Wild Water Salt Water Fly Rod 9' #8
--- 2011年、見たことの無い逸品 ---










WILD WATER IM8 SALT Bending curve ----- ブランク、仕上げは酷いがオービスHLSみたいな嫌味のないミディアムアクション。



IM8グラファイトを採用したソルトウォーター用フライロッド、しかも安かったということで、

興味本位で手に入れたロッドであるが、かつて見たこともないような逸品だ。



マット仕上げのダークブルーのブランクは接いだだけで、反ったような、微妙に捻じれたような美しいカーブを描く。

いきなりこのロッドの素晴らしさを思い知ることとなった。 何と言っても特筆すべき点は、、、




国産、もしくは有名メーカーの製品ならば、たぶん検査で落とされ、出荷には至らなかっただろう、と思えるほどのティップの先端の曲り。


大口径ガイドにブルーのラッピングは、如何にもソルトウォーターといった雰囲気を醸し出す。

そのコッテリと盛られたコーティングは国産には無い風情を感じさせ、濃淡のコントラストも美しく、



はみ出したり垂れたりと、まるで「お絵描き」を覚えたばかりの子供に筆を握らせたのか?のような趣がある。

その美しさは「塗る」というよりも“拭い付ける”といった表現が相応しいだろうか。

いくら安くても2本目は無いだろうなと思える、中国製を上回る程の出来栄えは見事なものだ。




肝心なロッドだが、天井に押し付けてみると、さすがIM8はやや張りがあるものの、

いいかなぁ〜?と心配していたウィークポイントは無さそうなので、

そうだなぁ… 

次の夏は青い大海原で、大きなシイラでも掛けて、『パキッ!』と豪快にへし折ってみたくなるような1本だ。

きっとスッキリするだろうな・・・。


…と思ったものの、

まんざら捨てたものじゃないかな。 実際に使ってみた感想は。(笑)

正確さは別として、一応スパインは通ってるみたいだし、

これが意外にもキャストしやすいロッドでした。

極端なファーストアクションではないため、手首にも優しく、

最近流行りの下手なティップ寄りアクションのロッドよりも少ない力で

ラインは気持ち良くフライを運んでくれる。

どちらかと言うと、オービスのHLSに近い曲りを見せます。




せっかく親切にジョイント部分にアライメントのドットが表示してあるくらいなのだから、

たとえババアが内職で仕上げた竿だったとしても、もう少しクオリティーの高いものだったなら・・・

ボロクソ書いたけど、素晴らしく使えるロッドなんですがねぇ。


そもそもソルトなんて海水まともに被ったり、シイラが竿の上でドタンパタンのたうち回たり、

船べりまで寄せた魚が急に潜って、ヤワな竿だとひとたまりもなくバキッと逝く。

だから惜し気もなく使える、こんなロッドで十分なんだが。






ペンペンじゃさすがに折れなかった。(笑)

Reel MARRYAT MR8.5


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