ調整しながら巻くことにします

巻き直すにあたり、
・巻き数:壊れたT2トランスからの実数
・インダクタンス値:正常に動作する電源で使っているモノ、購入させていただいた代替品
・抵抗値:正常に動作する電源で使っているモノ、購入させていただいた代替品、こちらに載っている抵抗値
・巻き方:こちらを参照
を参考にしました

抵抗値も大事かもですがインダクタンス値も大事なので、インダクタンスが測定できるテスター等を使用する事
抵抗値が合っていてもインダクタンス値が合っているとは限りません・・・というか磁石を取り付ける取り付けないでかなり値が変わります
1次巻線(1-4間)は字のごとく最初に巻く&巻き数が多いので、間違えると後が最悪で精神的にダメージ大きいので細心の注意が必要です ←経験談w
ぶっちゃけ磁石を取り付けて完全に仕上げた状態でインダクタンス値を測らない限り、作業途中の値は当てにならないという事を頭に入れておきましょう


参考までに、上の写真はインダクタと認識せず、完全に抵抗と認識した状態
どこの巻き線を何回測っても若干値が小さいものの、全て抵抗と認識されて当然正常動作しない
端子的には4級塩コンデンサの液漏れ被害も少なくきれいな状態なので、経年劣化で寿命なのかもしれません?
ので、抵抗値だけで判断するのは少々危険かなと思います

★作業前の心得
巻く作業をする場合は、時間と心のゆとりのある時に、誰にも邪魔されず精神を落ち着かせた状態で行いましょう
音楽も邪魔になるので聞いてはいけませんw
心を無にして巻き数だけを考えるように・・・これは精神修行です・・・修行に耐えられれば道は開かれるでしょう・・・

★作業前の豆知識
・使用するテスターやリードにより値に誤差が生じるので、測る時は同じテスターで各値が同じになるように測定する
 (参考値は後述しますが、上記理由により正常動作するトランスが手元にあるのが望ましい)
・巻き方(上下の折り返しや張り強度)により巻き数(=長さ)が異なることもあるので、多少多めに巻いて値を測りつつ短くしていったほうが良い?
 (巻く→はんだ付けする→磁石付ける→測る→はんだ取る→切る→巻く→・・・の繰り返しでw)
・ギャップ長は正直わからないので、適当にテープを貼って測る!
 (一応、代替品の値を参考に・・・そもそも元の設計データが無ければわからないし 素人には無理w)
・ボビンの中を通る山型の磁石は折れやすいので、抜く時に気を付ける
 (折れても後で使えますが、固定がメンドイしインダクタンス値がバラつく原因になる=最終的にボンドで固定)

★必要な部品
・UEW線:2種類(0.2mmと0.4mm、純正と同じ太さ)
・マイラーテープ:3種類(幅5mmと8(10)mmと1.5mm、色は何色かあるので適当に、テープの呼び名は沢山ある)

Amazonやホームセンターなどで普通に購入できるものなので部品集めは特に問題ないでしょう
テープの5mm&1.5mmは8(10)mmを割いてもOK


因みに使用されているボビンはこれ、 純正トランスに「TOKIN EI-19」と明記されており、サイズ的にも一致する
購入できれば全て新品で作ることもできますね


純正のT2トランスの巻き線は上の感じで作られてます
私は巻き数よりも抵抗値の方に合わせて調整したいかな、と感じたので、多少多めに巻き、測定しつつ短くしていきました
この方法が正しいかは知らないw
実際に同じ巻き数で巻くと、抵抗値としては低く出る傾向にあるみたいなので参考に

★作業開始
まずはバラすとこからですが、最初からそれなりに大変ですw

磁石(巻き線も)を固定してる黄色いマイラーテープは劣化で固着してバリバリなってるので気長に剥がす
磁石も接着剤や汚れなどでボビンとくっ付いてて取りにくく、山型の方はポキッと折れやすいので注意しながら真ん中を少しずつ押し(叩き)ながら抜く
最悪折れても後でマイラーテープとボンドで固定するから大丈夫(だと思うw)ですが、組み立て時にインダクタンス値がバラつくので調整が難しいです・・・(←経験談)
後で苦労しないように、優しく取り扱いましょう

巻き線を解く順番は3次巻線(2-3間)、2次巻線(6-5間)、バリアテープ、1次巻線(1-4間)で、巻線はそれぞれ3、5、4から解いていきます

2次巻線を取ると、1次巻線とショートしないように上下それぞれ1.5mm幅のバリアテープが貼ってあるのでそれを取る
純正の2次巻線は端子付近にプラスチック(ゴム?)が付いていますが、代替品には付いてないので・・・要らないかなw
最後に1次巻線を取り、ボビンに付着した汚れや接着剤を取って綺麗にすればok

バラして綺麗になったら落ち着いて巻くだけです(←サラッと書いてますが解く時より大変ですw)


巻く装置をどうするか・・・頻度が高くないものにお金かけるのも勿体ないので、全てウチにあったもので何とかしてみた
余ってた短いつっぱり棒に、UEW線の白いボビンが適度な力で回るようにビニールテープを巻いてバイスで挟み、昔使ってて折れた黒檀の箸にトランスのボビンを付けて引っ張りつつ巻く感じで
超突貫工事レベルだけどそれなりに使えたw


1次巻線は290周(書き方が合ってるかは知りませんが、ここでは4辺1周としてます)あり、普通に巻いたら絶対に間違えるので、私の場合はテキストで書いておいて5周したらケツから〇を消していく方法で
頭から消すと印がズレる、プラスしてくと増えたかどうかわかり辛いのでね

巻く時は解く時の逆
1次巻線(1-4間)、バリアテープ、2次巻線(6-5間)、3次巻線(2-3間)で、巻線はそれぞれ1、6、2から巻いていきます
1次巻線
バリアテープ
2次巻線

3次巻線と、インダクタンス値を決めるためのギャップを作るためにテープを適当に貼った上側の磁石
テープを2枚貼ったり3枚貼ったり・・・気長に落ち着いてやり直しつつ調整します
私の場合は1次巻いて磁石付けて測定、2次巻いて測定・・とチマチマと当たりを付けながらやってました


インダクタンス値がほぼほぼ狙った数値になれば磁石にテープを巻き、動かないように軽くボンドで固定して完成です
巻き線のとこで使ったテープが透明ですが色は関係ないから問題無し

で、肝心の抵抗値とインダクタンス値
測定データを全て晒すのは問題があると判断し、一部隠しますがご了承ください

1次巻線(1-4間)、5.9Ω、--mH


2次巻線(6-5間)、0.6Ω、--mH


3次巻線(2-3間)、0.9Ω、0.06mH

強いて言うならこの値だけ見ると1次巻線(1-4間)の抵抗値が0.1Ω~0.2Ωぐらい高いかなぁ?な気がしますが、許容範囲かな?ということで(ぇ?
純正の正常品と代替品も概ねこんな数値で、動作は特に問題ありません
当然ながら長時間動かしたわけではないので寿命はわかりませんが・・・
測り方やテスター&リードの違いで多少値が異なったりするはずですが、似たような数値が出ればいいんではないでしょうか(←ホントか?)

★後記
な感じで、とりあえずやってできなくはないですが、興味本位程度の気持ちでやる作業ではない、といったところでしょうか
というか、止めましょうw
構造を理解したり作業中何に気を付けるかとか、得るものは確かにあるので、ちょっとした知識と技量を付けたい人はチャレンジを

最後に、1つのトランスを全部巻き直した感想を
もう2度とやりません・・・絶対にやるもんかっ!


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c 2016, えくしみえむLast updated 2024/02/05