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水戸市水道低区配水塔
(茨城県水戸市北見町 2007.6.23)
建造は昭和7(1932)年。水戸市内の低地域向けの配水塔である。
単なる水桶ではなく、独特の外観や壁面の装飾などが見事で、幸い戦災をも免れて今に残る。
歴史的近代建築として、登録有形文化財(文化庁)となっている。
水戸の旧市街は、高台に広がる上市と、平地に広がる下市に分かれる。
「低区」があるのなら「高区配水塔」もあるのか?
手元資料(※)によると、当然あった!
高区配水塔
(水戸市渡里 1933頃?)
こちらは「低区」に比べると、なんともはや実用一辺倒の無粋な造りだ。
場所は、現在の茨城大学敷地の北西端からさらに100mほどのところにあったらしい。
この水桶がいつどうなったのかは知らないが、現在は既になく、
現地は水戸市水道部の空き地になっている。
それにしても、こちら高区配水塔が普通の造りだとすれば、
低区配水塔は誠に丁寧な「芸術作品」ではないか。
当時の関係者の心にどんな思い入れがあったのか、探ってみたい気が沸いてくる。
・・・・
※)参考文献
「市制80年写真集 水戸」(水戸市 1969)
「ふるさとの想い出写真集 明治大正昭和 水戸」武藤正編(国書刊行会 1984)