狸汁粉供養


 今から七百余年前の鎌倉時代のこと。日蓮上人が現在の渋谷区神宮前あたりを通りかかったとき、小豆畑を荒すイタズラ狸が子供たちに捕まっていた。

 日蓮がその狸を助けてやると、狸はその礼として畑にこぼれた小豆を拾い集め、汁粉にして日蓮に食べさせたという。

 同寺ではこの伝説にちなんで、毎年一〇月八日に狸汁粉供養を行ってきた。狸のお面をかぶった地元の子供たちが集まり、汁粉の大鍋を囲んで学業成就を願った。

 話を聞きに行くと、現在は少子化の影響で地元の子供が集まらなくなり、狸汁粉供養は中止しているという。境内には狸伝説を物語るようにいつくかの狸像が置かれている。

妖怪愛好会隠れ里(http://www32.ocn.ne.jp/~kakurezato/index.html) より



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