花ことば物語

【ユリ】

 白ユリは、キリスト教徒の間では、マドンナ・リリーと呼ばれ、聖母や聖人にささげられる花として、復活祭の祭壇には必ず飾られます。
 また、花ことばのイメージどおり、「純潔」のシンボルとして結婚式の花嫁、花婿の頭にこの花の花輪をのせて祝福します。
 ユリは、聖母マリアに受胎を告知した大天使ガブリエルにもささげられています。そしてしばしば聖ジョセフ、聖ドミニク、聖フランシス、パデュアの聖アンソニーなどの肖像画や絵画などで幼児のキリストがユリの花を聖人たちにささげている様子を描いている場合には、貞節と美徳のシンボルとなっています。
 コーカサス地方の伝説に、愛し合う男女が引き裂かれ、その苦しみのために乙女がユリに姿を変える話があります。
 その青年は、神にたのんでユリにいつでも水をあげられるようにと雨雲にしてもらいます。それ以来、日照りのときには、娘たちが、乙女の歌を歌いながら野にユリの花をまくと涙の雨が降るといわれています。

花色:赤・ピンク、黄・オレンジ、白、緑、褐色
開花期:周年
花持ち:5日から7日程度
花言葉:(白)純潔(黄)飾らぬ美
(クルマユリ)純潔
(オニユリ)富と誇り
(ヤマユリ)荘厳

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