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X68030専用メモリ「XM-5BE8」の回路図+@

拙作のX68030専用の内蔵メモリ「XM-5BE8」の回路図を公開します
昔自分のとこだったかX(それはないかな?)で公開してて、某ショップで頒布した際に一度公開止めたものと同じです
直近(てもずいぶん前だけどw)ではハリキリマガジン(ディスクマガジン)を辞める時に投稿してました(公開されたかは定かではない)


XM-5BE8の回路図(右クリックで新しいタブで画像を開くと最大化)
注:画像内で使用しているメモリはZIPタイプです

基本的にはシャープ純正「CZ-5BE4+CZ-5ME4」とI/O-DATAの「SH-5BE4-8M」と同じなハズですが、これらがSOJを使用しているのに対して、回路図内で使用しているメモリのパッケージではZIPを使っています
SOJとZIPはピンアサインが異なるので、もし製作する場合は注意してください
因みにZIPタイプを使用しても030Compactで使用できます


参考:ZIPとSOJのピンアサイン


公開の理由・・・全くどうでもいい事ですが、
・以前も公開していたw
・スタティックカラムモードDRAMの入手が困難、金額も高騰、入手できてもアクセスタイミングが合わなかったり偽物の可能性がある
・コネクタの入手が困難、金額が2~4倍、納期が半年(or以上)掛かる
とまぁ、トータルして製作を試みるリスクが高くて手が出せないから、です

少なくとも私が今後XM-5BE8を作ることはほぼ無い(運よく全て納得できる都合がつかない限りはw)ので、作りたい人は各自製作していただく、という事で
ぶっちゃけ作るだけの努力&過程&時間&金額をトータルで考えると、動作品をオク等で2万円以下で入手できるなら《今なら》正直全然安いと感じます(作った人には理解できるハズ)


スタティックカラムモードDRAM(514402のように末数が2)は日立が本家(?)だと思いますが、他にも東芝やOKI、CSIが作ってました
画像では左が本物で、私が製作時に使用していたものです
右は偽物(他メーカーでタイミング合わないだけの可能性あり)で、明らかに表面を削った感があるのがわかります(当然スタカラとして使えないが、普通のDRAMとしては使用可能)
型番末尾のCZ6の箇所はリビジョンと速度でAZ7とかBZ6とかもあります(SOJならAS7等)
CSI製はCompactXVIや030でも使われていますし、東芝製を使って自作されている方もいます
まず入手するのに真偽を確かめる必要がありますし、本物であっても会社やロットによってはアクセスタイミングが合わず動かない(=エラー)場合もあります
これは68の特殊なメモリアクセスタイミングに依存する為です
ので、もし入手を試みるのであれば画像の本物と同じもの以外は買わないほうが無難です
9941と書いてあるところは製造ロットなので9939や9933など変わっていても問題ない・・・と思います
モールドの色艶、刻印の字体、太さや位置などを見極めてください(製造国や時期によって刻印変わったりもするが)
SOJであっても同じように、黒過ぎない、てかり過ぎない等注意すること
販売先の写真を見ただけで信じるのは止めたほうがいいです、違うものが届く可能性があります(経験談)
全部で16個必要ですが、試しに購入するなら2個or4個購入して、まず読めるかどうか確認してから残りを追加で買うようにしましょう
既に生産中止したもので個体数自体少ないので本物を見つけたら超ラッキーだと思ってくださいw

メモリチップ購入するだけで大変なのがお分かりいただけるかな・・・

イレギュラーですが、スタティックカラムモードをOFF(030基板の一か所ジャンパする)で使用するのであれば、簡単に製作可能です
XVI内蔵メモリやXM-6BE10と同じ方法で作れるから(実際に060Turbo機とクロックアップ機で回路後付けして使用中)
33MHzにクロックアップ改造した場合は必然的にスタカラOFFにしないとエラー出るから、33MHz以上使う人だけ気にせず使える感じ?
当然標準の25MHz時でも使えるけど・・・ウ~ン、なんかモヤモヤ感は否めないよね、てことで今のところ製作するつもりは無い
ゲームやるだけならスタカラ必要無いんだけどね・・・


◎てことで(?)ガーバーファイルも公開します

【XM-5BE8のガーバーファイル】

FREE_5BE8_Gerber.zip(右クリックで保存)
このデータは4層基板です
※識別の為、XM-表記はFREEに変更しています

【XM-5ME4のガーバーファイル】

FREE_5ME4_Gerber.zip(右クリックで保存)
このデータは2層基板です
※識別の為、XM-表記はFREEに変更しています

<必要部品は後に追記予定>

【使用するにあたっての必須事項】
公開者である私Xymiemは、公開したデータを使用した如何なる不具合も責任を持ちませんし、サポートもしません
完全自己責任で、配布などする場合は私に不都合となる行為を全て排除(問い合わせ等含む)する対策をすること
上記をよく理解して使っていただけるならご自由にどうぞ



◎追記
そういえばSOJも本物と偽物の比較ができたので序に


↑これらは030に元々使われているスタティックカラムメモリです
日立製はXVIから使われていますが、製造国が韓国になっていて日本で製造されたものとは刻印が異なります(日本製造メモリを使ってる030もある)
おそらく後期に製造されたものはCSIの物が使われていますが、これもCompactXVIの物とは刻印が違う・・・ハズw(確認の為にCompactXVI分解するのはメンドイ(ぉ)


↑CompactXVIの増設メモリ「CZ-6BE2D」を撮影したもので、使われているのは日立の日本製造のメモリ
XVIから採用されていたスタティックカラムメモリの元祖です
おそらく世界中のPCの中でこのメモリを使っているのはX68000 XVI、CompactXVI、030、030Compactだけでしょう(多分ね)
因みに、余談ですが、XVI、CompactXVIではスタティックカラムモードは使われておらず、ノーマルアクセスで動いています
ので、アクセスタイミングさえ合えばファーストページモードやEDOの物でもポン付けで動きます
ではなぜわざわざスタカラを採用?というのは正直わかりませんが、憶測で書くのであれば、68のメモリアクセスタイミング的に都合が良かったというのが一つ、XVI発売当時68020を搭載したモデルの開発が進行(真偽不明、中途で030に変更?)していて、当時高速なメモリチップとして大量に発注していた、というのもあるのではないか?と思ったり思わなかったり?


↑真ん中のが本物で、上2つは偽物です
モールドの容が異なるのに刻印内容が同じ・・・ありえないw
左のはぱっと見本物っぽくも見えるから、時期的に刻印変わった?でアクセスタイミングが変わった?と思わなくもないが、残念ながらポン付けで動かなかった事は確認した
どちらも514400としては使えるんだけど、少なくともスタカラとしてはアウト・・・と、今思えばタイミング調整しての確認はしてないからもしかしたら・・・?(やる気無しw


◎追記2
ふと思った・・結局030のメモリアクセス標準機能であるスタティックカラムモードとノーマルモードってどんだけ差があるの?
「高速アクセス」というワードのみの感覚でスタカラOFFではパフォーマンスが落ちるからイヤ、程度の思考でしかなかった
折角なので少し試してみました
テスト環境:ドノーマルX68030(EC030-25MHz、メモリ標準4MB)
まず最初にsi.rでシステムパフォーマンス見比べてみたのだけど、システムパフォーマンス的にはメモリアクセスの影響がないのか全く変化は見られませんでした
メモリだけ見るならメモリテストよね、てことでおなじみのMemtest68kで確認を


標準状態での速度、Memoryの箇所が17MB/s、1passの時間がおよそ0:22:39


スタカラOFFでの速度、Memoryの箇所が15MB/s、1passの時間がおよそ0:23:11

な結果で、Test2%ぐらい誤差出ちゃいましたが、標準状態4MBの全パターンのアクセスタイム(1pass)ではON/OFFでの差は30秒程度っぽいですね
普通にゲームだけ遊ぶのであれば全域を使う事はほぼ無いハズなので体感的にはどちらも変わらないレベルでしょう
大きなプログラムのコンパイルとか、DoGA-CGAやレイトレーシング、一部ビデオ動画を動かしたいとかいった理由があれば多少は影響が出るのかな?とは感じます
まぁ、そのぐらいの遅延ってことで、現時点で私個人的には全く問題無い、とw

以下、クロックアップでエラー出たり030専用増設メモリでノーマルアクセスのメモリチップ(スタカラ以外)を使う際に正常に動かす為に有効な手段
(増設は当然ながら68のメモリアクセスに対応してる必要があります)


スタティックカラムモードをOFF(ノーマルアクセス)で動かすには画像の箇所(SW1)を一か所ショートする必要があります(*1)
標準クロックの内蔵4MBで使う場合は弄る必要はありませんが、クロックアップ(32MHz以上?)したり、増設メモリのチップでノーマルアクセス仕様の物を使う場合はショートする必要があります
理由は単純でエラーになるからですw

(*1)ハードを弄らずともソフト的にシステムポート#5の値を$1(ウェイト3クロック)にすると、若干パフォーマンスは落ちる(実働22~23MHzぐらい?)けど同じような効果を得られるぽい(通常は$0でスタカラ有効、それ以外は無効)
こっちを選ぶならIPLROM内で固定するかブート時に何らかのキー押しで起動のが望ましいかな

・デバッガを使った変更例
  db.x (3.0n使用、1.0nならmeの代わりにe)
  -me e8e009
  00E8E008  FFFF :0001
  00E8E00A  FFDC :^C
  -q


因みにこのポートは書き込み専用になっているらしく、スーパーバイザーモードに入らなくても書き換えできますが、仕様上書き換えても&FFが表示されるだけですので値を書き換え後にアドレス見ても変わっているかわかりません
si.rで実速値見ると変化しているのが確認できます
それと、ソフトウェアでの変更なので、当然電源入れ直しやリセット押すとスタカラ有効に戻ります
ので、例えばBootMenuで起動した場合に電源投入時のメモリチェックでエラーが出るとか(IPLROMで何らか対応していれば問題無いのだけど)
起動後にセットすれば即ウェイトが入ってスタカラOFFになります
私が使ったメモリテストプログラムはM_test.x(SHIMOSOFTさんのM_test.LZH)で現存場所わからないですが、スタカラONでエラー、$1変更で正常動作が確認できた

てことでNISHIさんという方が作られたsetwaitというのを拝借して改造

起動時にこれを実行するだけでok
ハード弄りたくない人でも最悪使える、ということで


◎追記3
IPLROM30.DATのデータを書き換えてスタカラOFF起動する方法(悪あがきw)

IPLROM30.DATをディスアセンブルして確認、ウェイト入れて起動できるXF1(10MHz)orXF2(16MHz)の値を書き換えることで対処できるね
一先ずブート時からスタカラOFFできるから安心
まぁこれはこれでROM焼きしないといけなくてカバー開ける必要あるからそこまでするならSW1ショートでよくね?な感じ(微妙技
因みにこれ書いてるXEiJの最新版(XEiJ_0250108)も書き換えるアドレスは同じ
ブート時にSRAMに書き込まれる値なので、ROM内アドレス変わったとしても$ed0092と$0a04で検索すればヒットするはずです

28MHzにクロックアップ改造してソフトでスタカラOFFなら標準と同じように使える・・・もうSW1ショートしろw
・・・普段触らない030を無駄に触れてちょっとだけ楽しかったわ(ぇ
終わり



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c 2016, えくしみえむLast updated 2025/01/25