ぱるぷんて騒動 事件編
仕事早っ! そしてラーがとうとう(ほろり)
これ読んだ時、手叩いて笑いながら、大喜びしちゃった★
今、ラーハルトの目の前にはおぞましいものがいた。
そのおぞましいもののためにラーハルトは開いた口がふさがらず、
顔も青ざめ、全身が硬直して動けない状態になっていた。
そのおぞましいもの…それは−
「…」
「何だ?ラーハルト。何か用か?」
台所でピンク色で胸元がはぁと型のふりふりエプロンを身に着け、
片手にロングソ−ドのようなものをもち、
もう片手には大根のようなものをもち、
手に切り傷を沢山作って手がちまみれの、ヒュンケル。
これをおぞましいと言わずして何といえばいいのだろうか…。
おまけにヒュンケルの周りもおぞましい。
火にかけた鍋からは謎の紫の触手や紫の煙がうねうねと出ているし、
その周りには血液か…?赤い液体や青い液体が散乱しているし、
悪臭はますますひどいし…。
「お前、一体…何をしているんだ?」
「見てわからんか?料理だ…」
これの何処が料理だ…
ラーハルトは絶句した。
まず料理というものの考えが根底からして間違っている。
普通手に握るのは包丁だろう…剣ではない
それに…
「…何を作ってるんだ…?」
「風邪に良く効く料理だが…?」
「本当にそれは効くのか?そうは見えんが…」
「昔、地底魔城に居た頃これで俺は風邪を治してたが」
「…」
「とはいうものの、料理は見たことはあるがするのは初めてだがな。」
「…う。」
やはりそうか…
ヒュンケルはそんな硬直したラーハルトを不思議そうに見つめながら
鍋の料理を味見しはじめた。
「うーん…まだあれがたらんか。」
「あれ…?」
「●●●●●の×××と△△の□□。」
「うげっ!」
ラーハルトはなんと言えばいいのかもう分からなかった。
ダメだ、こいつ料理の価値基準が恐ろしく狂ってる。
ていうかんなもん食べたら普通の人間は即死しそうな気がする…。
は。
いやいや、このままあいつのペースに巻き込まれてはいかん!
止めねば!なんとしてもこいつを止めねば!
正気を失いかけてたラーハルトは
当初の目的「ヒュンケルを止めること」を、
あの死にそうなポップの顔を思い出し、
首をぶんぶん振ってヒュンケルに強く出た。
「ヒュンケル、ポップを思う気持ちは分かるが料理はやめてくれ。」
「なぜだ?」
「ポップが言ってたんだ。
お前の料理する音がうるさかったり、料理のにおいが凄かったりして眠れないと。」
「…本当か?」
「本当だ。死にそうな顔をしていたぞ。」
「…」
ヒュンケルは硬直した。
そんなに自分は迷惑をかけていたのだろうか、と。
ラーハルトは自分の思い通りにヒュンケルが料理をやめてくれそうな気配に
小さくガッツポーズをした。
が、次の瞬間ラーハルトは再び青ざめることになる。
「ラーハルト!味見してくれ!」
「は?何故…?」
「折角作ったものを捨てるのも勿体無いし、かといってコレをポップが食べられるか自信がない」
「…」
「俺はポップに早く良くなって欲しい。だからコレを食べて欲しいのだが…もし!」
「もし?」
「コレをお前が食べてみてダメそうなら俺は料理をあきらめる!」
「…」
ラーハルトは迷った。
ヒュンケルに料理をするのをやめて欲しいのは事実。
だが、コレを食べるとなると…自分はどうなるのだろうか…。
見た目だけでもおぞましい物体なのに…。
でもさっきヒュンケルは味見してて何ともなかったではないか?
案外大丈夫なのかも…
そんなこんな思案を繰り返した後、ラーハルトは運命を左右する決断をした。
「よし!受けてたとう!」
その頃、
ポップは吐き気をもよおしてベッドでうつぶせに近い状態で洗面器を片手に青ざめていた。
熱はまだ40度をキープしている。
「うげ、キモチワル…ラーハルト、大丈夫かな…」
ふと、ポップはヒュンケルを止めることを頼んだラーハルトのことが不安になった。
そしてその不安は的中してしまうわけで。
「んぎゃああああああああああああああ!」
ラーハルトの絶叫が部屋中、いや、城中にこだました。
ポップはベッドの上から飛び起き、台所へと走った。
「な、何があったんだ!?」
そこにあったのは白目をむいて泡を吹き、ピクリとも動かないラーハルトと
呆然とたちつくすヒュンケルと
散乱した料理に皿。
「うわー!!!お前何やったんだよ!ヒュンケル!!!!」
「何を…といわれても…味見をしてもらったんだが…」
ポップはとっさにラーハルトを抱えてみる。が、ラーハルトは冷たくて。
「ラーハルト!ラーハルト!!うわ!息してねぇ!!!」
「何!?しっかりしろ!ラーハルトぉぉぉ!!!!」
「えっとどうしようどうしようどうしようどうすりゃいいんだ〜〜!!」
2人は慌てた。
いつもの冷静さはどこへやら。
ポップは何とかしようと呪文を唱えようとした。
だが、高熱でうまく集中できない上、慌ててて何をどうすればいいのか判断できない。
そしてとっさに唱えた呪文が後に嵐を呼ぶことになった。
「えっと、えっと…『ぱるぷんて!』」
何故にぱるぷんて…。
ボムッ
部屋中に白い煙が立ち込めた。
そしてしばらくすると白い煙は収まった。
が、事件はまだ終わっていなかった。
「う…ん」
「あ、ラーハルト!気がついたのか!?…エ”」
「良かったラーハルト…は”?」
「……」
ラーハルトは目を覚ました。
だが、そこにいるのは普通のラーハルトではなくて…
「なんだこりゃああああああああああああああああああああああああ!」
再びラーハルトの絶叫が城中にこだました。
ラーハルトの胸にはいつもはないふくらみがあって、
そしてラーハルトの声もいつもより1オクターブほど高い…。
そう。ラーハルトは…女体化していたのである。
原因はポップの失敗魔法のせいだろうと思われた。
とうとう、ラーハルトが・・・
にょ、女体に(爆笑)
ぷっ、ぶはぁはは〜。びゃひゃひゃひゃひゃひゃ。(大喜び)
目尻から暖かい物が流れてきました。
「ふっ、どうやら目に埃が入ったようだ。」
酸欠で死んじゃうよ〜。助けてママン〜。
仕事早いよ〜。有り難う。次で最後何だよね?楽しみにしてます。
貴方のファンより。by紫の薔薇の人。