一般質問内容と回答(平成17年9月定例議会) 

一般質問は、9月2日・5日に開催され、5日の2番目の質問者として登壇しました。
 一般質問は、自民党市議団5名、親和クラブ(所属会派)2名、公明・社会・共産党が各1名の計10名の議員が行った。

 
【今回の質問の背景】
1.行財政改革は、国の動向、市の情勢より
 (1)総務省指針の「新地方行革指針」策定状況と対応
 (2)トヨタ系出身議員としての取り組みテーマである「補助金のあり
   方」の考え方と今後の対応
 (3)公共工事の「談合疑惑から談合「での「再発防止と公共工事の
   電子入札制度導入状況」
2.中央図書館を20周年を迎え、策定された図書館推進計画の基本
  的な考え方と将来の図書館改革


3.安全・安心対策は、学校安全と地震対策より
 (1)学校安全は、「校内不審者侵入防止対策」と「学校安全条例の制定」
 (2)地震対策は、最近の震度5以上の地震からの本市の対応

  質問と回答内容は、概要であり詳細を確認したい方は「安城市議会会議録検索システム」をご利用願
 います。
=行財政改革= 
 
Q1:総務省が3月29日に「地方自治体に行政改革の推進のための指針」を示し、行政改革の推
    進況の公表を求めた。本市の行政改革は、第7次総合計画や行政改革大綱実施計
    画で取り組んでいるが、現状の市方針との兼ね合いや市民への公表計画はどのようになって
    いるか。
 Q2:補助金は、平成8年度20億円程度であったのが、平成15年度24億7千万円、平成16年度
    26億1千万円、平成17年度29億8千万円と年々増加し、現状は10年前の1.49倍である。
    にある。補助金の見直しの目的を単なる歳出削減ではなく、新しい市民自治の確立を図ること
    を考える時、ゼロベースからの補助金額の決定、
    公募制度の採用、客観的な判断を下す第3者機
    関の設置の導入などが必要であり、今後の補助
    金のあり方、改革をどのように考えているか。
 Q3:談合疑惑から談合をしましたという実態を踏まえ
    ての制度・仕組みの見直しはどのようになってい
    るか。
    10月からの電子入札制度の導入状況と体制な
    どの状況はどのようになっているか。


 A1:行政改革大綱は、平成12年に策定し既に5年を経
    過しており、本年度に公募も含めた行政改革懇話
    会を設置して、新たな大綱の策定を進めている。
    総務省の新たな指針の趣旨を踏まえ、また指針で

    示された項目を参考にした大綱策定を考えている。公表時期は、17年度末から18年度の早い時期
    に公表する。
 A2:これまでの補助金の予算化は、常に費用対効果に気を配り、予算策定の中でスクラップアンドビルド
    を念頭に置き精査して計上してきた。
    平成18年度の見直しでは、事務事業評価の手法を利用し、独自に効果測定ができる調書を作成し
    ての実施、併せて原点に立ち戻ってゼロベースからの見直しの手法や公募型補助金制度の導入、
    審査機関の設置についても先進事例を研究していく。
 A3:平成14年の談合疑惑から入札制度や仕組みの見直しをしてきており。本年4月から建設工事にかか
    る入札は、原則総て条件付一般競争入札を採用しており、7月の談合が明らかになった以後の仕組
    みの見直しは図っていない。
    電子入札システムは、基本的に横須賀市が開発したシステムを採用しているが、本市の入札に適合
    するように修正をしている。具体的な修正点は、
    @入札金額の低いものから5番目までの札の平均額の85%を最低制限価格とする「平均型最低制
      限価格」の設定
    A経営審査評点に市独自の主観点を加算する「総合数値」の採用
    B県の土木事務所単位を考慮した「地域要件」の設置

    職員体制は、導入の初期対応のために、契約担当職員の1名増、新規参入業者への対応や工事の
    品質確保などに向けて検査担当職員2名増をした。
    8月31日に市内業者と準市内業者を対象に電子入札の操作説明会。9月中旬まで練習入札。10月
    から本稼動。今後も入札の透明性、公正性、競争性を確保するために、入札参加業者範囲の拡大な
    ど更なる制度改革に取り組んでいく。

《再質問》
 「新地方行革指針」では、目標を数値化することにより、「PDCAいわゆる管理のサイクル」が回転
し施策の成果を期待をするとともに、市民に分かりやすい公開を要望する。
 補助金は、既得権益の団体がないように常に活動をチェックして、新規団体や必要な団体に支援
がされるような新たな制度改革を要請する。
Q1:市民の信頼を得る公共事業入札制度改革として第三者機関による(専門家)監視委員会の設
   置導入が必要と思うがどのように考えるか。
Q2:談合疑惑以降、関係者が一番心配しているのは、豪雨、地震などの天災が起きた時の復旧体
   制の整備の遅れを心配している。(以前は、建設協会などが窓口で対応していたが、協会が
   解散している)
   電子入札採用の横須賀市では、災害緊急協力事業者登録制度があるが、本市も市民の安全
   安心から市内業者に働きがけをして災害時対応登録制度を導入してはどうか。


A1:現在のところ第三者機関による監視委員会の設置は考えていない。今の制度の中で信頼性の
   高い入札制度の確立を図っていく。
A2:指摘いただいたことは庁内でどのようにしたらよいか検討をしている。横須賀市の制度は、災害
   時応急対策の協力体制のあり方を検討する中で参考とさせていただきたい。

《要請》
 電子入札は、今や我が国全体の入札制度の大きな潮流となっている。談合疑惑が浮上した中で他市に先駆けた電子入札導入は、的確な判断と対応であったと評価をしている。入札制度はこれがベストだというものはありません。常に改善を進めることが基本的な考え方であり、導入後も公正で透明性が高く、適正な競争環境を確保できる入札制度の実現に向けて見直しと改善を図ることを要請。
 特に、予定価格公表及び最低落札価格の撤廃を視野に入れた入札制度の改善も要請する。

=図書館改革=
 中央図書館は、7月に開館20周年を迎えるとともに、入館者500万人を突破し、図書館は市民にとっての
自己研鑽、情報を得たり、情報を発信する場として大きな役割を果たしている。
 開館20周年を節目として、図書館推進計画が策定され短期・中期・長期目標が示され、生涯学習活動の
充実を目指した図書館
のあり方や将来の方向付けを質する。
Q1:図書館環境が国の望ましい基準と比較して見劣りがしている原因をどのように分析しているか。
Q2:指定管理者制度の活用など今後の図書館運営をどのように考えているか。
Q3:将来の図書館利用予測を考えての施設を含めてのあり方なり方向付けをどのように考えている
   か。


A1:平成13年以前は、国の基準値がなく、市独自での対応がこのような結果をもたらした。利用者ニーズ
   を把握しながら可能な限り国の基準達成のための充実を図っていく。
A2:指定管理者制度は、図書館法で「資料の無償提供」から、購入資料の選定や資料相談、読書推進活
   動などの専門性が要求されることから、ただちに指定管理者制度への移行は困難と思うが、窓口業
   務等委託化可能な業務は今後も拡大していく。
A3:地区公民館図書室の充実、及びIT社会に対応し、市民の多様な資料・情報の要求に応えるため、従
   来から紙媒体の資料と新たなデジタル資料とを融合した「ハイブリット型図書館」の構築を目指してい
   く。


=安全・安心対策=

 内閣府が7月上旬に地域再生の世論調査結果を公表した。国民が国や自治体に期待する政策は、治安
悪化や災害多発といった現状を反映して「防犯・防災対策充実」が48.4%でトップ。続いて「福祉・医療の
充実」が40.85%であった。
 防犯・防災対策の取り組みとなると広範囲となり、防犯は学校安全対策、防災は地震対策について質す
る。

Q1:校内への不審者侵入防止対策として、今年度各小学校に門扉を設置するが、学校の構造・環
   境からして、門扉を設置したから不審者が防止できるかというと大変疑問を感じる。
   校舎の完全な防護は難しく、ハード対策と併せてソフト面の支援が必要と考えスクールヘルパ
   ー制度(ボランティア組織が校内への不審者を防ぐために校内に常駐して監視をする取り組み)
   の導入の考えはないか。この1年間の不審者報告状況はどのようになっているか。
Q2:悪質な校内事件から、子どもたちの安全を学校任せにせず、国や自治体レベルで具体策を講
   じる「学校安全法」の制定が浮上している。
   学校安全の最低基準、学校に安全担当職員の配置、学校安全を守る制度づくりなどを決めた
   条例を制定してはどうか。
Q3:国土交通省は宮城県沖地震でのスポーツ施設などのつり天井パネル落下から緊急調査と危
   険な建物への崩落防止対策などの指示がだされているが、最近の震度5以上の地震から行政
   としてどのよな対応なり対策を検討しているか。


A1:児童生徒が校内にいる時間帯での不審者進入の報告はない。
   スクールヘルパー制度は、大変興味深い内容であり、本市において実施可能かどうか、研究を進め
   ていく。
A2:学校安全条例制定は、4月に制定された市民安全条例において学校安全が示され、また文部科学
   省の「危機管理マニュアル」や県教育委員会の「学校安全マニュアル」での対応を基本としており、
   現在のところ学校安全条例の制定は考えていない(教育長答弁)
A3:地震防災対策の中で、現在、重点的に検討していることは初動期における災害対策本部の体制の
   見直し。現在の計画では、多くの市職員は市役所に集結することになっているが、むしろ各地域の
   避難所に参集した方がよい場合が想定されることが、新潟県中越地震の自治体などの状況を参考
   にすると分かったので、実態に即した対応体制の確立を図っていく。

《再質問》
Q1:安全な通学路確保からの「子ども110番の家」の設置状況と「子ども110番の家」への情報
   提供はどのようになっているか。
Q2:大地震などが発生した時に被害を最小限に止める上で、いち早い情報提供が必要であり、
   8月から携帯電話による緊急情報伝達システムの「あんぴメール」の拡大をどのように考えて
   いるか。


A1:「子ども110番の家」は、平成10年から広報で募集しており、当初500軒程度であったのが、平成17
   年8月現在830箇所の方に登録をいただいている。尚187軒は警察所管である。
   「駆け込み事例」は例年1〜2件で、前年度は3件、今年度は1件の報告があるが全て大事には至っ
   ていない。
   情報提供は、警察と愛護センターに連絡が入ると、各小・中学校、高校、幼稚園、保育園を通じて連
   絡している。
A2:「あんぴメール」は、市の係長以上の職員、自主防災組織の代表者、市議会議員、消防関係者など
   を対象にスタートした。大きな地震が起きた場合、日本気象協会から特定回線を使って、地震発生
   のメールを自動的に加入者に送信するものであり、今後は情報内容の充実と加入者の拡大を図って
   いく。

《再々質問》
Q:学校安全条例制定について、教育長の答弁であったので市長に「学校安全条例は、児童生徒だ
  けでなく、先生たちを守ることを狙いとしており、先生方に安心して教育できる環境づくりから安全
  条例を制定してはどうか」と見解を問う。


A:教育長に教育現場は任せてあり、私がとやかくいうことではないと考える。

  
市長の言われることは分からないでもないが、答弁としては残念な見解であった。
  本市においては、校内において悲しい出来事が起きていないでよいものの、他市の校内事件から
 自治体が率先して、学校の安全確保に向けた仕組みづくりをする時を迎えていると考える。



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