『THROW』

うぅ…。 やっぱり記憶からは消せやしませんよ、こんなバンド。
シャーベットを筆頭とする質の高い横浜メロディックバンドの中でも最も特質な念能力の使い手で、
変化球投げまくりのニューウェイブメロディックパンクバンド(笑)、それが「THROW」です。
元々DAMAGEの前身でボーカル張ってた中田氏(Vo,B)率いるこのバンド、
その魅力は何といっても緻密な曲のアレンジにあると言っても過言ではないでしょう。
予定調和なんて言葉は存在しない展開の嵐。 ある種「覚えゲー」に近い感覚ですね。
アドベンチャーゲーム…例えば「オホーツクに消ゆ」の攻略法を完全に覚えてて、
短時間でクリアする事に快感を感じるような感覚に似てます(笑)。
変わりモンの為の変わりモンによるメロディックパンク。 
こういうバンドが数年後に「発掘」とか言われてレア化したりするんですよ(笑)。


BATTLE NUT'S
battle nut's/THROW-001/CD
97年、自主リリースにて発表されたファーストアルバム。
ここではまだあの「くにお君のドッジボール」のような変化球パンクは完全に姿を
見せてませんが、それでも充分に他のバンドとは一線を画するレベルを誇ってます。
しっかし同時期に活動してたバンド、どう考えてもおかしいですよね横浜?
名古屋であれだけのバンドがもう2つ3つあれば世界は変わってたと思うんだけどなぁ(笑)。
そんなメロディック大陸の中でも異端児的存在だった彼らの音源でも最も入手しにくいのがこれ。
たぶん手売りが主だったと思うので店頭で見かける事は少なかったはず。
まあ僕は例の手によって入手に成功した訳です。 要は「使える手段は全て使え」ですよ。
MAKING UP NEW LINES
SPICE OF LIFE/SOLR-011/CD
THROWの名を一気に押し上げたSPICE OF LIFEの名コンピ。
「THROWと言えばこれ!」って感じの代表曲「JANUS FACED」を収録してる事で、
彼らのイメージを定着させた重要な一枚であると同時に当時のシーンを知る一枚でもあります。
このコンピのレコ発で初めてTHROWのステージを観た時の衝撃は忘れる事が出来ません。
立ち位置から微動だにせず、淡々とプレイする中田氏はカッコよかったなぁ…。
「I DON'T KNOW WHAT YOU SAY」を含めた2曲で参加。 やっぱこのコンピすげぇよ。
雷音
POLYSTAR/PSCR-5714/CD
飽和状態になりつつある状況下でクズのようなコンピが出される中、
コイツのような作り手の心が表れる様な名盤に参加した曲は名曲「CHOCOLATE GAME」!!
後の単独音源にも収録されてる曲ですが、このコンピとはテイク違いです。
では他のクズコンピと何が違うのか? 半メジャー流通でもあるこの盤に入ってるメンツが凄い。
WRENCH、NUMBと来てNO CHOICE IN THIS MATTERですよ? そこにTHROW(笑)。
このブッキングした人に拍手ですね。 それを通したってのがエライ!!
ENDLESS CROSSWORD
SPICE OF LIFE/SOLR-017/CD
「MAKING UP〜」以来、相当待ち望んだ夢のような音源がついにこのお手元に!!
ファーストアルバムと比べても、その進化ぶり変則ぶりに驚かされた時には最高の賛辞。
たった8曲の収録にも関わらずに何でしょうこの満足感? 聴いた後の余韻が止みません。 
前述の「JANUS FACED」「CHOCOLATE GAME」もモチロン入ってるし、
THROW節の真髄を見るかのような「WAVE A FLAG」などなど、もう名盤中の名盤!!
歴史的に見ても事件なアルバム。 俺だったらパンク天国に載せますよ(笑)。
EVERY BEAT BOX
ELEVEN-THIRTYEIGHT/1138-0007/CD
解散一歩手前な時期に残したラスト音源は1138からリリースされたコンピにて。
他に収録されてるバンドには今さら目もくれないので、THROWのみを見つめます(笑)。
内容はベストヒットUSAでヒットチャートを駆け抜けた名曲をそれぞれのバンドが
カバーするもので、今にも小林克也のインチキ英語が聞こえてきそうです。
その中でTHROWはLIPPS INCORPORATEDの「FUNKY TOWN」をカバー。
ディスコヒットの定番チューンを変則メロディックに料理していますが、
元々波の薄い曲調なので大した盛り上がりはありません(笑)。 でもこのループ感好きです。



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