東照宮に祀られている家康公の仇名は狸親父だった。それに因んだ訳でもないが、上野東照宮には四国八百八狸の総師である栄誉権現が祀られている。
この狸の木像は顔を真上に向けて座した変わった形をしたもので、元々は大奥にあったものという。数々の怪異を為したので(一説には大暴れした)大奥を追放され、その後いくつかの大名や旗本の家に渡った。
しかしそこでも数々の怪異をなしてお家断絶にまで追い込み、行く先々で祟りを起こした。大正時代に入ってから上野東照宮へ納められて、ようやく怪異を起こさなくなったという。
現在では他を抜くということで受験や商売に御利益があるとされ、信仰され続けている。
↑真上を向いた珍しい狸像。
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