ぴ〜んぽ〜ん〜♪ 
 
 唐突に玄関のチャイムがなった・。
 
 「!?」
 とっさに出て行こうとして気づいた

   ――この今の格好だ。
 パジャマ姿だし。 寝癖はすごいし。 何より体が女の子だ。 
 
 もし誰か知人に見られたらなんといわれるか分かったものではない。
 
 どうしよう、どうしよう?
  僕が迷ってぐるぐるまわっていったりきたりしていると・・。

  

  ・・・――――  ガチャ♪ 
  
 
 
 「はい?」 
 今なんか非常に謎な音しませんでしたか? 
 
 恐る恐るドアに目を向ける
 

 ・・・・・・・・・・・・・・。 

 



   バタン!!  


 「おっはよ〜♪」 
 いきなり見知らぬ女の子が中にはいってきた・・。
 「こら、見知らぬじゃないでしょ」
 うわ心読まれた!?
 「ああ、私はエスパーじゃないからねw」
 ・・。
 「まったく、幼馴染を忘れないでよね。」
 
 そうだ、彼女の名前は相川華姫(あいかわはなび)。僕の幼馴染で同じマンションに住んでいるらしい

 「なによ、らしいって。ていうかまだそんな格好してるの? 学校遅刻するよ。」
 うわ、また・・・。
 ていうかもう遅刻だろう、登校時刻より10分はすぎている・・。
 「ああ、それなら昨日私が部屋にはいって時計を1時間進めておいたのよ。」
 ・・・・・・・・。
 「さぁとっとと着替えるわよ。」
 気づくと彼女はすでに僕の服に手をかけていた。
 「へ?」
 「さっさと脱ぐ!」
 そういって僕の服を脱がしにかかった。
 「えぇ!? いや、ちょ、何で脱がそうとしてるの? それぐらい自分で」
 「あんたじゃとろいからね〜♪」
 やけに楽しそうに言う華姫。
 そういっているうちに僕の服は上半分が脱がされてしまった。 
 

 「へ?」
 

 目を点にした華姫がなんとも間抜けな声をだした。
 
 「・・・・・・・ねぇあのさひとつ聞いていい? 」 
 「うん、だいたい想像つくけど・・。」
 「あんた女の子だったの? それとも、わたしもついにぼけてきたのかな?」
 華姫が少し遠くを見ながら言った。
 「華姫がぼけてるのは前からだけど、僕が最初から女だったわけないだろ。朝おきたらいきなりこうなってたんだよ」
 「ふ〜ん」 白い目・・。
 すると華姫はいきなり僕の胸をつかんだ
 
 「ひゃあ!」
 
 「いきなりなにするんだよ!!」
 「仕返しよ! ていうかやっぱり本物なのね・・・。」
 「う、なんか微妙だけど・・・・まぁそうらしいね・・・。 信じたくないけど」
 
 「まあいいわ。とっとと学校へ行くわよ。」
 華姫は変わらないノリでそういった。
 「いやよくないだろ。なんか理由とか考えようとしようよ。」 
 ん、ていうか学校?
 「・・・・学校なんてどうやっていくのさ?」
 「歩いて。」
 
 ・・・・・・・・・沈黙。
 
 「ジョークよ、ジョーク 服のことでしょわかってるわよ。」
 そう問題は服のことなのだ。
 
 「で、どうするの?」
 僕が再び尋ねる。
 「ン? そりゃあもちろん・・・。」
 にやり。と華姫が笑って言う。
 
 うわ、いやな予感・・。 
 「私の服を着るにきまってるじゃない!」
 やはりか・・・。 ここは、
 「 遠慮します。」
 「大丈夫よ1日だけよ。」
 「いやだってやばいでしょ さすがにそれは。」
 「ン? なんで? わたしはOKよ」
 「いやそういう問題じゃなくてさ。 それになんか、この部屋にあるっぽいし。」
 
  ・・・・そうなのだ、
  あらためて僕の部屋を見てみるとそのほとんどが女の子のものに変わっているようなのだ
 
 「はぁ!? あんたまさか女装フェチだったの?」
 「ちがうよ、んなわけないだろ! 朝起きたら箪笥の中とか全部変わってたんだよ。ていうかこの前僕の部屋に来たばかりだろ。」
 あらぬ疑いをかけられては困るのであわてて弁解する。
 「へぇ〜 そんなこともあるのね〜不思議。(棒読み」  
 うわ〜なんか白い目で見られてる気がするよ・・。
 
 「まぁ好都合だからいいわね。」
 突然ニヤリと笑って華姫が言う。
 
 再びいやな予感。 しかし律儀にとりあえず聞いてみる・・。
 「 何好都合って?」
 「そりゃあ当然ね。」 再びニヤリ
  
  う、・・・・・ここは 撤っ・・・。
 
 「逃がさないわよ。」    ガシッ 華姫が僕の肩をつかむ。
 なんだか華姫の後ろに悪魔が見えた気がした・・。
 「さぁ! とっととこのセーラー服を着るのよ! 」
 「ちょ、なんでそんなに楽しそうなんだよ」 
 
 
 「楽しいからよ!」
 
  
 たしかにね・・・。
 
 「さぁ早く!」
 じれったくなったのか華姫が残った僕の服を脱がしにかかった。
 「わ、わ ストップ、ストップ! 」
 「問答無用〜」
 「いや〜」

 


 

 

 
 
 そんなこんなで10分後
 セーラー服を無理やり着せられた、なんだか涙目の僕は、
 華姫と一緒に学校へ連れ出された出かけた。