花ことば物語

【スズラン】

 スズランにまつわる話です。
 セントレオナールは森の守護神で、純潔で若くたくましい青年でした。ある日森の中で恐ろしい毒竜に襲われた彼は、3日3晩必死に戦い、4日目の朝、ようやく毒竜を倒しましたが、セントレオナールも全身傷だらけになってしまいました。森のニンフたちは、彼の勝利を喜びながら、そのすさまじさに心を傷めました。彼の傷口から流れた血が、地面に吸い込まれ、そのあとに、白いスズランが咲いたといわれています。
 「スズラン」という名前は、花の形が鈴を思わせるところからつけられたものです。
 英名では、「リリー・オブ・ザ・バレー(谷間の百合)」と呼ばれて、「谷間の姫百合」と訳されたこともあります。
 フランス語では「ミュゲー」で、これは「ミュスク」のように香りがよいことからつけられた名前。ミュゲーには「色好み」という意味もあることから、「コケットリー」という変わった花ことばがつけられたようです。

花色:赤・ピンク、白
開花期:2月から7月
花持ち:3日から7日程度
花言葉:幸福が戻ってくる、純潔、謙遜、コケットリー(媚び)

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