花ことば物語

【ヤグルマギク】

 コンスタンチノープルにキアヌスという少年が住んでいた。幼い頃から神々を敬う心が厚く、、唯一の楽しみは神の恵みをたたえて歌うこと。うれしげに歌いながらムギ畑で咲く花々をつんでは美しい花輪を編むのだ。花輪は青い花でできていて、身につける衣服もいつも青色だった。彼は毎日、その青い花輪で花神クロリスの祭壇を飾るのだった。
 ある日キアヌスはいつものように花をつみに出たが、なぜか一本も見つからない。探してさまよううちに日が暮れ、方角を見失った彼はムギ畑のなかで死んでしまった。クロリスは少年を哀れみ、キアヌスが好きな青色をしたヤグルマギクに変え、美しい花として永久にこの花を残した。

花色:赤紫、ピンク、白
開花期:4月から6月
花言葉:教育

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