◆有明山(ありあけやま): 2,268m
◆所在地:長野県安曇野市、松川村
◆山行日:2015年11月 4日(月)
◆メンバー:馬籠のKさん、中津川のOさん & Mota
〔登山コース〕
中房温泉第3駐車場登山口―(15分)→三段ノ滝分岐―(35分)→途中休憩(5分)―(10分)→変曲点標識 ―(15分)→岩場トラバース―(30分)→標高2000m・大岩下(休憩5分)―(40分)→清水岳・有明山分岐 (休憩5分)―(30分)→北岳・有明山社(休憩10分)―(5分)→有明山山頂三角点―(5分)→中岳・ 有明山神社奥社(休憩5分)―(10分)→南岳(休憩30分)―(10分)→中岳 ―(10分)→山頂三角点(休憩5分)―(5分)→北岳・有明山社―(20分)→ 清水岳・有明山分岐―(15分)→七合目・岩場(5分)―(40分)→変曲点標識―(30分)→三段の滝分岐 ―(5分)→三段ノ滝―(5分)→樽沢ノ滝―(5分)→第2駐車場登山口―(10分)→第3駐車場登山口
〔所要時間〕7時間00分(歩行時間=5時間50分、休憩=1時間10分)
『中房温泉から登るルートなら比較的短時間で登れそうなので有明山へ一緒に行きませんか』 と 馬籠のKさんからお誘いがありました。わが家からは遠く日帰りにはぎりぎりの山ですが、 中津川で待ち合わせてあとは乗せて行ってくれるというお言葉に甘えて同行させてもらうことにしました。
他の山行予定もありましたが調整し、天気のいい日を選んで行ってきました。 今回のメンバーは中津川のOさんも加わって3人です。
有明山は松本から大町方面へ行くときに西側にそびえて見える山で信濃富士とも呼ばれるそうです。
なかなか存在感のある山なので機会があれば登ってみたいと思っていたのです。
安曇野ICを降りて約28km、中房温泉の国民宿舎有明荘奥にある安曇野市営第3駐車場まで行きます。
裏参道中房温泉第3駐車場登山口
第3駐車場には5台ほど車がありましたが平日なのでまだ余裕です。
駐車場のすぐ奥にある裏参道登山口から出発します。 案内板には、『登山道がじゅうぶん整備されていず険しい山です』 と書かれていました。
〔第3駐車場登山口 発=8:15〕カラマツの黄葉
初めは黄葉したカラマツ林を登って行きます。
登山道は最初から急登を強いられました。それでもカラマツの落ち葉がふかふかの クッションとなって歩きやすい道ではあります。
三段ノ滝分岐
出発して15分ほど行くと分岐がありました。
左へ行くと三段ノ滝への道のようです。帰りに行ってみることにします。
〔三段ノ滝分岐=8:30〕急登は続くーよどーこまでもー♪♪
登山道はよく歩かれている感じのいい道でした。
しかしながらこの急登の連続には辟易とします。
出発して50分ほど登ったところで小休憩としました。
〔途中休憩=9:05~9:10〕変曲点の標識
口数も少なくなり黙々と急登をこなしていきます。
標高1800mを越えたあたりで右に曲がる案内標識がありました。 ごていねいに90度に折り曲げられた鉄板製の標識です。
ここからはややトラバース気味の登山道になります。
〔変曲点の標識=9:20〕最初の鎖場・岩場のトラバース
変曲点から15分ほど行くと山腹に傾斜が80度くらいの岩場に出ました。
この岩の下部にはボルトが打ち込まれていますので、鎖をつかみボルトを足場として越えて行きます。
〔最初の岩場=9:35〕常念山脈の眺望
岩場のトラバースを過ぎて再び登りにかかると右手の眺望が開けました。
今秋初かどうかわかりませんが、常念岳から大天井岳(おてんしょうだけ)に続く冠雪した峰が白く輝いています。
悪路の急登が続く
随所にロープが設置されているなど登山道として手が入れられていて明瞭です。
しかしながら木の根がむき出しになった悪路が続きます。それにしてもこの急坂はいかがなものかと 愚痴も出るところです。
心を癒してくれる眺望
急登の連続で折れそうになる気持ちを癒してくれるのが時々樹間に見える眺望です。
青空を背景とした常念岳や大天井岳の雄姿に慰められながら登りました。
このあとも急登が続き平坦な踊り場もありません。
やむをえず標高2000m付近の大岩下の斜面で小休憩をとりました。
〔標高2000m・大岩下=10:05~10:10〕七合目岩場
急登、梯子場を越えて行くと七合目を示す石柱がある岩場に出ました。 この写真の先が切れ落ちた5mくらいの岩場です。
岩場を降り切ったところで有明山の北岳から南岳までの山頂稜線が初めて姿を見せてくれました。
〔7合目岩場=10:30〕清水岳・有明山分岐
7合目以降も急登が続きました。いわゆる胸突き八丁を登り切り、ようやくにして清水岳・有明山分岐の 稜線までやってきたわけです。
〔清水岳・有明山分岐=10:50~10:55〕
眺望(1)常念岳から大天井岳
稜線まで上がってくると木々の間からの眺望が開けました。
分岐から山頂まで登って行く間の眺望を、南から西、北へと順に紹介します。
まずは常念岳から大天井岳。
常念岳
常念岳(2,857m)をズームアップ。
いい形をしています。
東天井岳(左)と大天井岳(右)
青空に朝日を浴びて輝く東天井岳(2,814m)と大天井岳(2,922m)をズームアップ。
燕岳を中心に表銀座の山並
西方向には燕岳を中心に表銀座の山並が見えます。
稜線の中央が燕岳(2,763m)です。
燕岳をアップで
ズームアップすると燕山荘も見えます。
左から燕山荘、燕岳、北燕岳(2,723m)です。
北方向に見る鹿島槍ヶ岳、白馬岳
燕岳から北方向に目を転じると後立山連峰です。
この夏に登った鹿島槍の姿が印象的です。
鹿島槍ヶ岳・白馬岳
鹿島槍ヶ岳や白馬岳なども山頂部一帯は真っ白です。
一番左が双耳峰の鹿島槍ヶ岳南峰、その右が北峰です。
五竜岳はこの写真ではわかりづらいですが、鹿島槍北峰の右肩の上に少しだけ頭を出しています。
そして右の2つのピークは白馬鑓ヶ岳と白馬岳でしょう。
妙高三山
鹿島槍のさらに右手、北北東の方向には上信越の山が見通せます。
左から焼山(2,400m)、火打山(2,462m)、妙高山(2,454m)が並んでいました。
有明山・北岳山頂
稜線に出てから見え隠れする山々の眺望に見とれ、写真ばかり撮っていました。山頂のすぐ下からの 眺望が一番いいようです。
ようやく登りついた有明山北岳山頂には避雷針を兼ねているというステンレス製の鳥居が建っていました。
〔有明山・北岳山頂 着=11:25〕有明山社
北岳山頂には松川村の有明山社の祠が建っています。
無事登ってくることができたことに感謝しお参りしました。
次に北岳のすぐ南にあるという山頂三角点を経て中岳へ向かいます。
〔有明山・北岳山頂 発=11:35〕
〔有明山・山頂三角点=11:40〕中岳・有明山神社奥社
北岳から三角点を通り中岳山頂までやってきました。
ここには安曇野市の有明山神社奥社がありました。
2回目のお参りをします。
この山頂も南西側や東側、さらに南東方向も開けた眺望のいいところでした。
〔有明山・中岳山頂 着=11:45〕富士山と南アルプス
南には安曇野、松本平を見下ろします。何とその先に富士山と南アルプスも見えるではありませんか。
富士山までは期待していなかったのでラッキーです。
その右の南ア・北岳、間ノ岳も加えて 標高トップ3のサミットが一度に見られたのです。
八ヶ岳
富士山や南アルプスが見えるのですから八ヶ岳が見えるのは当然です。
八ヶ岳の北から南までそろい踏みです。
昼食は南岳でとることにして出発します。
〔有明山・中岳山頂 発=11:50〕南岳・有明山神社奥社
南岳まで行く人は少ないのかもしれません。
薮をかき分けて10分、やってきた南岳にも祠が建っていました。
この祠も有明山神社奥社のようです。
本日3回目のお参りをし、場所をお借りして昼食タイムにしました。
〔南岳・有明山神社奥社 着=12:00〕北東側の眺望
南岳山頂は東から北東への展望が開けていました。
写真は、北東に見える左から妙高山、黒姫山(2,053m)、飯縄山(1,917m)です。
さて、腹ごしらえもしたので下山にかかることにします。
〔南岳・有明山神社奥社 発=12:30〕三角点で有明山登頂記念写真
まだ有明山登頂の証となる写真を撮っていませんでした。 そこで2等三角点のある山頂まで戻り、3人で登ったぞという記念写真撮影をしました。
さて、北岳まで戻り一気に下山にかかります。
〔有明山山頂三角点=12:50~12:55〕
〔有明山北岳山頂=13:00〕激下りの連続
途中、岩場の上の七合目で小休憩をとり、一気呵成に下ります。
よくもまあこんな急坂を登ったものだとあきれながら下ってきました。
木の根につまずいたり滑ったり、2度ばかり尻もちをつきそうになりました。
〔七合目=13:35~13:40〕三段ノ滝(左)と樽沢ノ滝(右)
ようやくのことで三段ノ滝分岐まで戻ってきました。せっかく来たので三段ノ滝へ立寄ることにします。
三段ノ滝は少し離れているので写真でははっきりしませんが確かに三段に落ちる滝です。 さらに下ったところにある樽沢ノ滝の方が立派な滝でした。
〔三段ノ滝分岐=14:50〕
〔三段ノ滝=14:55〕
〔樽沢ノ滝=15:00〕第3駐車場登山口へ戻る
樽沢の滝から下ると中房温泉第2駐車場登山口に降り立ちます。
舗装道路を下って出発した第3駐車場登山口まで戻ってきました。
北岳山頂からの下りは2時間15分でした。急坂下りで重い疲れが膝にたまったような感じがします。
〔第3駐車場登山口 着=15:15〕
馬籠のKさんに、『簡単に登れそうだから』 とそそのかされて行ってきましたが有明山は想像以上に きつい山でした。でも1回は登って搊はない山だと思います。
登山口の標高1360mから清水岳分岐の稜線2140mまで標高差780m。 ずっと急登といっていいでしょう。俗に胸突き八丁といいますが最初から最後まで 胸突き八丁といった感じでした。
ちなみに計算すると、水平距離2.24kmですから、tanθ=780/2240 =0.348、平均勾配は19.2°となり、これまでに私が登った山で1・2を競う急勾配の山だったことが わかります。
苦労して登っただけに眺望のご褒美は格別でした。南西側から北西へ、常念岳、大天井岳、燕岳。 そして北へ鹿島槍ヶ岳・白馬岳の後立山、さらに妙高三山。南にある八ヶ岳や富士山や南アルプスまで 快晴の下に広がる眺望はたとえようもありません。 特に、数日前に降った雪をいただく山々はわれわれのためにお化粧直しをして登場してくれたみたいでした。
さりながら、この険しい急登を思うと、もう一度行きますかと問われても躊躇を禁じえません。 そう思うのは決して私一人だけではないと思いますよ。
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