一般質問内容と回答(平成19年9月定例議会) | |||||||||||||||||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
一般質問内容は、9月4日・5日に開催され、初日(4日)の2番目に登壇した。 質問者は、自民党市議団5名、親和クラブ(所属会派)・共産党各2名、公明党・社会党各1名の計11名が行った。 私は、4月の改選後初の登壇であり、少し緊張した中でのスタートとなりました。一般質問の質問方式が昨年の9月議会から導入され、先回の質問の反省を生かして、余裕を持った時間内での対応に心掛けましたが、結果は先回と同様に時間との戦いとなりました。一問一答方式の質問においては、質問の時間配分は出来ても、答弁時間が計算できず、質問内容を軽くしないと時間内に終えることは難しいと知りながら、ついついあれもこれもと欲張った質問をしてしまい反省をするわけです。一般質問における時間との戦いは毎回の課題であろうと思います。 【今回質問の背景】 世間で大きく取り上げられている事項を柱として、新潟県中越沖地震から防災対策、北海道夕張市の財政破たんから行財政改革、学校教育に対する問題から教育改革の3項目を中心に質問をしました。 質問と回答内容は、概要であり詳細は「安城市議会会議議事録検索システム」で確認をお願い致します。 =防災対策について= 3月に能登半島地震、4月に三重県亀山の地震、7月に新潟県中越沖地震と中部・東海地域周辺で地震が起きており、本市の地震対策についての実態と今後の対応について質問をする。 Q1:(1)2002年(平成14年)から実施している木造住宅の無料耐震診断制度の受診状況とその結果を踏 まえての耐震改修状況について (2)耐震改修補助制度利用者の改修費用について (3)近隣市の同様の制度の利用状況について A1:(1)平成18年度末までに2,440棟の受診があり、診断対象総数約14,500棟で受診率は16.8%。 耐震改修は、受診住宅の中でいわゆる耐震診断で判定値が1.0未満であった住宅2,217棟のうち 174件で7.8%の利用でした。 (2)耐震改修費は、一番金額がかかったケースは551万円(基礎部分が玉石であったためにコンクリ ートに基礎変更した)。一番の低額は60.5万円。平均は145.7万円(全国の平均は174万円)。 ※耐震改修制度利用の補助金額は、県・市から総額60万円が助成される。 (3)西三八市の耐震診断受診と耐震改修状況
八市の平均耐震改修率は5.8%。 高浜市は耐震改修にかかる補助金の限度額を市単独費25万円を上乗せして85万円です。 Q2:耐震改修の必要性を感じながら、先送りになっているのは工事費の工面ができないからではないかと 考えます。特に、年金生活者や独り暮らしの高齢者、障害者や介護者を抱えているご家族は大変苦し いものがあると思います。耐震改修を促進するための今後の対応について A2:耐震改修の促進の第一歩が耐震診断の受診率アップで、平成16年度に効果のあったダイレクトメール による方法を建築士会と調整を図りながら来年度実施したい。 有効な耐震改修促進の方法として、一部の改修も対象とするような判定値を緩和して簡易な改修を補 助対象とすることを現在検討中で、公的な補助であることから、一定のルールに基づいてものでなけれ ばならないが、耐震改修の視野を広げる上から有効な手段と考えている。 (要請)耐震改修制度の早期の見直しと導入を要請する。 Q3:新潟県中越沖地震で耐震改修と同様にクローズアップされたのが、災害時要援護者支援制度で、本市 の整備状況と現状かかえている課題や運用面での問題点について (災害時要援護者支援制度の整備状況は全国の市町村では2割程度。県は38%の整備状況) A3:本年8月現在の災害時要援護の対象者は、4,371名でその内、登録者数は3,268名で登録率は 75%。現在かかえている課題や運用面での問題は登録者率の向上と災害時の支援の2点があり、 1点目の登録者の向上は、民生委員の協力の下で新たな登録の働きがけをお願いしている。一部の 方に制度の理解が得られていない状況にある。 2点目の災害時の支援は、要援護者は地域での支援をあおぐわけで、そのためには日ごろの声掛け を始めとして、地域での見守りなど福祉活動や防災活動への参加で、市内の町内会で積極的な取り組 みをして成果の上がっている地域もあり、その広がりを期待したい。 (要請)関係機関との情報の共有化の確立を要請する。 Q4:10月1日から気象庁が一般家庭に実施する緊急地震速報の市民への周知について ※緊急災害速報とは、気象庁が地震発生直後の観測データをもとに、大きな揺れが来る前に推 定される各地の揺れの到達時間や震度を知らせる取り組みで今年10月から一般家庭にも提 供される。 A4:緊急地震速報の認知度は低い状況にあり、広報やホームページなどで啓発活動を行っていく。また災害 弱者への周知徹底は、関係課や社会福祉協議会などと連携を図り、要援護者関係の会議や集まりなど の機会を捉えて周知していく。 (再質問) Q:(1)公共施設に対する緊急地震速報の対応について (2)防災行政無線を自宅で聞くことのできる「防災行政ラジオ」設置について A:(1)緊急地震速報の提供事業者の一つであるキャッチネットワークでは、今年7月以降、安城消防署など に受信装置を設置して実証実験をしているが、まだ公共施設への接続の仕組みはできていない。市と しては、これらの状況を踏まえた上で、公共施設への導入のあり方を検討していく。 (2)各家庭への「防災行政ラジオ」の設置は、情報発信の本体ともなる安城市の防災無線は、アナログ式 で、平成23年5月に使用期限となり、その更新に併せて市民への情報伝達方法を考えていきたい。 (要請)気象庁によると、マグニチュード8級の東南海地震が紀伊半島沖を震源として起きた場合、名 古屋では揺れがくる40秒ほど前に速報が入るとのことで、このシステムは被害抑制に大きな 役割を果たす。 関係機関と連携をとり、早期の公共施設への緊急地震速報受信装置の設置と市民への「防災 行政ラジオ」設置支援を要請する。 また、緊急地震速報を想定した避難訓練の実施の展開を要請する。 =行財政改革について= 北海道夕張市の財政破たんの教訓を生かし、地方自治体の財政破たんを早めに食い止めようということから、地方財政健全化法が成立(平成19年6月15日)した。この法律は、自治体の財政の健全性を4つの指標で判定し、悪化度合いに応じて是正措置を発動して、地方自治体に早めに財政再建対応を求めるものです。新たな法改正など行財政改革について質問をする。 Q1:地方財政健全化法は平成20年度決算から適用となるが、今議会に上程されている平成18年度を評価 するとどのような状況で、新指標から見た問題点や課題について ※健全性を判断する4つの指標は、実質赤字比率、連結実質赤字比率、実質公債比率、将来負担比率 A1:4つの指標の「実質公債比率」は、平成18年度決算を含む3ヶ年平均8.7%で、地方債発行の制限対 象となる18%を下回り良好な数値である。他の3つの指標は、現在国において具体的な算定方式を取 りまとめ中ですので、ご理解を。 また、健全性を判定する課題としては、下水道事業特別会計の地方債残高が、一般会計全体の地方残 高に肉薄していることが懸念材料としてあげられる。下水道事業会計は、平成18年度から地方債を抑 制する方針をしているが今後も留意が必要と考えている。 ※地方債残高(平成18年度末) 一般会計 278.22億円 下水道特別会計 267.1億円 (再質問) Q:住民がわが町の財政を勉強や調査をして「財政白書」を発行している自治体がある。 地方自治体の財政状況を示す指標が変わる中、市民への財政状況の提供について A:従来からHPで主な財政金額や指標の推移を公表している。平成18年度から「財政比較分析表」や「財政 状況一覧表」を公表してきた。今後も財政健全化法に関する4つの指標を含め、見やすく、わかりやすい 財政状況の公表に努めていく。 Q2:行政業務の担い手としての指定管理者制度の更新と新たな導入(堀内公園)をむかえているが、指定管 理制度導入後の利用者の反応と、問題点や課題について A2:利用者の反応は、ご意見箱やアンケートなどで声や意見を聞いている。また、市と指定管理者とで定期 的に連絡調整会議を行い、利用者の反応を確認している。 問題点や課題は、特に緊急事態が発生した場合には速やかな連絡と対応の協議などをして改善を図っ ている。 (再質問) Q:指定管理施設の外部評価は9月1日広報で利用者の増加、サービスは向上したとの報告がありました。 指定管理者制度の導入により、直営100に対して民間84.7というコスト比較データがあるが、本市の 状況について A:平成18年度の決算額11億3千万円、指定管理者導入前年である平成17年度決算額は12億2千2百 万円でした。任意17施設、公募19施設でコスト比は92.5%。尚、任意は95.5%、公募は78.7%。 (要望)指定管理者制度により年間約1億円のコスト削減がされており、公募施設は78.7%で運営 がされていることを考えると、集中改革プランでは平成19・20年度37施設、平成21年度から 45施設となっいるが、コストは安い、サービスは変わらないのであればスピードをもった民へ の切り替えを要請する。 Q3:私たちの社会は「市民運動」から「市民活動」へと、行政に社会問題の解決を求める時代から、自分た ちで問題の解決方法を考えて実践する時代へと変換してきている。 そうした中で行政や企業と異なる立場で公共的な活動を担う民間の非営利活動団体(NPO)が各地で 立ちあげられてきているが、本市の団体の状況と育成面での支援について A3:市内で活躍するNPO団体は、愛知県認証の法人が14団体。「子どもの健全育成」の団体が4団体、「保 健・医療・福祉」と「環境保全」の分野で各3団体、その他に「社会教育」「まちづくり」「災害救助」「国際協 力」の各分野で1団体づつ。 安城市民活動センターに登録している団体は235団体で、これらのほとんどは県の認証の無い団体です が、市民活動団体として多方面でボランティア活動や地域活動をしており、広い意味での「NPO団体」と 考える。 NPO育成支援は、安城市民活動センターで立ち上げ活動の相談・指導や打合せスペースなど活動の場 所の提供、印刷機や製本機などの貸与の支援などをしている。 (再質問) Q:NPO団体の共通の課題や問題点や課題としてあげられるのが、人材と資金面での支援要請であります。 行政のパートナーとするならば、財政的な支援を視野に入れた育成が必要で、活動がしやすくなるような 環境整備や継続的、安定的な活動支援策としてNPOファンドや融資制度の創設について A:資金面での支援は必要と思うが、まずNPOや市民団体の力量を向上させ、事業を継続できる体質をつく りあげることが必要であると考える。 融資制度は、すでに市中金融機関がNPOに対して実施しておりその利用を検討してほしい。 しかしながら、今後ますます市民活動が盛んになり、活動団体の増加も予測をされ、NPOファンドなどに よる助成事業についても、市民活動団体のニーズを調査したうえで研究させてほしい。 (要請)NPO団体のレベルアップや体質強化の支援も必要であるが、ファンドは既に実施している自 治体もあり、育成支援の一助として助成制度の早期確立を要請する。 Q4:10月から実施される民間委託による駐車違反取り締まり制度の監視体制や活動地域、時間などにつ いて(県下の実施は豊田・岡崎市など7警察署) A4:県警から、具体的な内容は駐車監視員ガイドラインにて公表されることになっているが、現在公表され ておらず分らない。・・・・・・・⇒翌日の5日に公表された。 (HP公開の概要) HP検索方法:愛知県警察本部HP⇒交通安全⇒駐車監視員活動ガイドライン⇒安城警察署 駐車監視員は、路線、地域、時間帯を重点に巡回し、放置駐車車両の確認等の実施をする。 (最重点路線) ◆市道安城二本木線(JR安城駅ロータリー〜末広町北交差点) 重点時間帯:9時〜22時 (重点路線) ◆市道御幸本町10号線(朝日町西〜桜町) 重点時間帯:9時〜22時 (最重点地域) ◆JR安城駅周辺地区(御幸本町) 重点時間帯:9時〜22時 ◆JR三河安城駅周辺地区(三河安城本町、三河安城南町) 重点時間帯:9時〜22時 ◆名鉄新安城駅周辺地区(今池町1丁目) 重点時間帯:9時〜22時 =教育行政について= 世間の教育に関する調査結果などから質問をする。 Q1:内閣府が年初に「社会意識に関する世論調査」がされ、第一位が教育に対する不安つまり教育が悪い 方向に向かっている分野として挙げた人が全体の36.1%。文部科学省が8月にインターネットで日本 の教育について調査した結果2人に一人が悪い方向に向かっているとの報道があり、教育長はこの調 査をどのように受け止めているかについて A1:内閣府の調査は、「いじめによる子どもの自殺問題」「高校の未履修問題」などがあり、社会的に教育 に対する不安や不満が高まっていたという背景を反映したものと考える。 文部科学省調査は、教員の参加が多いとのことで子どもの教育を進めていく上で、今日の困難な状況 を肌で感じ、危機意識をもっているあらわれと受け止めている。 いずれにしても、今日の教育が抱える課題に対して多くの方々からの声を真摯に受け止めながら、学 校と家庭、地域が協力してあたらなければ、子どもたちの健やかな成長を育む教育は実現できないと 考え、全力で取り組むのが私に課せられた役割と認識をしています。 (再質問) Q:世論調査を踏まえると、教育委員会や学校だけでなく、広く地域住民や保護者を巻き込んだ学校づくり をしていく時を迎えていると考える。2005年4月から学校運営協議会制度(コミュニティ・スクール)が、 全国の一部の小中学校で実施されているが、この制度の評価と本市への展開について A:コミュニティ・スクールは、都市化の進行などに伴い、多くの地域でかつての地縁に基づく地域社会が 変容し「地域の学校」という考え方が次第に失われてきたという認識に基づくものと理解をしている。 本市は、「地域の学校」という考えが十分生きており、これまでの地域の伝統の中で、信頼関係がすで につくりあげられている。もちろん十分とはいえないがその基盤を大切にし、学校と家庭、地域とのコミュ ニケーションの一層連携を図った学校づくりを進めていきたい。 (一言) 教育長の申されるように、市内の学校は「地域の学校」という考えが浸透していると思いますが、本市の人口増による社会環境を考えた時、これまで培われてきたものが全学校に浸透しているかとなると、疑問を感じていることも事実であるを述べる。 Q2:先般文部科学省が、全国の不登校児童・生徒の実態を公表したが、本市の実態と中学校1年生に少 人数学級を導入し、少人数学級と不登校の関係について A2:不登校児童・生徒の実態は、 小学校・・・・・全国0.33%に対して本市は0.42% 中学校・・・・・全国2,86%に対して本市は2.99% どちらも若干高め。 中学校1年生の少人数学級と不登校生徒数の変化は、 導入以前の平成16年度は2,29%。導入以後の平成17年度は2.23%。平成18年度は2.14% と若干減少傾向にある。少人数学級を実施した学年の年度ごとの分析を続けたい。 不登校生は、今後とも「目の前の不登校生を一人救い、新たな一人をださない」を合言葉に不登校の 子どもたちへの支援を続けていく考えです。 (要望)データから新たな発見や対策の方向性が見えてくる時もあり、継続的な調査を要請する。 (再質問) Q:県は、小学6年生から進学すると急に不登校が増える解消策として、中学校教員が地元の小学校へ 出向き、入学時の生徒の違和感を和らげる授業をモデル的に実施しているが、本市の不登校対策の 新たな取組みについて A:不登校は大きな課題を受け止め、これまでの活動の充実強化を図っている。教育委員会の指定研究 では「不登校対策」をテーマに篠目中学校と連携して研究を進めている。 最後に6月20日に教育改革関連3法が成立をし、新たな取り組みや制度が導入されるが、教員の環境を含め教育現場がかかえる課題が解決される方向へ進んでくれることを述べ質問を終える。 「議会での発言」の見出しに戻る |