花ことば物語
【ヒエンソウ】
むかし、オルニトープスと呼ぶ一人の若者が住んでいました。彼は釣りが好きで、一日中海に出て海釣を楽しんでいました。ところがある日、波にさらわれて海に落ちてしまいました。もう少しで溺れて死にかけようとした時です。一匹のイルカが泳いでいたのを発見して、彼はイルカの背中に乗って助かることができました。きっと「イルカ」は彼を助けようと泳いできたのにちがいありません。イルカは人によくなつくものです。それからはすっかり彼とイルカは仲良しになりました。それを見た漁師たちは、そのイルカをつかまえてひと儲けしようと、網でもう少しでつかまえるところを彼が見つけて逃がしてやりました。漁師たちはカンカンに怒って、オルニトープスを海に突き落してしまいました。不幸なことに「イルカ」が泳いでいませんでした。それからしばらくして、イルカは彼の死体を波間に発見しました。イルカは彼を渚に運んで、神々に、花にかえてもらうことを祈ったそうです。イルカの願いがかなって、浜辺のほとりに咲いていでたのが「ひえんそう」だったのです。ギリシア人はこの花に「オルニトープス」という名を与えたということです。
花色:紫・黄・ピンク
開花期:7月から12月
花言葉:気まぐれ