◆丹沢山(たんざわさん): 1,567m
塔ノ岳(とうのだけ): 1,491m
◆所在地:神奈川県秦野市・山北町・清川村
◆山行日:2015年10月25日(日)
◆メンバー:単独
〔登山コース〕
戸沢山荘登山口―(85分+休憩5分)→政次郎ノ頭(休憩5分)―(5分)→書策小屋跡(休憩5分)―(15分) →新大日茶屋―(10分)→木ノ又小屋―(35分)→塔ノ岳(休憩25分)―(20分)→日高―(15分) →竜ヶ馬場(休憩5分)―(20分)→丹沢山山頂(休憩15分)―(20分)→竜ヶ馬場―(10分)→日高―(30分) 塔ノ岳(休憩10分)―(20分)→木ノ又小屋―(10分)→新大日茶屋(休憩10分)―(10分) →政次郎の頭―(55分)→戸沢山荘登山口
〔所要時間〕7時間20分(歩行時間=6時間00分、休憩=1時間20分)
丹沢山は関東に住む人たちにとってはなじみ深い山のようです。そのため、ハイキングに行く人や 山を始めようとする人が最初に出かける山だとも聞きました。
しかし、われわれのような遠くの人にとっては行くのに決心がいるし、利用する登山口やルートに ついてもその選択が難しいのです。そこでガイドブックやネット情報を入手していろいろな角度 から検討してみました。その研究の結果、日帰りで短時間に登ってこられるルートとして 戸川林道を詰めた戸沢山荘の登山口から政次郎尾根を登り、塔ノ岳から丹沢山まで行って往復する コースを選択することにしました。
また、丹沢山はヤマヒルが多いと聞きました。そのため秋も深まる10月末まで待って出かけました。
大井松田ICで降り、秦野市の滝沢園キャンプ場から先で戸川林道に入ります。この林道は 戸沢山荘までの4.5kmの区間は砂利道ですが軽自動車でも走行に問題はありませんでした。
戸沢山荘前の駐車場
林道を低速で走り戸沢山荘前の駐車場に到着しました。
このあたりはキャンプ場でもあり、駐車場は河川敷のようなところです。 森林育成基金として300円をお願いする募金箱がありました。
登山口休憩所
戸沢山荘から上ったところに休憩所の建物がありました。登山ポストはここにあると 聞いていましたが見当たりませんでした。
この休憩所のすぐ先で道が分岐するところが登山口です。
〔登山口休憩所 発=7:25〕登山口指導標
登山口指導標の案内にしたがってこの分岐を右に行きます。
沢をわたる
登山口から少し登った地点で左岸から右岸に沢を渡渉します。
政次郎尾根と天神尾根の分岐
沢をわたって数十メートル先に分岐がありました。
直進(左)する道が天神尾根ルート、右への道がこの日利用する政次郎尾根ルートです。
帰りに天神尾根を下ってきてもいのですが、荒れた道だと聞いたので政次郎ルートでピストンする ことにします。
急登する登山道
距離が短く短時間で登れるということで政次郎尾根ルートを選択しましたが当然のことながら 急坂続きでした。
それだけに高度は稼げます。
丸太の土止め階段が設置されているところが多いので道迷いの心配はありません。
樹間から木ノ又大日方面を望む
政次郎尾根ルートはところどころ荒れたところがあるものの問題なく歩ける登山道でした。
ずっと続くヒノキの樹林帯を登って行くと左手上に稜線が見えました。 木ノ又大日あたりではないでしょうか。
このあと標高1000mを越えると少し勾配が緩み、1100mから先は明るい雑木林に変わります。
〔途中休憩=7:50~7:55〕政次郎ノ頭
登山口から政次郎ノ頭まで計画通り1時間30分で登ってきました。
ここは表尾根に出たところの鞍部で政次郎ノ頭は写真の右手(東)へ50mくらい行ったところ にあるピークです。
せっかくなので行ってみることにします。
〔政次郎ノ頭 着=8:55〕政次郎ノ頭から望む富士山
快晴の空のもと、政次郎ノ頭からはすっきりとした眺望が広がります。
まずは富士山。ずっと林の中を登ってきただけに感動的なご対面でした。
政次郎ノ頭から見た箱根の山々
南側には箱根の山々がよく見えます。
中央の一番高い山が神山かあるいは駒ヶ岳、右手の最高点が金時山だと思われます。
まだ先が長いので5分間の写真撮影休憩ののち出発することにしました。
〔政次郎ノ頭 発=9:00〕書策小屋跡
表尾根はたくさんの人が利用するのでしょう政次郎尾根よりもいい道でした。
5・6分行くと見晴らしのいい平坦地に着きました。
書策小屋があった所のようで ベンチとテーブルがあります。エネルギーと水分補給タイムをとることにしました。
〔書策小屋跡 着=9:05〕江の島が見えた!
山ヤとしてはまずは山に目が行きますがここからは海が見えるのです。
朝日に輝く相模湾に江の島が浮かび、三浦半島とその先に房総半島がくっきりと見えていました。
〔書策小屋跡 発=9:10〕新大日茶屋
左手に秦野市街や相模湾を見下ろしながら登って行くと新大日小屋に出ました。
外にベンチなどが設置されていますが、この小屋はだいぶくたびれている感じで営業はしていないようです。
〔書策小屋跡 発=9:25〕竜ヶ馬場と丹沢山
新大日茶屋からはいったん下ります。
右手の樹間に丹沢主脈の山並が見えます。
写真中央の緑の帽子の山が竜ヶ馬場、そのすぐ右に見えるのが丹沢山だと思われます。
木ノ又小屋
坂道を登り返すときれいな小屋が建っていました。
この木ノ又小屋は営業していました。
コーヒー300円、ビール500円、などの品書きが 小屋の外壁看板に書いてありました。
〔木ノ又小屋=9:35〕正面に塔ノ岳が迫る
木ノ又小屋からはプロムナード気分で歩ける道でした。
山頂に尊仏山荘が建つ塔ノ岳が正面に構え、左手の方には富士山が顔をのぞかせています。
ここからいったん鞍部に下がって塔ノ岳に登り返します。
塔ノ岳山頂(1,491m)・尊仏山荘
表尾根の塔ノ岳手前はザレた急登の道でした。
登りきったところが塔ノ岳の山頂です。
この山頂一帯は広くてなだらかな丘のようになっていて、奥の方には尊仏山荘が建っていました。
日曜日ということもあるでしょうが大勢の登山者が休憩しています。
〔塔ノ岳山頂 着=10:10〕
富士山を望む
まずは富士山の撮影。
先日初冠雪があり、上の方が少しだけ白く輝いていました。
記念写真を撮るためこの山標のところには入れ替わりたち替わり登山者がやってきます。
そこでやむをえず、『すみませーん、ちょっとだけ富士山を貸しくださーい!』 と叫んで 立ち退いてもらい急いで写真を撮りました。
歩いてきた道と大山・三ノ塔
おなかがすいたのでおにぎりをかじりながら東側の写真を撮りました。
政次郎ノ頭から歩いてきた表尾根の稜線がきれいに見えます。 そしてその奥にある堂々とした山体が大山です。
また、ヤビツ峠からのルートは右手の三ノ塔を越えてくることになります。
丹沢主脈の山々
塔ノ岳の山頂は最も眺望に恵まれたところでしょう。
富士山の右手奥には南アルプスや奥秩父の山並も見られますし、北側にはこれから訪ねる丹沢山など 丹沢主脈の山々も一望にできるのです。
本当は丹沢最高峰の蛭ヶ岳まで行けるといいのですが時間的に無理です。
丹沢山を最終目的地として出発しました。
〔塔ノ岳山頂 発=10:35〕
日高(ひったか 1461m)
塔ノ岳から蛭ヶ岳までの道は丹沢主脈線といわれ木道や木の階段もありますが総じて気持ちよく歩ける稜線です。
塔ノ岳からはいったん100mくらい急降下したのち日高へ60mくらい登り返しました。
〔日高=10:55〕竜ヶ馬場への道
竜ヶ馬場への木道を行きます。
正面に竜ヶ馬場、左奥にフ動ノ峰(1,614m)を、そして左手には富士山を見ながら登って行きます。
竜ヶ馬場(1,504m)
竜ヶ馬場の本当のピークはもう少し先ですが、その手前の小広場に竜ヶ馬場という表示があり ベンチとテーブルが備えられていました。
東側に大山など展望が開けた場所です。
〔竜ヶ馬場=11:10~11:15〕丹沢山への道
竜ヶ馬場までくれば丹沢山はもう近いでしょう。笹の道を緩く下り丹沢山へ向かいます。
めざす丹沢山(1,567m)は右の山です。
丹沢山頂から望む富士山
塔ノ岳を出発してちょうどコースタイムの1時間で丹沢山山頂に到着しました。
ここでも富士山をちょっと貸してもらって撮影しました。
丹沢山はここ以外にほかの景色の眺望はほとんどありません。
〔丹沢山山頂 着=11:35〕丹沢山頂で休憩する人たち
山頂には20人くらいの人たちが休憩していました。 塔ノ岳山頂よりもだいぶ人数は少ないようです。
私もここでみなさんに混じって昼食タイムとしました。
おなかを満たしたところで引き返すことにします。
〔丹沢山山頂 発=11:50〕竜ヶ馬場と塔ノ岳を正面に見て
丹沢山からは東京の同年代の男性に山座同定してもらいながら一緒に歩いてきました。
正面左が竜ヶ馬場、右が塔ノ岳です。
またところどころで顔を見せる富士山を眺めながらの気持ちのいい稜線歩きでした。
〔竜ヶ馬場=12:10〕
〔日高=12:20〕塔ノ岳へ戻る
行きと同様丹沢山から塔ノ岳まで1時間で戻ってきました。
帰ってきて驚きました。以前より登山者の数が大幅に増えていたのです。
絶好の展望台なので塔ノ岳を目的地として登ってくる人が多いのでしょう。
〔塔ノ岳山頂 着=12:35〕見紊めの富士山
丹沢山から一緒に戻ってきた東京の男性と二人で、今日一日すばらしい眺望に恵まれた山旅について 語り合いました。
塔ノ岳山頂からは富士山も蛭ヶ岳、丹沢山、そして遠く南アルプスや奥秩父の山々も見紊めです。 東京の男性に別れを告げて下山にかかります。
〔塔ノ岳山頂 発=13:00〕戸沢山荘登山口へ戻る
塔ノ岳からも往路を戻ります。
表尾根でこれから登るという人に数人出合いました。その中の一人は、『これから登って戻ってくる予定ですけど ちょっと心配です』といって登って行きました。多分大丈夫でしょうけどね。
政次郎ノ頭からは快調に下り、結局、計画した時間よりも1時間近く早く登山口に戻ってくることができました。
〔木ノ又小屋=13:20〕
〔新大日茶屋=13:30~13:40〕
〔政次郎ノ頭=13:50〕
〔戸沢山荘登山口 着=14:45〕
丹沢山と塔ノ岳。遠くまで遠征し、日帰りで登ってくるルートとしては今回の戸沢山荘起点・政次郎尾根コース は正解だったと思います。 政次郎尾根が登り1時間30分、下りは55分とコースタイムよりも短時間で済んだのが効果的でした。
関東地方の人気の山だけあって富士山を始め眺望が素敵でした。表尾根も丹沢主脈の稜線歩きも 実に快適です。ただ、日曜日ということもあり登山者が多いのにはびっくりしました。 何度も何度もすれ違いで道を譲ったり譲られたり、そして塔ノ岳山頂は100人くらいの人で埋まっていました。
大倉尾根を塔ノ岳をめざして登ってくる人が多いようで、丹沢山まで行く人は3分の1くらいでしょうか。
大倉から塔ノ岳まではコースタイムで3時間余り、標高差1200mだそうですからちょうどいい 登山ということなのでしょう。
今回私が歩いてきたコースは、 歩行距離11.5km、歩行時間は6時間ちょうどで27,000歩の行程でした。 いずれにしても1日中いいお天気で眺望に恵まれました。いい山行ができ、遠くまで出かけて行ってよかったと 思っています。
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