プリズマからリブラへ


 2002年3月23日、ランチアをこよなく愛するmmmmさんが、約7年間連れ添ったプリズマ('89 1.6ie )に別れを告げ、リブラ('02 SW 2.0 )との新しい生活をスタートさせるとお聞きし、イタ車ファンでもある私はデジカメを手に、名古屋市内のとあるディーラーさんにお邪魔したのでした。

 デルタのセダンタイプであるプリズマを、どこかで1、2回遠巻きに見たことはあるものの、じっくり見せていただくのは今回が初めて。またリブラは、ランチアにおいてプリズマ→デドラ→リブラという順で世代交代を続けている、いわばプリズマの直系の子孫と言えるクルマです。そしてmmmmさんの所に納車されるリブラは、内装がアルカンタラのワゴンということで、これも普段はなかなかお目にかかれないクルマなのです。


まずはプリズマから・・・

 やはりデルタとは趣が違いますね。

 直線的で一見単純そうなのに、どこから見ても美しく構成されたボディライン。さすがジウジアーロのデザイン!と思わずうなってしまいます。ついつい見とれておりました。



 “パンダの親分(?)”って感じの、すっきりしたインパネまわり。こういう気取らないイタ車もいいですネ。かなりの年月を経ていますから、当然シートはそれなりのへたりがあるものの、座り心地は決して悪くなく、フランス車っぽくもありました。


 エンジンルームも見せていただきました。おや、ボンネットは前ヒンジなのですネ!mmmmさんがご購入前に、日本で後付されたと思われる部品もチラホラあるそうです。



 ショールーム内から見たプリズマ。手前のシルバーの展示車はリブラのセダンです。ガラス越しでの新旧ランチアの出会い?



 さて、リブラのワゴンはこんな感じ・・・

 プリズマとは正反対の、まるみを帯びたデザイン。とても落ち着いた雰囲気です。


 インパネまわりも曲線使いで現代的。ウッドの使い方が上品です。


 イグニッションを回すと画面に浮かぶランチアのエンブレム。このマークはそこかしこに散りばめられていて、乗り手の心をくすぐります。


 柔らかくも張りのあるアルカンタラの洒落たシートで、ゆったりくつろげそうです。

 ドアの内側もしっかりコーディネイトされていて、デザインに関しては隅々まで手を抜かないイタリアのセンスがうかがえます。


 後部座席から荷室にかけてのラインもちょっとひねってみるあたり、イタリアしてます。

 ここでもランチアマークがアクセントに。


 荷室は・・・ん〜、ワゴンにしては狭いのかな?でもこれで十分な気もしますが・・・。


 この車体の色“ランチアブルー”は従来のとはちょっと違って、光の加減により明るく見えたりもします。

 屋根からリアにかけて両サイドにシルバーのラインも入って、よくワゴンが連想させる商用車的な雰囲気を抑えている感じでした。


 私の好みのせいか、カメラのファインダーからのぞいているうちに、ジワジワと引き込まれてしまうプリズマ。数々のトラブルを抱えながらも、ずっと大切にしてこられたmmmmさんの想いがよくわかりました。こうしてデザインを見ているだけでも楽しいのですから、これを自分で操って調子よく走ってくれた時の喜びは、きっと素晴らしいものだったでしょう。


 一方リブラは、より上品な仕上がりでとても優雅です。プリズマにはなかった充実装備やガラリと変わったインテリアの雰囲気にちょっと戸惑い気味のmmmmさんでしたが、なかなかどうして、よくお似合いでした。奥様もホッと一安心ですね(笑)。真新しいリブラとの生活も、是非楽しんでください。今回この納車に立ち会わせていただいたmmmmさんには本当に感謝です。ありがとうございました。