道頓堀・芝右衛門たぬき伝説

 時は元禄末期。淡路の国の洲本に「芝右衛門」という名のたぬきがいました。

 この「芝右衛門」は大変な芝居好きで、三隅八兵衛という侍に化けては、大阪の道頓堀にあった中座に芝居を見に通っていました。

 ところが、ある日葉っぱの木戸銭からとうとう正体がばれてしまい、番犬に殺されてしまいました。すると不思議なことに、それまで大盛況だった中座のお客の入りが悪くなり、「たぬきの祟り」に違いないとうわさが広がりました。

 そこで中座の中に祠をたて、この「芝右衛門」を手厚くお祀りしたところ、中座にはかつてのように大勢のお客が入るようになりました。

 それ以降、「たぬき」は千客万来・商売繁盛の神様として人々から大切にされ、その伝説は今も道頓堀に残り続けています




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