《野坂岳》  Motaのホームページ
 Orange life

野坂岳


野坂岳マップ野坂岳(のさかだけ):914m

◆所在地:福井県敦賀市
◆山行日:2015年 4月 2日(木)
◆メンバー:単独

〔登山コース〕
野坂いこいの森第2駐車場登山口―(30分)→栃の木地蔵―(15分)→山頂まで約2.5km標識 ―(25分)→一の岳展望地(休憩5分)―(25分)→二の岳―(10分)→三の岳 ―(10分)→野坂岳山頂(休憩65分)―(5分)→三の岳―(25分)→一の岳展望地―(10分) →山頂まで約2.5km標識―(15分)→栃の木地蔵―(15分)→野坂いこいの森第2駐車場登山口
〔所要時間〕
4時間15分(歩行時間=3時間05分、休憩=1時間10分)


昨年春に山友の仁べえさんが登って展望がよかったという野坂岳へ行くことにしました。
福井県敦賀市にある野坂岳は西方ヶ岳、岩籠山とともに敦賀三山といわれるそうです。
市民に親しまれている山だけに登山道もよく整備され、比較的簡単に登ってくることができる 山だと聞きました。
ただ、地理的に日本海気候の影響を受けやすい山なので、移動性高気圧に覆われ好天が約束される 日に行きたいと思っていました。そしてできれば少しくらい雪がある時の方がいいだろうと ねらっていた条件にぴったりの日に出かけることにしました。
国道8号線を北上、国道27号線に入って小浜方面に向かい、途中で左折して案内標識に したがい野坂いこいの森まで行きます。登山口のある第2キャンプ場の駐車場に車を止めました。

すがすがしい姿を見せる野坂岳

国道27号線に入ると左手に野坂岳が見えてきます。
昨夜まで降っていた雨もすっかりあがり野坂岳はすがすがしい姿を見せていました。
山頂にまだ少しかかっている雲がぬぐい去られるのも時間の問題でしょう。

野坂いこいの森駐車場

設定したナビに導かれて野坂いこいの森駐車場に着きました。
ここはバンガローもある第2キャンプ場で野坂岳の登山口になっています。
車が数台止めてあるのですでに登っている人がいるようです。

登山口

実にわかりやすい登山口です。
左側に 『登山者記帳箱』 がありました。ノートが用意されているので記入して出発します。

〔登山口 発=8:40〕
最初の渡渉

登山口から少し登って行くと野鳥観察ハウスがありました。このあたり一帯は野坂いこいの森 なのです。
いつの間にか山道に変わり、最初の渡渉地点に出ました。 小沢ですが雪解けと昨日の雨で勢いのいい流れをわたります。

〔最初の渡渉=8:48〕
3回目の渡渉とアルミ階段

テレビ塔への分岐を過ぎ10分ほど登ったところで今度は沢の左岸に渡渉します。2回目の渡渉です。
そして流れに沿って登って行くとアルミの階段が見えてきました。 ここで3回目の渡渉です。

〔渡渉2回目=9:00〕
〔アルミ階段・渡渉3回目=9:10〕
栃の木地蔵

3回目の渡渉地点の手前、すなわち沢の左岸側に 『栃の木地蔵』 が祀られていました。
2013年9月の大雨でこのお地蔵さんが10mほど沢に流されたそうです。 過去にも何度か災難に会っているようですが現在は山側にしっかり安置されていました。
野坂岳権現の縁起書に、弘法大師が諸国巡錫の折、この山が霊地であることを知り、 登る途中で地蔵菩薩に会われたといういわれもあって、今の場所に地蔵が祭られた のかもしれないという話もあるようです。
振り返って見る敦賀湾

アルミの階段を上ったところから振り返るといい景色が見えていました。
敦賀市の市街地の向こうに敦賀湾が見えます。
左側に見える山は西方ヶ岳(764m)です。

山頂へ約2.0km標識

沢から離れて登って行くと 《山頂へ約2.0km》 という標識がありました。
登山口を出発してここまで45分でした。

〔山頂へ約2.0km標識=9:25〕
行者岩

山頂へ約2.0km標識からは尾根道になります。
そして次第に登山道が雪道に変わります。
ふと右手を見ると大きな岩がありました。これが行者岩のようですが、岩まで行くのはやめて 上をめざします。

〔行者岩=9:40〕
積雪の急坂を登る

雪はこのあたりで50~60cmくらいでしょうか。
写真で見るより急な斜面をトレースをたどって登ります。

登って行く途中で何人かの先客が下りてくるのに出会いました。 その中の一人の女性に、上の方はずっと雪ですかと聞いたところ、 あんたはどこから来たの、よそから来る人は靴だけど雪が深いから私ら地元の人はみんな長靴だよ といわれてしまいました。

一の岳展望地

一の岳のピークの下にある展望地まで登ってきました。
北から東にかけてすばらしい眺望が広がっています。
左手に敦賀湾と敦賀の市街地。その奥に真白な白山が望めます。 右手(東)には岩籠山、その奥に滋賀県北部から奥美濃の雪山が見えていました。

〔一の岳展望地=9:50~9:55〕
二の岳と三の岳

展望地で一休みして出発します。
登って行くとすぐ左前方に2つのピークが見えてきました。
これから山頂へ向けて越えて行く二の岳と三の岳です。
左が三の岳、右が二の岳です。

一の岳と西方ヶ岳を振り返る

一の岳からの主稜線の道は次第に勾配が緩くなります。
登って行く途中で振り返るとすぐ下に一の岳が、その奥には西方ヶ岳がありました。

雪解けが進む尾根道を行く

登って行く尾根道にはまだ雪がありますが木の根元廻りの雪はすでに解けてありません。 このところ暖かい日が続き雪解けが進んできていることがわかります。
雪が腐ってくると歩きにくくなりますが、まだズボズボ雪を踏み抜いてしまう ようなことはなくて助かりました。

二の岳

登るにつれて雪が少なくなってきました。風向きや日当たりなど地形的な影響があるのかもしれません。
夏道と雪道が交互にあらわれる道を歩き二の岳までやってきました。 平坦なところなのでピークという感じがしません。

〔二の岳=10:20〕
三の岳

二の岳から10分ほどで三の岳の標識がありました。
ここもピークという感じがしないところです。
明るい木立の向こうに避難小屋のある野坂岳の山頂部が見えていました。

〔三の岳=10:30〕
野坂岳避難小屋

三の岳からはひと登りの距離ですが急登です。
雪の斜面を登り山頂下の避難小屋に到着しました。

野坂岳山頂(914m)

避難小屋から30~40mほど行ったところが野坂岳の山頂でした。
登山口から山頂までちょうど2時間で登ってきたことになります。
まずは記念写真を撮りましたが強風のため帽子が飛ばされそうでした。 広い山頂部一帯に雪がないのは強風の影響かもしれません。

〔野坂岳山頂 着=10:40〕
若狭の海

山頂からは360度の果てしない展望が広がります。
その中で最初に目を引きつけられたのは若狭の海と三方五湖でした。
太平洋岸に住んでいる私にとっては日本海を見ることは珍しいことですし、 入り組んだ若狭湾が特に魅力的に見えるということです。
左側の山は雲谷山(787m)です。

東側のパノラマビュー

若狭湾の次は東側に広がるパノラマビューです。
登ってくる途中で何度も見ましたが左端の白山から右へと白き峰々が連なります。
このパノラマ写真のさらに右には伊吹山がありました。
ただ、残念ながら白山から横山岳の間にある山々の山座同定はできませんでした。。

白山をズームアップ

今日は雨上がりで空気が澄んでいて幸運だったと思います。 毎日これだけの景色が見られるということはないでしょう。
白山をズームアップしてみました。 東側から見ることはよくありますが白山を西側から見る機会は少ないのです。
右側のピークは別山でしょう。

南側に見る琵琶湖と高島トレイル

南側を見た写真です。
琵琶湖が見え、中央やや右の山が三国山、そして赤坂山、大谷山と続く高島トレイルの 山々が見えていました。
また、写真の左側には乗鞍岳があります。

嶽権現が祀られた避難小屋

山頂での眺望を思う存分楽しみました。
山頂下にある嶽権現が祀られた避難小屋を利用させてもらい、ゆっくり昼食をとった後下山に かかります。
登山口の案内板『野坂嶽大権現由来』によると――
弘法大師がこの地まで来られた時、西南の山に 美しい紫色の雲がたなびき、まばゆいばかりの光が輝いている様子を見た。『これこそ仏のおわす 霊地なり』と光のさすほうめざして登ったところ小さな仏像を発見し、山頂に『嶽権現』を 祀った。
現在仏像は山麓の高圧山宗福寺の権現堂に安置されていて、山開きの日に山頂に祀るという。
〔野坂岳山頂 発=11:45〕
雪道を下る

足を踏み込んだ雪と一緒に滑り下りるように下る雪道は好きです。
景色を楽しみながら快調に下りました。

〔一の岳展望地=12:15〕
〔栃の木地蔵=12:40〕
登山口駐車場に戻る

カラフルなバンガローが立ち並ぶ登山口の駐車場まで戻ってきました。
下りは山頂から1時間10分でした。

〔登山口駐車場 着=12:55〕

いい天気になるという予報を信じてやってきたかいがありました。
終始快晴の空の下、思う存分眺望が楽しめた1日でした。
普段なかなか見られない日本海を見下ろすことができた野坂岳。山友さんがいっていた 眺望のいい山だというのを身を持って味わうことができた山行となりました。
かつてこの地にやってきた平重盛が、『見るたびに富士かとぞ思う野坂山いつも絶やさぬ峰の白雪』 と 詠んだそうです。そのため敦賀富士と称され人々に親しまれ崇められてきたそうです。
先日登った近江富士の三上山のように三角錐形の山ではなく富士山とはちょっと違う感じもします。
しかし、雪をいただく端正な野坂岳は地元の人たちにとっては自慢の敦賀富士なのでしょうね。



     

Orange life    
Home 近況報告 山行記リスト 旅だよりリスト 読 書