花ことば物語

【アザミ】

 アザミのうち、西洋で「祝福されたアザミ」と呼ばれている品種は、聖母マリアがキリストの処刑された十字架の釘をとって埋めた地面から生えてきたという言い伝えがあります。
 スコットランドで、13世紀にノルウェーの兵隊が侵入して、アレキサンドロス王の城を取り囲んだときのこと。城のほりに入るために靴を脱いで裸足になった兵隊は、ほりが干上がっていて、そのあたり一面に生えていたアザミに、足を刺されて悲鳴をあげ、スコットランド兵に見つかって追い払われてしまいました。
 また別の説によると、一人のデンマーク人が、夜中にスコットランド兵の陣営を驚かそうと裸足で接近したところ、アザミを踏んで叫び声をあげ、それがきっかけになって、スコットランド兵の陣営は奮起して敵を追い払ってしまったと伝えられています。どちらも、このアザミが「報復」してくれたようです。
 北欧神話では、雷神トールの花になっていて、雷神はこの花を保護しているので、この花を身に着けている者も保護するといわれています。

花色:赤、ピンク、紅紫、紫、白
開花期:3月から10月
花持ち:一週間程度
花言葉:報復、厳格、独立