■ Promenade --- 思い出に残る釣行記 ---
新潟県 小滝川(姫川支流)釣行



’92、3年頃だったか? ある釣り雑誌の記事で新潟県姫川支流の記事が載っていた。

ほぼワンパターン化していた岐阜県の渓流から、気分転換も兼ねてたまには違う川で竿を出したかった。

それには遠征気分でこの姫川支流はうってつけだった。

新潟県って高速使えばそんなに遠くないよなあ…? 長野県の白馬までならスキーでも行ってるし、そのチョイと向うじゃん。

そんな軽い気持ちで早速実行に移すことにした。 前々からそんな話をしてはいたが、

土曜日朝、当時会社員で夜勤明けだったワンワンを「オレが車出すから新潟の川へ行くぞお〜」とたたき起こし、(笑)

眼が冴えちゃって眠れるかどうか知らないが、眠たけりゃシート倒して寝て行きゃええぎゃあ。

少しでも高速代節約のためにR153号で飯田まで走ると、飯田から中央道に乗っかる。

途中、岡谷JCTから長野道へ入り、当時終点だった豊科IC (現 安曇野IC)を目指す。

そこからR147、148経由でスキーでは幾度と足を運んだ白馬方面を目指した。

所々でリゾート気分も味わえる、比較的快走ルートだ。

白馬のスキー場群の辺りから姫川に沿ったルートとなる。

姫川と聞くとイメージ的に”おしとやか”な感じがするが、雨が続くととんでもない暴れ川に変貌する。

翌年も釣行を試みたが、前日までに降った雨の影響で釣りを諦めドライブに終わった。


しかしこの当時のR148、快走路はスキー場を過ぎた辺りまでで、小谷村の白馬大仏のある葛葉峠辺りから道はクネクネ、

トンネルと洞門の連続で、「何かエライ所に来ちゃったなあ…、こりゃ夕方までに着けるのか?」みたいな気分になる。


それでも何とか午後3時を回った頃には到着することができた。

「入漁証取扱所」の幟のある店に立ち寄り、取り敢えず今日と明日の分を買う。

岐阜県の某川へ行った時のように、「もう今日の分はいいから明日の分だけでいいよ。」というような

気の利いた対応を期待していたのだがそんなに甘くは無かった。(笑)

初めての川だからどの辺りが良いのかさっぱり分からない。

取り敢えずアプローチのし易そうなヒスイ峡の上流部に入ってみた。





夕方になれば通い慣れた岐阜県の川のように、”気が狂ったようなライズ”を期待していたのだが、川面は平穏そのもの。

気が狂ったようなライズどころか、逆にこちらが気が狂いそうになる。

「お〜い糸内水(糸魚川内水面漁業協同組合)、ホントに魚居るんか〜?」と叫びたくなる。(笑)




やっぱり入渓し易い所はみんなに叩かれた後なのか…?

そんな状況ではあったが、辛うじてワンワンがイワナを引っ張り出した。



でもこういう1匹との出会いは嬉しいものだ。

薄暗くなってきたしイヴニングライズは期待できそうにないので本日はこれにて納竿。


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翌朝、目が覚めると小雨が降っていた。

朝飯前の運動と、早速ウェーダーを履き合羽を羽織ると、ロッドをセットして流れに立った。

昨日と状況は特段変わった様子は無い。 やっぱり糸内水、魚居らんやんけ〜。(笑)

泣いても笑っても、帰りのことを考えたらタイムリミットは午前中一杯。

ここまで来て魚の顔が見られないのは悔しいなあ…。

そんな想いがよぎった時、私のブラウンカディスを目がけて飛沫が上がった。

ロッドを立てると小気味良いテンションが伝わった。




ちょっと小さいけどそんなことはどうでもいい。

何とか1匹釣れたことが何よりも嬉しい。 もう満足できた。

遠路遥々ここまで来て、ホントバカみたいな話だけれど、1匹との出会い。

これがフライフィッシングに於ける究極の楽しみではないだろうか?

普通人から見たらもう完全に逝っちゃった人である。(笑)



釣れなかったらまたリベンジすればいい。

そんな想いから翌年釣行を試みたが、前述したように思ったより酷い増水濁流で、竿が出せずにドライブに終わった。



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