吾輩はパコである
吾輩はパコである。名前はもう有る。エヘン
どこで生れたか頓と見當がつかぬ。何ても暗薄いじめじめした所でニャ
ーニャー泣いて居た事丈は記憶して居る。（←事実らしい※）
此家の主人は近頃何處からかこんな昔風の書を手に入れて來た。
「吾輩ハ猫デアル（上編）」 夏目漱石 明治三十八年初版
の復刻本（ほるぷ 1974）
どうも此正月に之を讀破しやうといふ算段のやうだ。
處で之の書の作者夏目某は、
何でも此家の主人の出身校に明治・大正時代（水戸中學）に奉職した菊池・名校長と、
東京の大学で同級生であつたさうだ。
猫輩など題材にするやうでは大した物書きではなからうと思つたが、
されば夏目某も存外まともな人物かも知れぬ。
其んな他人の故事など人生上どうでも良からうに、
此家の主人は近頃その名校長に就いて何やらあれこれ詮索しては、
時折りほうと感歎の息を洩らしたりして居る。
≪正義の歌物語≫
さて、今年はねこ年かにゃ〜？
※）なんと壁に穴を明けて救出されたという数奇な誕生ドラマの持主なのだ。（＾＾；