◆鹿島槍ヶ岳(かしまやりがたけ):2,889m
爺ヶ岳(じいがたけ):2,670m
布引岳(ぬのひきだけ):2,683m
◆所在地:長野県大町市、富山県立山町
◆山行日:2015年 7月30日(木)~7月31日(金)
◆メンバー:単独
〔登山コース〕
〔1日目〕
扇沢駅駐車場―(10分)→登山口―(55分)→八ツ見ベンチ(休憩5分)―(25分) →ケルン(休憩5分)―(75分)→石畳―(25分)→石ベンチ(休憩5分)―(25分)→富士見坂― (25分)→種池山荘(休憩30分)―(55分)→爺ヶ岳南峰(35分)―(20分)→中央峰(休憩15分)―(45分)→ 冷乗越―(15分)→冷池山荘(泊)
〔2日目〕
冷池山荘―(60分)→布引岳(休憩5分)―(40分)→鹿島槍ヶ岳(休憩20分)―(35分)→布引岳(休憩5分) ―(35分)→冷池山荘(休憩25分)―(15分)→冷乗越―(75分)→爺ヶ岳南峰(15分)―(25分)→ 種池山荘(休憩30分)―(40分)→石畳―(25分)→駅見岬(休憩5分)―(25分)→八ツ見ベンチ(休憩10分) ―(30分)→登山口―(15分)→扇沢駅駐車場
〔所要時間〕 詳細ルート地図はこちら 〔ヤマレコ・鹿島槍ヶ岳〕〔1日目〕7時間50分(歩行時間=6時間15分、休憩=1時間35分)
〔2日目〕8時間55分(歩行時間=7時間00分、休憩=1時間55分)
かつて立山、剱岳、白馬岳などに登ったときに見た鹿島槍ヶ岳に一度は登ってみたいと思っていました。
なまえもいいですが特徴ある双耳峰が山座同定に役立つ山でもあります。
北アルプスの中では登りやすい山といわれ、しかもコバイケイソウやチングルマなどお花畑を 歩く山道は魅力的だと聞きました。
梅雨明けを待ち花が見ごろの7月末に行くことにしました。
前日に大町市のトロリーバス扇沢駅の無料駐車場で車中泊し、翌朝柏原新道を種池山荘まで登り爺ヶ岳を経由 して冷池山荘に1泊。 2日目は冷池山荘から鹿島槍ヶ岳をピストンし、種池山荘から往路と同じ柏原新道を戻る計画です。
1日目
大町市営無料駐車場
扇沢駅下の無料駐車場は常にほぼ満車のようです。
長い柏原新道をゆっくり登ろうと考え早朝に出発します。
〔大町市営無料駐車場 発=5:40〕登山口
登山口は駐車場から10分ほど戻ったところにあります。
あらかじめ用意してきた登山届を係のおじさんに提出して入山します。 行程などをしっかりチェックされました。
〔登山口=5:50〕八ツ見ベンチ
登山口からずっと急坂を登り八ツ見ベンチに着きました。下方に扇沢駅と駐車場が見えます。
1時間登ってきたのでここで最初の休憩。ただ、ここまでも時々立ち休みして水分補給しています。
〔八ツ見ベンチ=6:45~6:50〕ケルン
まだまだ急登が続く道をケルンまで登ってきました。
急ぐ必要もないので再び水分補給をします。
〔ケルン=7:15~7:20〕石畳
ここまで急登を強いられてきましたが石の道に変わるころから少しずつ勾配が緩やかになってきました。
石が敷き詰められたような道だなあと思ったら 《石畳》 という案内標が設置されていました。
〔石畳=8:35〕石ベンチ
石畳を過ぎると次第に楽な道に変わります。
《水平道》 《水平岬》 《包優岬》 というような案内標が現れることからも紊得できます。
《石ベンチ》 というのがあったので小休憩することにしました。
〔石ベンチ=9:00~9:05〕鉄砲坂
石ベンチ以降も急坂はありませんが、アザミ沢、ガラ場があり雪渓も横断します。
そして 《富士見坂》 を過ぎて少し行った先から再び急登となりました。
案内標を見ると 《鉄砲坂》。なるほど急坂のイメージがします。 こういうところは 《あと一息坂》 とでもしてくれるといいのではないでしょうか(?)
〔鉄砲坂=9:40〕種池山荘
鉄砲坂を登ること10分余り、種池山荘に着きました。
今年は当たり年だというコバイケイソウやそのほかの花々が競い合って咲き登山者を歓迎してくれているようです。
あいにくの曇り空ですが花を楽しみ30分休憩してから爺ヶ岳をめざします。
〔種池山荘=9:55~10:25〕ライチョウ
爺ヶ岳への中腹でライチョウに出会いました。
前を歩いていた2人の男性が見つけて教えてくれたのです。 ガスがかかった日なのでライチョウが出てくるのではないかと思っていたとおりでラッキーでした。
爺ヶ岳南峰山頂(2,660m)
種池小屋から1時間弱で爺ヶ岳南峰(2,660m)まで登ってきました。 ここで昼食タイムとします。
今日の天気は 『曇りたまに晴れ』。暑くも寒くもないので山頂では寝っ転がって休憩している人も いました。
〔爺ヶ岳南峰=11:20~11:55〕爺ヶ岳中央峰山頂(2,670m)
昼食をすませ爺ヶ岳中央峰(2,670m)に立寄りました。
頂上に登らずに巻き道もありますが、爺ヶ岳の最高地点がある中央峰なので足跡を 残しておきたいと思ったのです。
〔爺ヶ岳中央峰=12:15~12:30〕冷乗越(つべたのっこし)・赤岩尾根分岐
西から吹き上げる風に乗ってガスがわいてきました。
私と同じく冷池山荘泊りだという5人と一緒に先を急ぐことにしました。
道のりが長く感じられましたがようやく冷乗越までやってきました。 赤岩尾根分岐だからでしょうか、赤い岩が積んでありました。
〔冷乗越=13:15〕冷池山荘(つべたいけさんそう)
計画では冷池山荘到着は午後2時過ぎとしていました。しかし、早立ちしたこともあって午後1時半に 着きました。
出発して7時間50分、標高差1200m以上登ってきて疲れたので夕食まで寝っ転がって過ごしました。
〔冷池山荘 着=13:30〕
2日目雲上のご来光
早立ちの予定を組んでいたので山小屋での朝食は予約しませんでした。 持って行ったパンとジュースの軽食をとり、4時45分明るくなり始めると同時に出発しました。
今日は昨日と違って上々の天気です。テン場を過ぎたところで雲海の上に出るご来光を拝むことが できました。
〔冷池山荘 発=4:45〕布引岳山頂(2,683m)
鹿島槍ヶ岳へは冷池山荘にザックをデポしトートバック一つ持って往復します。
鹿島槍との中間にあるのがこの布引岳で1時間で登ってきました。
日が少しずつ昇って立山連峰・剱岳もその姿を鮮明にし始めています。
〔布引岳 着=5:45〕布引岳から見る鹿島槍ヶ岳
前方には朝日を受けて新鮮な感じの鹿島槍ヶ岳の姿が望めます。
中央のピークが本峰の南峰、右の頭が北峰の双耳峰です。
〔布引岳 発=5:50〕登山道に咲く花
この山では今が一番花盛りの季節でしょう。
登山道沿いにさまざまな花が咲き乱れています。
鹿島槍ヶ岳(2,889m)山頂
山荘を出発して1時間45分で鹿島槍ヶ岳山頂まで登ってきました。
荷物なしの身軽るだったこともあり、コースタイム(2時間10分)よりもだいぶ早く到着しました。 その山頂にはすでに6・7人の先客がありました。
〔鹿島槍ヶ岳 着=6:30〕
立山三山と剱岳の眺望
登ってくる途中ずっと見えていましたが最も目を引くのが立山連峰です。
この時間になると日も高くなり堂々とした山姿がすっきりと見えるようになっていました。
北側に続く後立山連峰
北側に続く山並もみごとです。
手前から五竜岳、白馬鑓ケ岳、白馬岳へと続きます。
南側の眺望
南側は登ってきた稜線です。
左に見える3つのピークの連なりは爺ヶ岳です。
そして中央奥には穂高連峰と槍ヶ岳が小さく見えていました。
穂高連峰と槍ヶ岳
肉眼でもはっきり見えていましたが、穂高連峰と槍ヶ岳をズームアップで撮ってみました。 左端のピークが前穂高岳、中央に奥穂高岳、そして右のとんがりがいわずと知れた槍ヶ岳です。
いつまでも見あきない景色に未練を残しながら山頂をあとにします。
〔鹿島槍ヶ岳山頂 発=6:50〕お花畑を楽しみながら歩く下山路
とにかく花の多い山です。
花をじっくり見ていたい気持ちを振り切るように歩きました。
前方の3つの山は爺ヶ岳の北峰、中央峰、南峰です。
〔布引岳=7:25~7:30〕冷池山荘と爺ヶ岳
冷池山荘はもうすぐです。
鹿島槍ヶ岳山頂から冷池山荘まで1時間15分でした。
預けたザックを引きとり荷物を整理してお世話になった冷池山荘をあとにしました。
〔冷池山荘=8:05~8:30〕
振り返って見る鹿島槍ヶ岳
山荘を出発し冷乗越から爺ヶ岳へ登って行く途中で鹿島槍ヶ岳を振り返って見ました。
左に布引岳があり、中央に鹿島槍ヶ岳の南峰、右に北峰を従える形の堂々とした双耳峰です。
爺ヶ岳を貫く登山道
爺ヶ岳の3つのピークを見ながら山裾を貫く縦走路を歩きます。
平坦に見えますがところどころアップダウンがあるので疲れます。
そして写真から外れた右の方には種池山荘がくっきり見えているのですが一向に近づく感じがしないのでした。
剱岳を背景に咲くコマクサ
久しぶりにコマクサに出会えてよかったです。
昨日登った爺ヶ岳の中央峰はパスして巻き道を行くと、南峰との鞍部にコマクサの群落があったのです。
剱岳を背景に咲くコマクサは何とも言えませんでした。
爺ヶ岳南峰から下る
前日はガスっていて何も見えなかったので、爺ヶ岳の南峰にもう一度登って行くことにしました。
穂高連峰はより近く、針ノ木岳を正面に見る眺望絶佳の爺ヶ岳山頂でした。 この写真は爺ヶ岳から少し下ったところで見た種池山荘と背後の立山連峰・剱岳です。 これで見紊めとしましょう。
種池山荘で昼食をとり柏原新道を下ります。
〔爺ヶ岳南峰山頂=10:00~10:15〕
〔種池山荘=10:40~11:10〕
登山口
下山道2ヵ所で休憩をとり、途中で出会った大町の男性と話をしながら一緒に下ってきました。
柏原新道の下りはコースタイム2時間30分に対し実時間は2時間15分(休憩15分含む)。 やはり下りは楽です。
このあと登山口から扇沢駐車場までが長く感じました。
〔駅見岬=12:15~12:20〕
〔八ツ見ベンチ=12:45~12:55〕
〔登山口=13:25〕
〔扇沢大町市営無料駐車場=13:40〕
爺ヶ岳から鹿島槍ヶ岳を往復するこのコースは思っていた以上に素晴らしい山行になりました。
初日はあいにくの天気でしたが2日目はいうことなしの好天。立山連峰、後立山連峰、穂高連峰、 表銀座の山並、そして針の木岳の稜線を間近に見ることができました。
足元に咲く数々の花が気持ちを癒してくれますし、下界の酷暑とは無縁の涼やかな稜線歩きは この山に登ったものしか味わえないでしょう。
過去に穂高や槍、剱岳に登って見た景色や達成もすばらしいものでした。しかし、この鹿島槍ヶ岳・ 爺ヶ岳はそうした一級品の山々を眺めて歩くというのですからある意味こちらの方が上という 評価ができる気がするのです。
日本にはまだまだいい山がたくさんありそうですね。次の山行を計画したいと思います。
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