花ことば物語


【キンセンカ】

 キンセンカとは金の盃という意味です。
 ギリシヤ神話では、太陽神アポロンに恋した水の精クリティの話があります。アポロンと王女レウトコエの仲をねたんだクリティは、王女の父の王に告げ口をしました。怒った王は娘のレウトコエを生き埋めにしてしまったのです。自分の告げ口を恥じたクリティが、9日間アポロンを見つめながら地面に座り続けていると、その身体がキンセンカに変わったということです。
 これはキンセンカが太陽と共に花を開き、太陽が傾くときに花を閉じることから生まれた伝説のようです。
 「悲嘆」「別離の悲しみ」などの花ことばは悲しい響きのものが多い花ですが、遠い昔には花の咲いている期間が長いことから、恋人への不変の愛と忍耐を象徴するといわれていました。そのため、結婚式の花飾りや、恋愛の御守りなどにもよく使用されました。
 一説によると、この花が志操堅固とみられたのは、太陽の出入りに忠実に従うことからとされています。
花色:黄、オレンジ
開花期:10月から5月
花もち:3日から7日程度
花言葉:悲嘆、別離の悲しみ
初恋
さびしさに耐える

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