※表紙工事中です。
「ゴーストアビー」
ロバート・ウェストール/著 金原瑞人/訳

作家で選んだ一冊です。表紙はこれからアップですが薄暗くて陰気臭くて華々しさはゼロである。作家が燦々と輝いているから表紙なんか二の次でOKなんだ。

ほぼ過労で亡くした母親の変わりに買い物や家事をして双子の弟の面倒をみながら暮らす主人公マギー、重い買い物を下げながら帰ってくると迎えるのは読むだけでムカムカする家政婦でした。なにもしないどころかそれ以下の少ない食料を勝手に食べてタバコをふかすのみ、しかしこんな最悪の環境を抜け出すチャンスがやってくる。一級建築士の父親に住み込みの現場監督の話が来たのである。その現場こそゴーストアビーだったわけですが。

建物の描写は細かくあるけど、表紙を見ればアビーの様子はわかります。大きくて古いイギリスの館で以前修道院だった時もあるという。その屋敷の改修を依頼したのが家主のミズ・マクファーレンでした。風変わりなこの女性と屋敷の改修をすすめていくとアビーの息吹が聞こえ始めます。それは錯覚じゃなくて、例えば改修の手伝いを頼んだ荒くれた見習い達が屋敷にダメージを与えるとアビーは彼らを締め出すように仕組んだりする。またアビーを愛する人々には愛を返してくれる。

長丁場の改修工事、マギーはこの試練に耐え抜くのか、アビーの心臓部分をつかむ事はできるのか、

2014年3月30日