◆毛無山(けなしやま):1,946m
◆所在地:静岡県富士宮市
山梨県身延町
◆山行日:2016年 5月12日(木)
◆メンバー:単独
〔登山コース〕
麓駐車場登山口―(15分)→毛無山・地蔵峠分岐―(15分)→はさみ石―(10分)→上動の滝見晴台(休憩5分) ―(35分)→レスキューポイント―(10分)→五合目(休憩10分)―(30分)→七合目―(25分)→ 富士山展望台(休憩10分)―(10分)→稜線出合―(5分)→北ア展望台(休憩10分)―(5分)→ 毛無山(休憩40分)―(10分)→北ア展望台(休憩5分)―(15分)→丸山下降点―(20分)→ 第二地蔵峠(休憩10分)―(10分)→地蔵峠―(15分)→水場―(55分)→滝―(10分)→ 比丘尼の滝―(10分)→毛無山・地蔵峠分岐―(10分)→麓駐車場登山口
〔所要時間〕 6時間45分
歩行=5時間15分
休憩=1時間30分
毛無山は日本二百吊山の一座。富士山の西、静岡・山梨県境を南北に走る天子山地で最も高い山です。
富士山や南アルプスの眺望がいいというので、以前から天気のいい日に登りたいと思っていました。
今回は単独行です。
新富士ICから国道139号線を北上。朝霧高原グリーンパーク入口を左折して約1.5kmのところにある 自然体験・宿泊施設 『ふもとっぱら』 の方へ向かいます。その施設の手前に登山者用の無料駐車場が あるのですが、ここからだと登山口まで15分弱かかります。そこで私は施設を過ぎて約500m・終点 にある広い有料駐車場を利用することにしました。
備えつけの小さな封筒に、日にちと車両番号、利用者人数を書き、料金(1日500円)を入れてポストに 投函します。
私が到着したのはまだ朝7時前でしたが、すでに5台の車が止まっていました。
毛無山
朝から素晴らしい青空が広がっていました。
国道139号線を北へ走って行くと天子山地の山が見えてきます。その中にめざす毛無山が そびえていたので車を止めてシャッターを切りました。
中央の高い山が毛無山です。
麓駐車場・登山口
登山口は駐車場の入口のところです。
鎖のゲートを入ってすぐのところに麓宮があったので登山の無事を祈願。 麓金山精錬所後を右に見て進み、案内にしたがって涸れ沢をわたって山道に取りつきます。
〔麓駐車場・登山口 発=6:55〕毛無山・地蔵峠分岐
山道に取りつくとすぐに分岐があります。
直進すると地蔵峠への道ですが、毛無山への直登コースは右の道を行きます。
〔毛無山・地蔵峠分岐=7:10〕はさみ石
初めは椊林帯ですがすぐに雑木の林に変わります。
《一合目》 の標識を過ぎると 《はさみ石》 という案内板がありました。
ロープもある岩場で、両側の岩で狭くなっているのではさみ石というのでしょうか。
〔はさみ石=7:25〕岩場と急登
再び岩場が現れました。このあともロープが設置された岩場がたくさんありました。 しかし、難しい岩場ではなく普通に登って行ける岩場です。
とはいえ、この後もずーっと稜線に出るまで急登が続きます。
上動の滝
分岐から25分、上動の滝見晴台に着きました。
休憩していた先客に場所を譲ってもらい上動の滝の写真を撮ります。 落差100mということなので大きな滝ではありますが、離れて見ることになるので、残念ながら 迫力は感じられませんでした。
〔上動の滝=7:35~7:40〕三合目
このコースには合目を表す標識が設置されています。
ほぼ等間隔に設置されているようなので登ってきた位置がわかり励みにもなるかな。
〔三合目=7:50〕樹間に見る富士山
登山道はほとんど眺望がありません。
樹間に富士山の影は見えるものの、展望はお預けの状態で登っていかなければなりませんでした。
五合目
出発してちょうど1時間半、やっと五合目に着きました。
ここで休憩をとります。
案内標識に、『マツダランプ』 と書かれているので古いものなんでしょうね。
〔五合目=8:25~8:35〕八合目上で山ガールに追い越される
八合目を過ぎたところでボランティアをしているこの山の管理人という方に出会いました。 もうじき富士山展望台で、その下の岩場にコイワザクラが咲いていると教えてくれました。
早く見たいなあと思って歩いていると、あとからきた山ガールに追い越されました。
ぐいぐい登って行きます。若いっていいですねえ。
富士山展望台
やっとのことで富士山展望台に着きました。南西側に突き出た岩が展望台です。
山ガールは休憩せずに行ってしまったので、この雄大な景色を私が独り占めすることになります。
右手遠くには駿河湾があり、その奥には伊豆の山々も見えていました。
〔富士山展望台 着=9:30〕
コイワザクラ
コイワザクラは西側の崖下10mくらいのところに咲いていました。
薄桃色のきれいな花ですが、管理人さんに聞いていなければ多分見過ごしていたことでしょう。
すぐそばまでは行けないので、3mくらい降りたところからズーム撮影しました。
〔富士山展望台 発=9:40〕稜線出合
九合目を過ぎると傾斜も緩やかになり、展望台から10分ほどで稜線に出ました。やれやれです。
〔稜線出合=9:50〕北アルプス展望台
稜線出合を山頂方向へ右折して1・2分行ったところに北アルプス展望台がありました。
この岩が展望台になっています。
〔北アルプス展望台 着=9:55〕
南アルプスの大展望
北アルプス展望台とのことですが、実際には南アルプス展望台といった方がいいでしょう。
南から北まで南アルプスの山々が一望にできるのです。
この写真は塩見岳まですすが、この右に白根三山、甲斐駒ケ岳、鳳凰三山が続きます。
白根三山
左から農鳥岳、間ノ岳、北岳。
やはり白根三山そろい踏みはみごとです。
仙丈ヶ岳は見えませんが、この右に甲斐駒ケ岳、鳳凰三山が続き、さらに八ヶ岳、瑞牆山・金峰山、 茅ヶ岳が見えていました。
北アルプスの展望
さて北アルプスですが、鳳凰三山の右手、八ヶ岳との間のずーっと遠くに白く見えていました。
明確な山座同定はできませんが、どうやら鹿島槍ヶ岳から白馬岳方面の山ではないでしょうか。
戻るときに再会した管理人さんによると、今日はラッキーで、普段この北アルプスは なかなか見られないそうです。
〔北アルプス展望台 発=10:05〕毛無山(1,946m)
緩やかな稜線の道を歩いて毛無山山頂までやってきました。1等三角点が設置された山頂です。
途中35分の写真撮影休憩も含めてですが、3時間15分かかったことになります。
〔毛無山 着=10:10〕山頂から富士山の眺望
毛無山山頂からも雄大な富士山がすそ野まですべて見えていました。
草原に腰をおろし、富士山の姿を眺めながら早めの昼食タイムとしました。 これぞまさに至福の時。
山頂にはおよそ40分ほどのんびりしていました。地蔵峠経由で帰ります。
〔毛無山 発=10:50〕
第二地蔵峠
帰りにも北ア展望台に立ち寄って神奈川の2人連れと話をしながらアルプスを眺めました。
丸山下降点を経て第二地蔵峠まで下ってきました。ここからも富士山がよく見えます。
第二地蔵峠は山梨県の湯之奥集落、下部温泉へ下る分岐点なっています。
〔北ア展望台=11:00~11:05〕
〔丸山下降点=11:20〕
〔第二地蔵峠=11:40~11:50〕地蔵峠
地蔵峠までは10分もかかりませんでした。
峠には小さなお地蔵さんが祀られています。
さて、ここからは急坂を下って行くことになります。
〔地蔵峠=12:00〕水場
ロープも設置された急坂、ガラ場のような登山道を下ります。
15分ほどすると小滝のような水場がありました。
この下で最初の渡渉をします。
〔水場=12:15〕新緑と渡渉
新緑の中を歩き、何度も渡渉を繰り返します。
ここは4回目くらいの渡渉地点だったと思います。
岩場斜面のトラバース
岩場の斜面をトラバースするところもありました。
ロープも設置されていますし簡単にクリアできます。
〔岩場斜面のトラバース=13:00〕滝
金山沢沿いに下って行くと、終始ゴーゴー、ザーザーという感じで沢音が響きわたっていました。
水勢が強く、水量も多い沢のようです。
比丘尼(びくに)の滝はまだかなあと思いながら下ってくると写真のような滝がありました。 残念ながら看板もないこの滝は比丘尼の滝ではありませんでした。
〔滝=13:10〕比丘尼の滝
再度岩場斜面のトラバースがあり、10分ほど下ったところに滝がありました。
今度こそ比丘尼の滝でした。
〔比丘尼の滝=13:20〕渓谷の渡渉
金山沢は変化にとんだ渓谷です。
比丘尼の滝以降も2度ほど渡渉します。
この日は大丈夫でしたが、大雨が降ると渡渉できなくなるので注意が必要だとのことです。
麓登山口に戻る
比丘尼の滝から10分ほどで毛無山・地蔵峠分岐まで下り、往路を登山口まで戻ってきました。
駐車場では、料金の領収印が押された封筒が車のワイパーにはさんでありました。
〔毛無山・地蔵峠分岐=13:30〕
〔麓登山口駐車場=13:40〕
毛無山はなかなかきつい山でした。
この山はずっと急坂が続く山なので、急いで登ろうとするとすると疲れます。 歩行距離はそれほど長くないので、あくまで自分のペースを守って登るのがいいと思います。
登った人のレポを見ると速い人から遅い人まで実績タイムに大きな差があります。
また、ガイドブック 『分県登山ガイド 静岡県の山』 に記載されたコースタイムは4時間45分で、 実際このくらいの時間で登ってきている人もいます。一方、『ヤマプラ』 によるコースタイムは 6時間15分ですから1時間半も差があるのです。
ちなみに私の実所用時間は5時間15分でしたから両者の真ん中くらいのペースということですね。
それはともかく、毛無山は富士山や南アルプスなどの眺望がよく、地蔵峠から金山沢を下ってくる コースも変化に富んでいておもしろい山でした。
いいお天気の日を選んで登ってくるといい、お勧めの山です。
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