LUX型  シャーシの製作                                        2016.09.17   Katou@ 刈谷
手作りシャーシ
       < 作例 >
                本機は’14年冬のお寺大会に出品したアンプのシャーシです。
完成アンプ
アンプ完成状態
曲げ機
ホーザンの曲げ機

LUX型シャーシ

「LUXのアンプ」、格好良いと思います。 
 使われている部品の形状と配置もさることながら
 「エプロン付きのアルミ天板シャーシ」
が実に美しくカッコ良い。

 このタイプは現在でも市販されていますが、高価です。

・ホーザンの曲げ機を活用し安価かつ容易に手作りできないか
 試作してみることにしました。




 LUX KMQ-60

構造と材料
 W400×D180×H47.5 (天板はW400×D184)サイズで試作しました。 (単位:mm)
  ・シャーシ構造は@天板、A前・左右面一体の枠板、B後面枠板、C底板の4点構成で全てアルミ材です。

材料

@天板:W400×D200×1.5t アルミ板
(片面保護シール(青色)付き)

A枠板:1000×45×11×11×1.1t チャンネル材
B枠板500×45×11×11×1.1t チャンネル材

C底板:W400×D200×1.0t アルミ板

全て秋葉原の奥澤さんから通販で調達しました。
 渇憫Vさんのページ  ●アルミ板  ●チャンネル材      









シャーシ構成

使用工具
@ホーザン板金曲げ機

 Aしゃこ万力
   曲げ機に1個付属しますが不足なので別に追加します。

 B指金(挿み板兼用)
  天板のエプロン部を曲げるときは挿み板に用います。

 Cハンドニブラー

 DCチャンネル用押え刃(40×50×9t鉄板)
    付属の押え刃ではCチャンネルを固定できません。
   この押え刃としゃこ万力を使って固定ます。
  鉄フラットバーをカッチングで切断したものです。

 E平・丸やすり
 Fケガキ用カッター・千枚通し

 G曲げ機転倒防止棒(自動車のホイールレンチ)
  ハンドルを引く時に曲げ機の転倒を防ぐ足踏み棒です。

 ※他に電気ドリル、ドライバー、三角定規を使います。
 使用工具

1.天板加工
  @曲げ部ケガキ
  ・前後エプロン幅を9.5とし曲げ位置にケガキを入れます。
1.端から9.5位置にケガキ線を入れる(保護シールが無し面)
ケガキ1
指金をしっかり押えカッターで真直ぐ何回も(深さ0.2以上)ケガく
(ケガキが真直ぐでないと曲げが甘くなります)
2.1のケガキから181幅でケガキ線を入れる。  
ケガキ2
1と同じく指金をしっかり押え真直ぐケガく

  A曲げの調整
  ・曲げ機の押え刃位置を調整し、曲げ板との隙間を材料の厚み(1.5)に合わせます。
         (以下:曲げ機の取説より抜粋)
  押え刃位置調整

  B曲げ機への板セット
                     (以下:曲げ機の取説より抜粋)
  板のセット
  < ポイント >
   ・短辺9.5側を固定し長辺側を曲げます。                 
   逆だと曲げ途中で板が逃げケガキ通りに曲がりません。                                  
  ・天板と同じt1.5の挿み板を押え刃後端に挿みます。
   この板がないと押え刃先端が浮き、曲げが甘くなります。      
  
                       板セットのノウハウ

  C曲げ

  ・複数のしゃこ万力で、押え刃全体をしっかり押えます。 

  ・ホイールレンチを足で踏みつけ、両側のハンドルを
   少しづつ引上げ曲げます。 かなり力を要します。

  ・板中央は両端に比べ少し曲がりが悪いです。
   両端が直角まで曲がったら中央を手で押し曲げ、
   角度を揃えます。
              
  ・板厚は1.5が限界、
   これ以上はシャープに曲がりません。   





天板曲げイメージ
                                          (友人撮影写真)
                  


2.枠板加工
  @部材ケガキ・加工
  ・1mチャンネル材から前・左右面枠板用に長さ781.2の部材を切り出します。
  ・50cmチャンネル材から後面枠板用に長さ400の部材を切り出します。
  ・ケガキを入れ下図様に加工します。 切欠き部はハンドニブラーで大まかに切断後ヤスリで正確に仕上げます。
加工図


 A曲げ                                                                  

   ・前・左右面枠板は写真の要領で曲げ加工します。  
   Cチャンネル用押え刃としゃこ万力で固定します。     
   位置調整は天板同様です。
 
  ・三角定規を使って直角を確認します。
          (写真中央 下)







                       

枠板の曲げ方
                                            (友人撮影写真)


  B結合
  ・枠板加工完了状態。
   3mmビス穴を適宜加工します。
枠加工完成状態
 ・3mmビスで結合します。
  天側は皿ビスを使い天板エプロンとの干渉を回避します。
ビス止め
  ・ナットにアラルダイト(2液混合充填型接着剤)を塗り
 
 十分硬化させます。(注意:ビスには付着させない)
結合部(締付け状態)
 ・ビスを取り外してもナットが固定されており、
                 分解・組立が容易になります。
結合部(緩め状態)


3.底板加工
  @切断部ケガキ
  奥行き200の板の端から23位置にケガキを両面に入れます。
底板ケガキ
   
シャーシの奥行き180に対し底板は177とします。
   ※アンプを前から見たときに底板を見せない配慮です。


  A曲げ折り切断                       
   

  ・曲げ機のベース後端と押え刃の後端が一致する様に  
  押え刃の位置を調整します。                  

   ・ケガキ線が押え刃の後端に一致する様に取り付けます。
  挿み板は不要です。

   ・板の曲げ機寄りを押し引きし、上下に繰り返し曲げます。
  破談するまで繰り返します。

  < ポイント >
 ・板の先端部を押し引きすると曲がってしまします。
  必ず曲げ機寄りを押し引きします。

曲げ折り方
                                                                                              (友人撮影写真)


4.仮組・ビス穴他加工
  ・天板・枠板・底板をガムテープで仮組し各穴を加工します。 各板がズレ無いようにしっかり貼ります。
   天板結合用のビス穴を適宜加工します。
天板ビス穴開け
   天板は搭載トランス類と干渉しない様に皿ネジ加工します。
皿ネジ加工
   底板結合用のビス穴、ゴム足取付け穴、空気穴を適宜加工
   しますゴム足取り付け穴は底板強度上四隅に配します。
底板加工
   底板は前から見たときの見栄え性向上のため前端から
    3mm
下げて取り付けます。
底板位置
   ビス・ナットで結合後、枠板同様ナットに接着剤を塗ります
ナット接着状況



5.まとめ
    【試作結果】
                  
  ・コストは塗装を除き約3.5→3千円弱(※)、
  まずまずの見栄えで製作も容易、十分満足できる
  結果が得られました。  (※)訂正’16.09.24 

   ・部品点数が多い後枠が分解でき加工が容易です。

   ・表紙写真規模のアンプであれば補強無しでも十分な
  強度です。更に重量級のトランス類を搭載する場合でも
  適切な補強を施せば問題なく実用になると思われます。

   ・この構造で既に6台製作しました。(友人製作分含む)
   
事例:<友人製作12AV5 PP>
友人作アンプ
<完成作例>
上:400*180*47.5シャーシ
下:400*230*47.5シャーシ
何れも青色保護シール付き、未塗装状態
完成品事例
                                                              
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