■ Promenade
Fly Rod Building


ファイバーグラスのフライロッドブランクが手に入ったので、久し振りにロッドに仕上げてみることにした。

しかしパーツを調達するにあたり、十数年前に比べてコルクグリップの高騰ぶりには驚いた。(^^;)





スペックとして、7フィート6インチの4番ということだが、ブランクだけを継いで軽く振ってみると意外とシャキッとしている。

ガイド類を取り付けると多少印象も変わってくるだろうが…。

軽く天井に押し当ててみるとグラスらしからぬ、バットはしっかりしていてかなりのファーストアクションだ。

4番は愚か、5番や6番でも乗るんじゃないか?といった勢いだ。(笑)


先ずは各セクションのバット側にマスキングテープを貼り、平らな場所で中央を手で押して

ロッドブランクを曲げながら、コロコロと転がしてみて曲がりやすい位置を見つけ出し、バット側に貼ったマスキングテープに

サインペンなどで縦に線を描いてマーキングを入れる。(バックボーン、即ちロッドの背骨を見つけ出す)

そして通常はこの面にガイドを乗せることになるが、敢えて曲がりにくい位置にガイドを乗せることにより、

ロッドに微妙な張りを持たせる取り付け方法もあるようだが、私は素直にマークした面にガイドを取り付ける。







グリップはトンプソンタイプ、シートはウッドのアップロック。

本当はグリップにリッツタイプ、シートはコルクのポケット&リングを使いたかったが、ネットで検索しても驚く程高いものについてしまうので、

比較的セットでお値打ちに販売されてた写真のものに落ち着いた。コルクの質も悪くない。


ブランクの径に合わせて、グリップ、リールシートに予め空けられた穴を晒すことになるが、コルクグリップは比較的楽にできる。

問題はシートの方。グラファイトブランクならば加工することなく取り付けが可能と思われるが、

そこは度太いグラスのバット。棒ヤスリで格闘すること約2時間。何とかブランクが通るまで穴径を広げることができた。

そしてブランクのバックボーンのマーキング位置に注意しながら、エポキシ接着剤で固定して一旦作業を終了。


次にガイドの足の先端上面をスレッドの乗りが良くなるようにヤスリ掛け。

地味な作業だがこれをやらないとガイドの足の先端でスレッドが掛からず ”口を開いて”しまう。

なおガイド取り付け位置と選定だが、私は標準的な7フィート6インチのロッドを参考に調整した。

トップガイド チューブ径2mm

スネークガイド No1 3個

スネークガイド No2 3個

スネークガイド No3 2個

ストリッピングガイド 手持ちのルビーガイド

フックキーパー クリップを曲げて自作

ラッピングスレッドはブランクと同系色のミシン糸を手芸用品店で調達。

本来はコートした後のガイドの足の透けを出すべく、シルクを使用したかったのだが、過去にあったシルクのボビンは姿を消し、

シルク調のポリエステルのものに取って代わっていたのでやむなくこれを使用した。

昔はグリップ、シートを始めパーツ類の確保には地元にもフライショップが有り、そんなに苦労した記憶が無かったが、

誰でも気軽簡単に手を出すことが出来るルアーに軍配が上がり、やれキャスティングだの小難しい技術を要するフライは

衰退の一途をたどり、今や変態や物好きの釣りのように扱われてきたのが原因だろうか?

そんな私も現在はソルトルアーが主であるが、時として無性にフライがやりたくなる時がある。

やはり過去にフライフィッシングの楽しかった記憶があるからこそ、そんな思いに駆られるのであろう。


話が逸れたが、そんな私に安価に思いを叶えてくれるネットショップは有難い限りだ。






ガイドをマスキングテープでブランクに仮止めした上で、一方の足からテープを剥がしラッピングスレッドを巻いていく。

ロッドビルディング専用のラッピングスタンドも市販されているが、私は浅い段ボール箱の両端をV字に切り欠き、

そこにブランクを置いて、スレッドは雑誌などの厚い本の頁の間に挟んでテンションを掛けるようにして巻いていく。





スレッドを巻き終え、フライロッドとしての全貌が見えて来た。

この後フレックスコートを下塗り、仕上げと2回塗れば完成となる。

本来はこの時点でロッドスペックもペン等で記したいが、本当に4番かよ? と疑ってしまうので(笑)

後に実際にラインを通して試し投げしてからでも遅くないかと。 (記した個所も一緒にコートしたいのでホントは遅いが…)

エポキシ系のフレックスコートは硬化するまでに時間を要するため、ロッドモーターがあれば均一で美しく仕上げることができるが、

私はそんな洒落たものを持っていない。

そのため最初はガイド面を下に、その後ガイド面を上にしたりと忙しい時間を過ごすことになる。(笑)

しかし実際にはそんなこと硬化するまで何度もやってられないため、均一にならず垂れたコブができたりと仕上がりはイマイチ悪くなる。






フレックスコートで仕上げが完了したロッド。 コーティング前より濃いめの落ち着いたシックな色合いとなった。







シルクではなく、シルク調のポリエステルなのでどんな具合かな?と心配していたが、

望んでいたように足が透けて見えるエロチックな仕上がりとなった。(笑)






FG-7' 6" #4 Bending Curve ----- グラスらしからぬファーストアクション。




戻る