花ことば物語

【ゼラニウム】

 ある日のこと、マホメットは、水洗いしたシャツをラベンダー・マロウというアオイ科の植物にかけて干しました。しかしシャツが乾いた時、植物はゼラニウムに変わっていて、勢いよく頭をもたげ、枝いっぱいに鮮やかな赤い花をつけて、強い匂いを放っていたそうです。
 一般にゼラニウムの葉はいやな香りがあるので、イギリスなどでは室内でこの葉を切りたくないといっています。しかし品種によっては、バラ、レモン、リンゴ、ハッカなどに似た香りのするものもあります。
 ゼラニウムは、イスラム教の創始者マホメットの徳を称えて、アラーの神がこの世に生み出した植物だといわれています。そこから神の無償の愛情を表すように、「愛情」という花ことばが生まれたようです。
 鉢花として人気があるのは、背が伸びない性質のミニゼラニウムです。

花色:赤、バラ色、白
開花期:周年
花持ち:3日から5日程度
花言葉:愛情

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