花ことば物語
【ナデシコ】
ナデシコにまつわる話です。
グリム童話に、人を何でも物体に変える力をもった王子が、命をかけて自分を救った美しい少女をナデシコに変えてポケットに入れ、城に連れ帰って王の前でもとの少女の姿にし、結婚したという話があります。
「純粋な愛」「貞節」という花ことばは、こんな話からうまれたのかもしれません。
また、同じグリム童話に、ナデシコの仲間の羽毛ナデシコのことも出ていて、羽毛ナデシコの花の中央に、紫色の斑点のあるのは、十字架にかけられたキリストの血がこぼれてできたと信じられているとも出ています。
ドイツのバーデンでは、赤いナデシコを「カミナリナデシコ」と呼んでいます。そのわけは、人々がこの花を家の中に持ち込むと、カミナリが落ちるといわれているからだと、いわれています。
日本女性をヤマトナデシコとほめた言い方がありますが、これは、後に中国から入ってきたナデシコの一種と、ヤマトナデシコを区別するために生まれました。
花色:赤、ピンク、白
開花期:6月から9月
花持ち:5日から7日程度
花言葉:純粋な愛、無邪気、貞節、才能