◆イブネ・(いぶね):1,160m
クラシ(くらし):1,145m
◆所在地:滋賀県東近江市
◆山行日:2015年 4月24日(金)
◆メンバー:よっちゃんさん、釣りキチ三平さん、やっささん、
仁べえさん、馬籠のKさん、中津川のOさん
& Mota
〔登山コース〕
朝明渓谷駐車場―(70分)→根の平峠(休憩10分)―(30分)→上水晶谷―(20分)→コクイ谷出合― (55分)→御池鉱山跡(休憩10分)―(10分)→御池鉱山跡西(休憩5分)―(25分)→杉峠(休憩5分)― (20分)→杉峠の頭―(10分)→佐目峠―(20分)→イブネ山頂―(10分)→イブネ北端―(10分)→ クラシ山頂(休憩10分)―(20分)→イブネ山頂(休憩35分)―(10分)→佐目峠―(20分)→ 杉峠(休憩5分)―(20分)→御池鉱山跡―(30分)→神崎川渡渉点(休憩10分)―(10分)→ コクイ谷出合―(25分)→上水晶谷―(30分)→根の平峠(休憩5分)―(50分)→朝明渓谷駐車場〔所要時間〕
9時間45分(歩行時間=8時間20分、休憩=1時間25分)
鈴鹿の奥座敷といった感じのイブネとクラシへ行ってきました。
以前からぜひ訪ねてみたいと思っていましたが、GPSがあった方がいいといわれるくらい 道迷いしやすいところだと聞いていました。
そんな話を山友のよっちゃんさんにしたところ一緒に行きましょうといってくれたのです。 よっちゃんさんは四日市にお住まいで鈴鹿は知り尽くしているといっていい方です。
そこで他の山友さんたちにも声をかけました。そうしたら皆さんまだ行ったことがないのでぜひ ということで総勢7人で行くことになりました。
長丁場の行程なので早朝6時に 朝明渓谷駐車場に集合。すでにこの日のコースを踏破しているよっちゃんさん家のワンちゃん ・マー君を先頭に出発しました。
朝明渓谷を出発
この日のコースは伊勢谷を根の平峠まで登り、神崎川をさかのぼって杉峠へ。さらに佐目峠を越えて イブネとクラシをピストンする計画です。
花の時期には少し早かったようですがオオカメノキ、ショウジョウバカマなどを見つけて写真に撮りながら 登ります。
〔朝明渓谷駐車場 発=6:15〕根の平峠
伊勢谷を詰め、三重と滋賀の県境稜線にある根の平峠まで予定通り70分で登ってきました。
左へ行くと御在所岳、右へ行くと釈迦ヶ岳方面ですがわれわれは西へ向けてタケ谷方面へ下って行きます。
〔根の平峠=7:25~7:35〕大岩と大杉
10分ほど下って行くと分岐があり、タケ谷方面への道を右に分けて進むと前方に大岩が見えてきます。 この大岩が一つの道しるべになっているようです。
次に大きな杉の木がありました。
〔タケ谷分岐・大岩=7:45〕上水晶谷
やがて上水晶谷に出て今日最初の渡渉です。
対岸にも指導標が見えていますので、わたりやすいところを選んで渡渉します。
〔上水晶谷=8:05〕コクイ谷出合指導標
上水晶谷から10分ほど行くと右手にきれいな流れの神崎川に出ます。 コクイ谷出合の指導標がありました。
それによると、この地点で神崎川の左岸にわたるように指示しているのですが渡渉は難しい 場所でした。
よっちゃんさんによると以前架けられていた橋が流失してしまったそうです。 そのため数十メートル先でコクイ谷をいったん西へわたり、そこで神崎川の左岸に わたるのだそうです。
コクイ谷出合
写真の中央上から右下への流れが神崎川で、左から神崎川にそそぐ沢がコクイ谷です。
したがって、ここでコクイ谷を西側(左岸)にわたり、すぐに神崎川の左岸へとわたるのです。
〔コクイ谷出合=8:25〕きれいな神崎川
神崎川は澄んだ水が流れるきれいな川です。
コクイ谷出合で神崎川を左岸にわたり、30~40m下流へ戻ったところから登山道に取りつきます。
神崎川を見下ろす
『コクイ谷出合指導標』 に示されているように、神崎川を少し遡ったところから再び 右岸へ渡渉します。
写真はきれいな神崎川を見下ろしたところですが、このあと何度も何度も神崎川と神崎川に 流れ込む支沢の渡渉を繰り返します。
林の中を行く登山道
やがて登山道は沢から離れ、山腹をトラバースし林の中の道になります。
左手に七人山や東雨乞岳の山影を見ながら登って行きました。
御池鉱山跡
林の中に石垣が積まれたところに出ました。説明板があり、御池鉱山跡だそうです。
ここは昔鉱山があったところで主に銀や銅を採掘していたところだといい、最盛期の明治末期には 300人余りが働き小学校もあったといいますから一つの鉱山村だったということでしょう。
〔御池鉱山跡=9:20〕住居跡の石垣
ずいぶんと広い範囲に石垣が積まれていました。
今では雑木林ですが往時は住居が密集して 建っていたことでしょう。陶器のかけらがあちこちに落ちていて生活の跡がしのばれます。
鉱山跡の西端で小休憩としました。
〔御池鉱山跡西端=9:30~9:35〕杉峠
ようやく杉峠へ到着しました。
峠には大きな杉の枯れ木が立っていました。
三重県の朝明から滋賀県の甲津畑へ続くこの道は千種街道という古い道で、根の平峠とこの杉峠を越えて 行く道です。昔からこの大杉が目印であり杉峠のシンボルだったと思います。
〔杉峠 着=10:00〕国見岳と御在所岳を振り返る
杉峠から振り返ると鈴鹿の国見岳と御在所岳がそびえているのが見えました。
この谷沿いの道を歩いてきたことになります。
〔杉峠 発=10:05〕イブネに続く尾根を登る
杉峠で小休憩をしたあとイブネに続く尾根道を登って行きます。
木がまばらに生えているだけなの眺望のいい気持ちよく歩ける登山道です。 鈴鹿の主稜線を行く道とは全然雰囲気の違う行程でした。
綿向山(1,110m)
登りながら振り返ると南西側に綿向山が見えてきました。
綿向山は雪の季節に登ったことがありますが、鈴鹿の山々の眺望がいい山です。
杉峠の頭(1,121m)
この先イブネとの間に佐目峠というところがあります。
その佐目峠と杉峠との間にあるピークということで杉峠の頭というのでしょう。
〔杉峠の頭=10:25〕タイジョウ分岐
緩やかに下って行くと 《タイジョウ分岐》 の指導標がありました。
直進するとタイジョウ(1,061m)への道ですが、イブネ方面へはここを右にとります。
佐目峠
佐目峠に着きました。
この2つに割れた石が目印になっていますね。
〔佐目峠=10:35〕雨乞山
佐目峠からはイブネへの登りにかかります。
広々とした尾根を登って行く眺望のいい道です。
振り返って見ると東側には御在所岳や鎌ヶ岳、そして南側には雨乞岳がどっしりとした姿を見せて いました。
右のピークが雨乞岳(1,238m)で、左のピークが東雨乞岳です。
広い台地状のイブネ山頂部
イブネの山頂部まで登ってきました。
イブネの山頂は南北に長い広場のような山頂台地です。
イブネ山頂(1,160m)からみた鈴鹿の山
イブネの山頂を示す山標はこの山頂台地に何ヵ所もありました。
一番高いところがどこか確証がないので適当に山標が設置されているのかもしれません。
国土地理院の地図を見るとこの写真のところが山頂ではなかろうかと思われます。
ちょっと雲がかかってしまいましたが国見岳、御在所岳、鎌ヶ岳がよく見えます。
〔イブネ山頂=10:55〕
イブネ北端
まだ時間が早かったおで昼食の前にクラシまで行ってくることにしました。
ここはクラシへ行く途中にあるイブネの北端です。
目の前に見えるのがクラシの山頂部で、右手奥の雲がかかっている山は釈迦ヶ岳です。
〔イブネ北端=11:05〕
クラシへ向かう
イブネ北端から少し下ってからクラシへ登ります。
写真の左端がチョウシ(1,022m)、中央は銚子ヶ口へ続く稜線で、クラシの山頂は右端に 当たります。
奥の中央から右にかけての山は御池岳など鈴鹿北部の山です。
〔イブネ北端=11:05〕
クラシ山頂(1,145m)
この日の最奥目的地であるクラシ山頂まで登ってきました。
山頂付近にはイワウチワが咲いていましたが残念ながら眺望はありません。
〔クラシ山頂=11:15~11:25〕クラシからの帰り道
イブネまで戻って昼食にすることにして往路を戻ります。
途中の道は苔の中の道で、やはり自然が創った庭園のような感じでした。
イブネ山頂で記念写真
イブネの山頂まで戻り昼食としました。
狭い他の山の山頂とは違って広々としているので、どこにでも腰を下ろせます。
おしゃべりをしながら思い思いに昼食をとったあと登頂記念の写真撮影をして下山にかかります。
〔イブネ山頂=11:45~12:20〕登山道わきに咲いていた花たち
帰り道では登山道わきに咲く春の花を探してカメラに紊めながら下ってきました。
ゴールデンウイークにはたくさん咲くだろうと思いいますが、この日は花には少し早かったようです。 それでもいくつもの花を見つけました。
写真は上段の左がエイレンソウ、右がネコノメソウ、下段の左はハルリンドウ、右がイワウチワです。
〔佐目峠=12:30〕
〔コクイ谷出合手前付近=13:50~14:00〕朝明渓谷駐車場に戻る
根の平峠で最後の休憩をとり、出発地の朝明渓谷駐車場まで戻ってきました。
実に長い行程でした。休憩時間も入れて9時間45分もかかったことになります。
〔根の平峠=15:05~15:10〕
〔朝明渓谷駐車場=16:00〕
イブネ、クラシとは変わったなまえの山なのでそのいわれが気になります。
ネットで調べたところ、ある人が確かなことではないけどという前提で、イブネは伊勢側の集落『伊船』 から、そしてクラシは『クラシシ』からきた、すなわちクラシシとは昔、カモシカを『嵓猪』・『嵓羊』 といったことからと書いていました。しかし、いずれも真偽のほどはわかりません。
長年の思いがかないそのイブネ・クラシという鈴鹿の奥座敷ともいえる山へ行ってくることが できました。
何はともあれ快く案内していただいたよっちゃんさんに感謝しています。
単独行ではなかなか行きにくい山域ですが、 さすが地元の山・鈴鹿を知り尽くしたよっちゃんさんです。
大勢の山友さんを引き連れて 的確に先導してくれたのです。
鈴鹿の主稜線は私も大体歩いていて雰囲気はわかっていますが、滋賀県側の山域の雰囲気がこれほど 違うということを実感しました。 いわゆる鈴鹿の山は花崗岩質でザレた砂礫の登山道が多いのに対してイブネ・クラシ方面の山は 苔とまばらな雑木の山でした。庭園を思わせる穏やかな表情の山だと思います。
それにしても朝明渓谷からイブネ・クラシを往復する行程は長丁場でした。歩行時間だけで 8時間20分かかりましたし、距離的には約18kmも歩いたことになります。 歩数は34,000歩。この日1日、いい運動をさせてもらいました。
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