花ことば物語

【カンナ】

 ブッダにはとても強い霊力がありました。
 それをねたんだ悪魔が、旅に出ようとしていたブッダを途中で待ちぶせ、彼めがけて大岩を投げ落としたのです。しかしその岩は、ブッダの体には当たらず、足もとで粉々になったのですが、ほんの一片が、ブッダの足の指に当たりました。
 その傷から流れた血が大地に染み込んで、そこから生えてきたのが、赤いカンナだといわれています。
 ブッダの血は美しい花になりましたが、悪魔は大地の怒りに触れ、地の裂け目に飲み込まれてしまったそうです。
 この言い伝えは、カンナの古い品種がインド種であることからだと思われます。
 そしてカンナといえば、この話のように真っ赤な血の色を思い浮かべるようですが、かつてのカンナは、今よりも花が小さく、実は葉を鑑賞する植物だったようです。
 花ことばの「妄想」は、あまりにも現実ばなれした花の鮮やかさからついたとされています。

花色:赤、黄
開花期:7月から10月
花持ち:4日から7日程度
花言葉:妄想
若い恋人同士のように快活

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